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向けられた疑問、皮肉、不満…本田圭佑がパチューカで示した“一発回答”

まさに“一発回答”。本田圭佑が、新天地で大きな一歩を踏み出した。

7月14日、ミランを退団してフリーとなっていた日本代表MFのメキシコ・パチューカ入りが決まった。欧州でも、日本でも、アメリカでもないメキシコという選択は、驚きを持って日本とメキシコの両国で伝えられた。

メキシコは国内リーグのレベルが高く、給与の面でも待遇が良い。「新しいことにチャレンジする」という本田の哲学、さらに来年開催されるロシア・ワールドカップを見据える意味でも、興味深い選択となったことは確かだ。

もっとも、航海の始まりは必ずしも順風満帆とはいかなかった。筋肉系の問題により開幕から出遅れてしまったことに加え、国内屈指の強豪であるはずのパチューカが開幕3連敗を喫してしまったのだ。

不測の事態に対し、一部の地元ファンたちは鳴り物入りでチームに加わった本田を“ヤリ玉”に挙げた。

「本田はプレーしないつもりなのか」

「彼はいつプレーするんだ? 高額の資金を費やしたのに、まだプレーしていない。これからどうやって埋め合わせるつもりだ?」

さらには地元メディア『アス』は、高額な年俸を受け取る本田の加入によって「ロッカールームで異変が起こっている」という内容の記事を掲載。デビュー前から本田へ対するプレッシャーは大きくなっていた。

■求められた結果

そんな中で迎えた22日、第6節のベラクルスで本田はベンチ入りを果たした。そして58分、大きな喝采を受けてピッチに立ち、メキシコリーグデビューを果たす。そして、ピッチに立っただけでは終わらなかった。まさに“本田圭佑が本田圭佑であるゆえん”を示してみせたのだ。

デビューから15分後、味方のロングパスに抜け出してペナルティーエリア外左から得意の左足を振り抜く。完璧にコントロールされたシュートは右サイドネットに吸い込まれた。チームの4点目となる、ダメ押しゴールだった。3−0というほぼ勝負が決していた状況ではあったものの、結果が求められる中で得点という最高の“回答”を示してみせたのだ。

結局、パチューカは終盤に失点を喫したものの、4−1で快勝を収めて本田はデビュー戦を白星で飾った。

試合後の記者会見では安堵したような表情を見せた。「ミランでのデビュー戦でもゴールは取っていなかったので」と、初戦での得点を喜びもした。

■本田圭佑が背負うもの

もっとも、満足感に満たされていたわけではない。まだまだ課題は多いという。例えばコミュニケーションの部分だ。スペイン語圏でプレーするのが初めてということもあり「まだコミュニケーションを取るのに時間がかかる」という。

それでも、一歩一歩、解決に向けて足を踏み出し続けている。現地で取材にあたった『Goal』のパウリーナ・グライェダは、こう証言する。

「彼はベンチにいても、チームメイトと常にコミュニケーションを取っていました。特にエリック・グティエレスとはよく喋っていましたね。彼は中盤で最も重要な選手の一人です」

本田にかかる期待、プレッシャーはいまだに小さくない。開幕から出遅れたパチューカのチーム力を底上げして優勝を狙えるチームにすること、ファンの期待に応えること、そしてワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦へ臨む日本代表に選ばれた際には、ロシア行きの切符をつかむ使命も背負うことになる。

一発回答のその先にあるもの――。

本田はすでに、次の答えを出すために、歩み出している。

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