「勝つか、勝つか」。ガンバ大阪に負けるという選択肢はない【大阪ダービープレビュー】

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明治安田生命J1リーグ第9節。最大の注目試合が大阪ダービーだ。舞台はパナソニックスタジアム吹田。18位・ガンバ大阪が、3位・セレッソ大阪を迎える。

■大阪ダービー予想フォーメーション

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■立場が逆転した「大阪の雄」

昨季まで大阪のサッカー界には確かに「南北問題」が存在していた。

9つのタイトルを手にしているガンバ大阪に対して、無冠の時代が続いていたセレッソ大阪。しかしながら、昨年10月のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦で実現した大阪ダービーで潮目が変わる。

長年「お得意様」にしてきたはずのライバルに終了間際、痛恨の決勝点を献上。「吹田の悲劇」に泣いたガンバ大阪に対して、セレッソ大阪は決勝で悲願の初戴冠。リーグ戦に限ってみれば、ガンバ大阪が20勝5分9敗と圧倒的に優位な戦歴を誇る大阪ダービーだが、21日にパナソニックスタジアム吹田で待つ顔合わせはある意味で歴史的でもある。

互いにタイトルホルダーとして激突する初の大阪ダービーは、ガンバ大阪にとって崖っぷちの一戦だ。「こういう状況でのダービーは記憶にない」と遠藤保仁も認めるように、リーグ戦では対照的な立ち位置にいる両者。かつての常勝軍団が最下位に喘ぐ一方で、昨季の二冠が決してフロックではないことを体現中のライバルはリーグ戦で4連勝を飾り、3位につけている。

今回の大阪ダービーをひと際盛り上げる要素の一つが、長年セレッソ大阪を率いたレヴィー・クルピ監督の存在だ。いわば「クルピダービー」でもある今回の一戦だが、ブラジル人指揮官はキッパリと言い切った。

「ジョゴ・ド・アノ(一年を左右する試合)」

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チームベースを定めるべく、連戦の中でもあえてベストメンバーを投入し続けて来たクルピ監督が、18日のルヴァンカップ第4節では浦和レッズという好敵手相手に、主力を完全温存。それもすべてはセレッソ大阪戦を万全で迎えるためだった。

■19歳の若武者が中盤を走りまくる

アデミウソンと今野泰幸という攻守のキーマンを欠く苦しい状況で挑む大一番。内容が伴うにこしたことはないが、勝ち点3が必須となる試合でクルピ監督は中盤にプロ2年目の高江麗央を抜擢する可能性が濃厚だ。

ルヴァンカップの浦和戦後に「今日私の目を引いたのは麗央」とクルピ監督が称賛した19歳は、出場すれば待望のJ1リーグ戦デビューとなる。ボランチの運動量とカバーリングに不安を抱えるガンバ大阪だけに、高江の「回収力」に期待がかかる。

戦前の予想やチーム状態に関係なく、両チームの指揮官と選手、サポーターが意地をぶつけ合う舞台がダービーなのだ。吹田市内にあるガンバ大阪の練習場にはダービー前日の風物詩となったサポーターによる横断幕や旗の掲示がなされ、人数こそ少なかったもののコアサポーターがチャントとともに指揮官や選手を出迎えた。

「特別な試合だし、相手の順位とかチーム状態に関係なく、お互いに意地と意地の試合になる」(東口)

ともに「大阪」の名をクラブ名に掲げる両雄が火花を散らし合う90分。ブラジルでダービーの際に決まり文句となるのが「ヴェンセール・オウ・ヴェンセール(勝つか、勝つか)」である。

ダービーに負けるという選択肢は許されないことは王国生まれの指揮官が一番よく分かっているはずだ。

文=下薗昌記

【キープレーヤー】MF 29 髙江麗央

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今季はリーグ開幕戦で高卒ルーキーのMF福田湧矢を抜擢したレヴィー・クルピ監督。大阪ダービーでは2年目の高江麗央がチャンスを得そうだ。本職は攻撃的MFだが、今季はG大阪U-23でボランチに挑戦中ボール回収能力と運動量でバイタルをケアしたい。

プロフィール:1998年6月27日生まれ、19歳。171cm/60kg。熊本県出身。ソレッソ熊本-熊本ユナイテッドSC U-12-ロアッソ熊本Jrユース-東福岡高を経て2017年G大阪に加入。J3通算36試合出場3得点。

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