9日にヘルシンキで行われたフレンドリーマッチ、フィンランド対エストニアの国歌斉唱で同じメロディーが2度流れるハプニングが起きた。『Goal』の取材により明らかになった。
ロシア・ワールドカップ欧州予選において、フィンランドはグループIで5位、エストニアはグループHで4位となり、敗退に終わった。ユーロ2020へ向けて再始動した両チームが対戦したことで、珍しい現象が見られた。試合開始前の国歌斉唱の場面において、まずはエストニア国家、続いてフィンランド国歌が順番に演奏された。しかし同じメロディーが2度にわたり演奏されていた。
これは主催者側のミスによるものではなく、両国の国歌が非常に似通っているためだ。北欧のフィンランドとバルト三国のエストニアはフィンランド湾を挟んで対岸に位置し、地理的に非常に近い。また公用語であるフィンランド語とエストニア語も共通点が多い両国だが、国歌も“共有”している。
両国の国歌は1848年にドイツ出身で“フィンランド音楽の父”と呼ばれるフレデリク・パーシウスが作曲。後にフィンランド国歌「我等の地」に認定された。フィンランドで人気を得た同曲は歌詞を変え、エストニア国歌「我が故国、我が誇りと喜び」としても親しまれるようになった。
なお同様の現象はイングランド対リヒテンシュタイン戦でも起こりうる。リヒテンシュタイン国歌「若きライン川上流に」は、イギリス国歌「女王陛下万歳」のメロディーを採用しているためだ。
