■ブンデス第17節 シュトゥットガルト 0-1 バイエルン
バイエルン：ミュラー(79分)現地時間16日、ドイツ・ブンデスリーガ第17節が行われ、首位バイエルンは浅野拓磨の所属するシュトゥットガルトと敵地で対戦し1-0で完封勝利を飾った。ベンチスタートとなった浅野は82分から出場し、惜しいボレーも放ったが、無得点の続くチームを救うことはできなかった。
公式戦4連勝中のバイエルンに対し、シュトゥットガルトはリーグ3連敗中と対照的な両者。特にシュトゥットガルトは3試合連続無得点中と、攻撃陣は不発が続いている。
開始50秒でロベルト・レヴァンドフスキの左足シュートが右のポストをかすめた際には、バイエルンの一方的な試合展開が予想された。しかし、シュトゥットガルトも怯まず応戦。7分には、シモン・テロッデのヒールでの落としを受けたシャドラック・アコロがシュートに持ち込む。ここはGKスヴェン・ウルライヒが横っ飛びではじき出した。
攻撃陣の奮起が必要なのは、シュトゥットガルトだけではない。バイエルンもここ2試合は1-0での勝利が続いており、ゴールを奪うのに苦労している。21分、バイタルエリアでボールを受けたハメス・ロドリゲスがカットインからペナルティーエリア内左へラストパス。受けたレヴァンドフスキがDFをかわしてシュートを放つも、GKロン＝ロバート・ツィーラーがかろうじて触り、こぼれ球はDFがクリアした。
36分には、中盤を突破したハメスのラストパスからコランタン・トリッソが1対1を迎えるも、GKツィーラーが足に当ててブロック。バイエルンは決定機を生かせず、無得点で試合を折り返した。
後半、シュトゥットガルトは開始2分でテロッデに代えてマルチン・カミンスキーを投入。前半同様にバイエルンがボールを回すものの、シュトゥットガルトも対人で粘り強く対応し、思うように決定機が作れない。特にシュトゥットガルトはバイエルンの最終ライン、マッツ・フンメルスとジェローム・ボアテングに対してもしっかりとプレスをかけ、高精度のロングボールを封じることに成功していた。
それでもチャンスを作るのがバイエルン。59分、ロングパスをハメスが頭でそらし、呼応したトリッソが左へサイドチェンジのパスを送る。これを受けたキングスレー・コマンがペナルティーエリア内左から右足で狙い済ましたシュートを放つも、GKツィーラーの守備範囲。66分には、ボアテングの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、GKツィーラーがまたも素晴らしい反応で防いだ。
65分、トリッソに代えてトーマス・ミュラー、68分には足を痛めたフンメルスが下がってニクラス・ズーレが投入される。すると迎えた79分、左サイドでボールを受けたコマンの右足クロスを、二アサイドでトラップしたミュラーが左足を振り抜く。これがゴール左へと突き刺さり、バイエルンがついに均衡を破った。
追いかける展開となったシュトゥットガルトは82分、ヨシップ・ブレカロと浅野を投入する。88分には、CKのこぼれ球をペナルティーエリア手前の浅野がボレーで押し込むも、DFに当たってゴール上へ。そのCKから今度はホルガー・バトシュトゥバーが頭で合わせるもGKウルライヒが触ってゴール上へと外れた。
前がかりになって猛攻を仕掛けるシュトゥットガルトだが、その分、後ろには広大なスペースが広がっており、アディショナルタイムにはバイエルンがそこを突いてカウンターから決定機を得る。しかし、完全に抜け出したハメスが狙ったループシュートはGKツィーラーが触り、こぼれ球をレヴァンドフスキが押し込むもGKツィーラーが戻ってラインぎりぎりで掻き出した。
先制を許したとはいえ、好手を連発してきた守護神に報いるべく、残り少ない時間で果敢に攻めるシュトゥットガルトは終了間際、ゴール前でボールをクリアしようとしたズーレに、飛び込んでいったサンティアゴ・アスカシバルが蹴られてしまう。主審はプレーを続けたが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）の結果、PKの判定に覆る。
シュトゥットガルトとしては、勝ち点1を得る絶好のチャンス。このPKをアコロが蹴るも、完全に読んでいたGKウルライヒがストップ。こぼれ球をボアテングが大きく蹴りだして試合終了。バイエルンはこれで公式戦5連勝、シュトゥットガルトはリーグ4連敗と、まさに明暗を分けるラストプレーとなった。