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大阪ダービー敗戦に落胆するセレッソ山口蛍「走るところはまた1からやっていかないと」

18:07 JST 2017/08/04
2017-07-29-cerezo-hotaru yamaguchi
大観衆が訪れた熱戦の大阪ダービー。軍配はガンバに上がった。セレッソの10番を背負う山口蛍は、この敗戦をどのように受け止めているのだろうか?

7月2日のJ1第18節・柏レイソル戦に勝利し、スルガ銀行チャンピオンシップ(8月15日)の関係で7月22日に前倒しされた第22節・浦和レッズも4-1で圧勝。首位の座をガッチリキープしていたセレッソ大阪。山口蛍が開幕前に話していた「J1残留ラインの勝ち点40をいち早く確保する」という目標を早々とクリアし、さらに勝ち星を重ねたいところだった。そんな中、行われたのが29日の第19節・ガンバ大阪戦。吹田スタジアム初の大阪ダービーということで、3万6000人を超える大観衆が集結。両者を取り巻く雰囲気は最高潮に達した。

ピッチをワイドに使ってきたガンバに序盤こそリズムを作られたものの、前半20分過ぎからは完全なセレッソペースだった。21分には山口蛍が強引に前に出て強烈シュートを放つ。これは相手守護神・東口順昭に防がれたものの、攻撃面で冴え渡るダイナモがまずは積極果敢なアタックを披露した。

6月25日の第16節・ベガルタ仙台戦で6月の月間ベストゴールに輝く得点を奪い、浦和戦でも今季2点目を挙げるなど、ここ最近、ゴールという結果がついてきていることが、彼の大きな自信になっているのだろう。前半31分に左サイドを駆け上がった柿谷曜一朗に出したサイドチェンジ、後半開始早々に柿谷と連携から見せたダイナミックな走りも含め、この日の背番号10は光り輝いていた。前半9分に杉本健勇の先制点が入った時間帯までは、相手中盤を統率する今野泰幸、井手口陽介の両代表ボランチを完全に凌駕していたと言っていいだろう。

だが、そこからセレッソの足が徐々に止まり始める。後半20分にガンバの新戦力FWファン・ウィジョに同点弾を奪われ、12分後に井手口の左CKを三浦弦太に押し込まれて逆転を許すと、選手たちの疲労度がピークに達する。尹晶煥監督がリードした時に採用する5-4-1システムへのスイッチが遅れたこともあって、前線と守備陣の間にポッカリスペースが空くという今季のセレッソになかった事態が起きて、さすがの山口蛍もバランスを取ることに忙殺されてしまう。逆にガンバのダイナモ・井手口は2点目のアシストに続いて、3点目もお膳立て。数字的には山口より大きなインパクトを残した。試合後のミックスゾーンで、山口は後輩ボランチの肩を叩き、健闘を労ったものの、J1・10試合ぶりの敗戦も含めて不完全燃焼感を色濃く感じたことだろう。

「(陽介との直接対決?)それはイメージしてなかったし、そこまでぶつかることはなかった。向こうが点を取るまでは結構自分たちのペースで進んでたから、あんまり相手のいいところを出させなかったし。だけど、同点に追いつかれ、逆転された後は相手の方が押し込んできたんで、セカンドボールも含めてすごく拾われた印象はあったかなと。陽介はすごく利いてたとは思いますね。自分も失点するまではチャンスがあったんで、それを試合通してやりきれなかったのがすごい残念です」と山口自身も最後の美味しいところを井手口に持っていかれた悔しさをにじませた。

今回の大阪ダービーで今季3敗目を喫し、1試合消化の少ない鹿島アントラーズに追い上げられてきたセレッソだが、まだまだ修正は可能だ。実際、7月の彼らはスケジュールがあまりにもタイトすぎた。J1・4試合に7月12日の天皇杯3回戦・アルビレックス新潟戦、26日のJリーグルヴァンカッププレーオフ・コンサドーレ札幌戦と公式戦が6試合もあり、17日にはStubHub ワールドマップ2017・セビージャ戦も消化している。このうち山口蛍はJ1全試合と天皇杯を120分戦った挙句、セビージャ戦もフル出場。誰よりも過酷な状況下で戦い抜いてきたのだから、大阪ダービーで終盤ややフィジカル的な重さを感じさせたのもやむを得ない部分があった。

「体力面は言い訳にはできないと思う。ガンバはJリーグの中でも一番走ってるチームというデータが出ているし、自分たちが走り勝たないと勝てない。そこからしっかり入らなきゃいけなかったのに、点を決められて、だんだんチーム全体がぬるくなっていった。走るところはまた1からやっていかないといけないですね」と背番号10はさらなる走力の追求を図っていく考えだ。

決めるべきところで決めるという勝負勘を研ぎ澄ませていくことも、セレッソが克服すべきテーマだと山口は考えている。

「ガンバ戦でも自分たちは2点目を取れるチャンスで取れなくて、その時間に相手に同点ゴールを決められてしまった。2-1に逆転されても2-2にできるチャンスはあったし、やっぱり決定力の差が出てしまったなと思います。ガンバの方がピッチを広く使うことができていたし、自分たちもそれをやろうとしていたけど、負けてる時間帯はどうしても前へ前へとなってしまった。ゲームの進め方をもっと考えなくちゃいけないですね」と彼は問題点を冷静に受け止め、改善に向けての努力をひたむきにしていくという。

そういう真摯な姿勢こそ、山口蛍の魅力であり、進化の原動力だ。今季は間違いなく攻守両面でスケールアップしているが、本人は決して満足していない。昨季半年間で挑戦を断念したハノーファー、あるいは日本代表の舞台で「上には上がいる」ということを痛感し続けてきたからこそ、貪欲に高みを目指して進んでいけるのである。セレッソが今後、最後まで優勝争いを演じられるか否かはこの男の頑張り次第と言っても過言ではない。チーム唯一の今季J1フル出場の鉄人には、さらなるタフさと逞しさを前面に押し出し、周囲を鼓舞し続けてほしいものだ。

文=元川悦子

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