2017-10-02-tatsuya-ito(C)Getty Images

先発デビューを飾った伊藤達哉は“HSVの未来”…独紙が20歳のウィングを特集記事で紹介

ハンブルガーSV(HSV)の2軍に所属するFW伊藤達哉は9月30日に行われたブンデスリーガ第7節ブレーメン戦で、キャリアで初めてトップチームの試合に先発出場を果たしている。このダービーはスコアレスドローに終わるも、突然にHSV下部組織から現れた20歳の若手は“勝者”としてピッチを退いたと言えるだろう。

第5節ボルシア・ドルトムント戦からトップチームでメンバーに加えられている伊藤は、前節レヴァークーゼン戦で終盤に途中出場して1部デビューを飾っている。そして、ブレーメンとの“ノルトダービー”(“北のダービー”)には主将を務める日本代表DF酒井高徳とともにスタメンとして臨むと、左サイドで堂々と仕掛けるプレーはすぐさま観客を魅了した。

この一戦で伊藤は52分までプレー。ふくらはぎが両方ともつったため、悔しがりながらもベンチに下がった。しかしその際、HSVの本拠地、フォルクスパーク・シュタディオンの観衆は立ち上がり、大きな拍手を送っている。試合後にはマルクス・ギスドル監督も「イトウは我々のプレーを信じられないほど活性化した。この試合でファンのお気に入りの選手にもなったようだね」と称賛の言葉を口にしている。

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またその上々のパフォーマンスを受けたドイツ紙『ビルト』は「HSVの未来となる3人」の一人として特に伊藤について紹介。HSVは2014年にドバイで開催された“アル・アイン・カップ”でMVPに選ばれた当時柏レイソルユース所属の伊藤に注目し、獲得に乗り出したと伝えている。同紙によると、マンチェスター・シティやインテルも同選手に目をつけていたという。「ヨーロッパに行くことが夢で、トライアルを2度ほど受けました」と話す伊藤だが、最終的には2015年HSVのU-19チームを新天地に選択したとのこと。

伊藤はまたドイツでの初シーズンはひざに重傷を負い、ドイツ語の習得に専念したことも明かしている。そして、ケガを乗り越えた伊藤は今シーズンドイツ4部に相当するレギオナルリーガを戦うHSVの2軍でPKを3度獲得するなどチームの得点の半数近くに絡む活躍を見せ、その才能が開花。下部リーグでは「伊藤を1対1で止めることはもはや不可能となっている」と報じる『ビルト』だが、ブレーメン戦でも両チーム最多のファウルを受けたことを指摘している。

なお同胞の酒井は、後輩のプレーについて「とても上手くやってくれましたね。勇気を持ってクオリティーを見せてくれました」とコメント。「彼のことをすごく誇りに思いますし、ブンデスリーガでやっていけるとも信じています」と初先発のパフォーマンスに“合格点”を与えている。このまま成長が続けば、『ビルト』が予想するとおり、伊藤は2020年の東京オリンピックに向けた五輪サッカー日本代表に選出される有力候補の1人となるかもしれない。

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