28日に行われたロシア・ワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表がタイ代表に4-0の勝利を収めた。通算成績を5勝1分け1敗とした日本は同勝ち点(16)のサウジアラビアを得失点差で上回り、グループBの首位に浮上。本大会にまた一歩近づいた。
スコアだけを見れば、ホームチームの完勝だ。しかし、タイのシュートが14本(日本は13本)、コーナーキックが日本の倍となる6本を数えたとおり、両雄が見せたパフォーマンスに点差ほどの隔たりはなかった。より高い舞台、ワールドカップ本大会での飛躍を期す日本からすれば、「課題が多い試合になった」(吉田麻也)のは間違いない。
日本が停滞したのは2点目を奪った19分以降だった。リードを広げたことによる油断からか、不用意なパスミスが相次ぐ。その“負の連鎖”を断ち切れず、タイに付け入る隙を与えてしまった。この時間帯について、香川真司は「気の緩みがチームとして出た」と認め、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「気を抜いてしまったのかな、ハードワークが少し低下したのかと思う。今日の相手がより高いレベルのチームだったら、全く違った展開になっていたかもしれない」と感想を述べている。
集中力の欠如が致命傷にならなかったのは、タイ攻撃陣の決定力不足と守護神・川島永嗣の好守があればこそ。フィールドプレーヤーたちが軽率なミスを犯す中で、最後尾に構える34歳は決して取り乱さずにチームを救い続けた。PKを阻止した86分をはじめ、要所で輝いた川島は3得点に絡んだ久保裕也と並ぶ最大の殊勲者と言えるかもしれない。
ハリルホジッチ監督としては笑いが止まらないだろう。なにしろ川島は所属先のメス(フランス)でほとんど出場機会を得られず、試合勘の欠如や調整不足を指摘されていたのだから。いわば“賭け”に勝った指揮官は、抜擢に応えたGKをこう絶賛する。
「エイジは素晴らしい功績を残してくれた。彼のことは本当に喜ばしい。彼を信頼しているが、それを裏付けてくれた。ブラボーと言いたい」
UAE戦での今野のインサイドハーフ起用、タイ戦での酒井高徳のボランチ起用などを含め、ここのところの采配が吉と出ているハリルホジッチ監督。これまで何度となく批判に晒されてきたからか、タイ戦後には「私の発言を批判のために活用していただいても結構」と冗談めかしていたが、ここにきて称賛されてしかるべき結果を残している。
タイ戦で悪い時間が長く続いたとおり、チームとしての修正点はまだまだ少なくない。それでも「これからさらに修正していく。発展すると思う」と饒舌な指揮官の下、日本代表は着実にワールドカップへの道を突き進んでいる。
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