リーグ・アンで負けることなど、モナコの選手たちはすっかり忘れていたことだろう。レオナルド・ジャルディム監督率いるモナコは、国際試合のための中断期間前まで、16連勝という輝かしい記録を打ち立てていた。なんと、昨シーズンの2月25日から、引き分けすらなかったのだ。しかし、どんな連勝記録もいつかは止まる。これまでリーグ・アンの36試合で必ず揺らしてきたネットでさえ、この試合では揺れることはなかった。
ニースのホーム、アリアンツ・リヴィエラで、コートダジュール・ダービーに敗れたモナコは、昨シーズンのような、観る者の心を震わせるプレーができず、すっかり変わってしまっていたのだった。もちろん、この変化にポジティブな意味は含まれない。
■新生モナコに欠けているもの
モナコは、パリ・サンジェルマンとのスーパーカップで敗れた後、シーズン開幕から4連勝していたものの、実力は偽りのものであった。ニース戦では、シーズン開幕前に人知れず変貌していたモナコに、何かが根本的に欠けているという印象を感じざるを得なかった。
「家にいたほうがマシな日がある」と、レオナルド・ジャルディム監督は試合後に語った。続けて、「何か」が欠けていたことを認める。ボール保持率ではニースを上回りながら(55%)、ニースに統率されていない中盤と効果的ではないサイド攻撃の裏をとられ、カウンター攻撃に沈んだのだった。


*これらの図は、ニース戦で、ジョルジ(1)とジブリル・シディベ(2)がボールに触れた場所を示している。
この試合、モナコは21本のクロスを上げ、成功したのは5本だけだったが、この数字自体はこの1年で最悪というわけではない。だが、上記の図のように両サイドバックサイドバックがしばしば攻撃にかかりきりになり、その裏のスペースが繰り返し大きく空いていたため、そこをニースに集中して利用されてしまった。
ニースは、ボールホルダーに対して執拗にくらいつき、並外れた決定力を発揮した(枠内シュート5本で4得点)。中盤は縦も横もパスコースを消され、エースのラダメル・ファルカオに最適なボールを届けられず。ファルカオはペナルティーエリア内で3回しかボールに触れることしかできなかったこともそれを示している。どの時間帯においても、モナコの選手たちは劣勢を跳ね返すことができなかった。たとえばベルナルド・シウバやキリアン・ムバッペならば、組織的な攻撃が行き詰った時の突破口を見いだしたものだったのに。
移籍市場が閉じてからすでに2週間近くが経ち、モナコは新しい時代が始まったばかりだ。RBライプツィヒと対戦するチャンピオンズリーグでも、そのことを受け止めてプレーしなければならない。「去年も0-4で負けたが、チャンピオンになった。そういうジンクスなのだろう」と、ジャルディム監督は記者会見で強気に語った。それもまた、9月半ば(9月21日)のニース戦であった。結果的にリーグを制したモナコは、その時すでにPSGを倒していた。時代は変わり、モナコも変わってしまったのだ。
文=ユリアン・クエレン/Julien Quelen
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