史上初となるC・ロナウドの欧州3大リーグ制覇。しかし果たして本当の「偉業」と呼べるのか?

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Cristiano Ronaldo Man United Juventus Real Madrid
Getty/Goal
かつてプレミアリーグとラ・リーガを制したポルトガル人は、新加入したユヴェントスでも優勝を果たし、自らのタイトルコレクションに「セリエA」を加えた。

■どれほど価値のある「偉業」なのか

Cristiano Ronaldo Juventus Scudetto

クリスティアーノ・ロナウドがまたも偉業をやってのけた。プレーする国を変えても同じ結果を出すポルトガルのスーパースターが、再び国内リーグ制覇を達成した。

ユヴェントスはフィオレンティーナに2-1で勝利し、スクデットを勝ち取った。これによりロナウドは、セリエA、ラ・リーガ、プレミアリーグといった欧州3大リーグ全てを制覇した史上初の男となった。

しかし、この成功にどれほど大きな意味があるのかと問われれば、そこには議論の余地が残る。まず何よりも、これがチャンピオンズリーグの敗退により彼らのプライドがズタボロにされた、わずか4日後の出来事だという事実がある。それも彼らは、ユヴェントスよりもはるかに金をかけていないアヤックスに、はるかにエキサイティングなプレーをみせられ敗北を喫したのだ。

また、ユヴェントスは8連覇を達成したうえに未消化試合は5つもあり、今シーズンのどこを切り取っても彼らが王座を追われる危機は感じられなかった。

昨夏にレアル・マドリーからロナウドを獲得する以前から、ユヴェントスはダントツ優勝候補だった。そして、5度のバロンドールを受賞した男がここに加入することで、その地位はさらに揺るぎないものとなったのだ。

これについてアントニオ・カッサーノは、ロナウドとの契約が満了する2022年まで、ユヴェントスのスクデットは保証されているとさえ発言している。

ロナウド自身は、こうして再度自らのキャリアの幅を広げたことを誇らしく感じているようだが、一方で彼の最大のライバルであるリオネル・メッシは、そのキャリアのすべてをバルセロナに捧げることがますます濃厚となってきた。

ロナウドはメッシについて、「僕はイングランド、スペイン、イタリア、ポルトガル、そして代表でプレーしてきたけど、その間彼はずっとスペインにいたんだ」と語る。

「きっと彼のほうが僕を必要としているんじゃないかな。僕にとって人生とはチャレンジだ。この生き方が気に入っているし、皆を幸せにすることが好きなんだ」

■イブラは異論唱える

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一方で、ズラタン・イブラヒモビッチは、彼の移籍は称賛に値するものではないと考えているようだ。

4つの国(オランダ、イタリア、スペイン、フランス)でタイトルを獲得した経験を持つこのスウェーデン人ストライカーは、他国リーグに挑戦したロナウドのモチベーションが「自分の力試し」にあったと語っていることに対して不快感を抱いている。

「ロナウドはチャレンジなどと語っているが、彼が移籍を決めたのは目をつぶっていてもセリエAを連覇できるようなクラブだ!」

そう語るイブラヒモビッチの指摘はもっともだ。

「なぜ彼は、数年前に2部のチームに移籍することを選ばなかったんだい? そうした2部のチームでチャンピオンになり、チームをさらに上のレベルに引き上げることに挑戦してみたらどうなんだ。ユヴェントスに移籍することはチャレンジでも何でもないさ」

実際、今シーズンのセリエAの優勝は、ロナウドにとってもユーヴェにとっても骨の折れる仕事ではなかった。

開幕17試合で16勝を挙げた彼らは、第2節から首位の座を明け渡さず、クリスマスまでにはタイトルをほぼ確実なものとしたのだ。

セリエAの前半戦19試合で得られる最高勝ち点は「57」であり、そのうち「53」を獲得した今シーズンのユーヴェは、セリエA前半戦最高勝ち点記録をも樹立している。

さらにいえば、ユーヴェはリーグでの戦いに全力を尽くしているようには思えなかった。彼らは多くの試合で効率性を重視し、スペクタクルなフットボールは影を潜めた。その証拠に、今シーズンに彼らが相手に対して3ゴール以上の差をつけて勝利したゲームはたったの5試合しかないのだ。

ユーヴェはこうして虚しくも圧倒的な支配を続けてきた。この状況下で彼らのプレーがベストから程遠いものであったのは、すべてを出し尽くす必要がなかったからに他ならない。

低調なパフォーマンスでありながらホームでインテルとミランに辛勝し、アウェーではなんとかナポリを下した彼らにとって、ライバルたちのレベルは非常に乏しいものに感じただろう。

想定通りロナウドは得点を量産し、現在19ゴールを奪っているが、セリエAの得点王争いでは4位に甘んじている。首位を走るのは36歳のストライカー、ファビオ・クアリャレッラであり、彼は今シーズンのMVP候補としても声が上がっているほどだ。

一方、弱冠19歳のモイーズ・ケーンはユーヴェの秘密兵器として確かな輝きを放った。今シーズンのユーヴェで期待を上回る仕事をしてくれた選手として、彼以外のプレーヤーを思い浮かべることは難しいだろう。

■求められるCL制覇

Cristiano Ronaldo Juventus Ajax Champions League 16 04 2019

抜群の安定感を誇るジョルジョ・キエッリーニが、チャンピオンズリーグ準々決勝アヤックス戦のセカンドレグに出場できなかったことはユーヴェにとって非常に痛かった一方で、ヴォイチェフ・シュチェスニーは十分にジャンルイジ・ブッフォンの代役が果たせることを証明してみせた。

しかし、シーズンを通して彼ら以外のチームメイトがコンスタントに輝きを放つことはなかった。

マリオ・マンジュキッチは前半戦にはモンスター級の働きをみせたが、年明けからその勢いはしぼんでいった。また、パウロ・ディバラのプレーも安定感を欠き、もはやスタメンさえも保証されている状態ではない。

彼らはチャンピオンズリーグに照準を合わせるために、故意的に調子を落としていたわけではない。アヤックスに敗れて舞台から姿を消す前に彼らがチャンピオンズリーグで素晴らしいパフォーマンスを見せたのは、グループステージでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝利した試合と、ベスト16ラウンドのセカンドレグでアトレチコ・マドリーを3-0で下した2つの試合しか思い当たらないのだ。

トリノでアトレティコを退けたその夜のスターは、もちろんロナウドだった。そして、こうしたシチュエーションにおいてのみ、彼の移籍の「本当の価値」が決まることとなる。

ネイマールと同様、ロナウドは国内リーグ制覇が当然のチームでプレーするためにスペインを離れた。つまり、この2人の移籍の価値の判断は、究極的にはチャンピオンズリーグの結果に委ねられるということだ。

欧州3大リーグのすべてでチャンピオンを経験した最初の男として、ロナウドのキャリアが称賛に値することは言うまでもない。この事実は、彼が新たなクラブやチームメイト、そして新たな環境を求める野心を持っており、さらにそこに適応できる器用な選手であることを証明している。しかし、見るに堪えないほどに競争力の乏しいセリエAの現状を考えれば、この功績によってロナウドが「史上最高の選手」に近づいたとはいえないだろう。

ロナウドにとっての本当のチャレンジとは、チャンピオンズリーグでユヴェントスに1996年以来の栄冠をもたらし、3つの異なるクラブでのチャンピオンズリーグ制覇を経験することを指すのだ。

もしロナウドがこの関門を突破すれば、彼は「史上最高の選手」へと大きく前進することができる。しかし、そのチャレンジがセリエA制覇とは異なり、決してイージーではないことは言うまでもない。

文=マーク・ドイル/Mark Doyle

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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