かつてアーセナルのゴールを守ったデビッド・シーマンは、恩師アーセン・ヴェンゲルに対して、チリ代表FWアレクシス・サンチェスを手放してはならないと進言している。
A・サンチェスはペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティのトップターゲットとなっている。すでに個人合意に至っているとの報道も出ており、新シーズンにはバルセロナ時代の恩師、グアルディオラとマンチェスターで再会する方向が既定路線になっているようだ。
しかしながら、アーセナルが同じプレミアリーグのライバルチームへエースを譲り渡すことを拒んでいることから、交渉はペースダウンしているようだ。
A・サンチェス、当の本人は7月末にリーグ・アンのパリ・サンジェルマンとパリ市内で会談をしたようだ。マンチェスター・Cは今なおA・サンチェスの獲得を目指しているが、パリSGはそれを超えるだけの金額を捻出する準備があると言われている。
■シーマンがサンチェス残留を望む理由
シーマンは、アーセナルが今シーズンのプレミアリーグ優勝を狙うのであれば、どんな状況であれヴェンゲルとアーセナル首脳陣はA・サンチェスを放出してはいけないと『Goal』のインタビューで断言している。
「ヴェンゲル監督にとって最も重要な問題はA・サンチェスを残留させることだ」
「もし私が監督なら、何としてでも彼を残留させるだろう。なぜなら彼は絶対に手放してはいけないほどのクオリティを持った選手であり、ましてやライバルチームへの放出などあってはならないことだ」
「A・サンチェスのようなタイプの選手こそ、アーセナルになくてはならない選手だ」
A・サンチェスは16-17シーズンのプレミアリーグで24ゴールを挙げ、カップ戦では6ゴールを記録している。複数のコンペティションで13アシストもマークした。
しかしながら、アーセナルがA・サンチェスと結んでいる契約は2018年6月までと残り1年を切り、またアーセナルは新シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を逃していることから、彼の移籍の可能性は高いと言わざるを得ないだろう。
アーセナルはリヨンからフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットを獲得し前線の強化を図ったが、シーマンはA・サンチェスがクラブを去った場合にはその代わりとなる選手を見つけるのはとても難しいと考えている。
「彼の穴埋めを探すのは非常に難しいだろう」
「彼なしで何をつかめるというのだろうか。A・サンチェスの契約はあと1年残っている状況で、彼の移籍金がおそらく5,000万~7,000万ポンド(約73~102億円)になるだろう。その同じ額を払ってもA・サンチェスと同じくらい素晴らしい選手を連れて来られる保証はない」
「彼はピッチのいたるところで輝くことのできる選手だ」
■司令塔エジルは残留が有力に
昨シーズン、トップ4入りを逃したことによって多くの選手の今夏の移籍が取り沙汰された。中でもドイツ代表MFメスト・エジルは放出の筆頭候補であった。
エジルもまたアーセナルと契約が2018年6月で切れるが、契約延長交渉は現在も続けられている。
そしてA・サンチェスと同様に、シーマンはエジルを失うこともアーセナルにとっては大打撃であると考えているが、幸いにもアーセナルはエジルと延長交渉の席を設ける可能性があると見られている。
「エジルに関しては落ち着いたと思っているよ。彼はアーセナルに残るだろう」
「彼もまたファンから批判の的になりがちな選手ではあるが、間違いなく素晴らしい選手だ。彼も手放してはならない。彼が好調の時には、本当に素晴らしい活躍をしてくれるのだから」
「時にエジルは気持ちが入っていないように見えることもあるかもしれないが、そんなことはない。彼はいつでも気持ちを込めてプレーしているんだ。A・サンチェスも同じことだ。クラブのスタンダードを高められるような選手にアーセナルを去って欲しくない」
「数年前も同じような状況だった。セスク・ファブレガス、サミル・ナスリ、そしてガエル・クリシが去った時だ。彼らはピークに達しようとしていた年頃だったが、アーセナルを離れてしまった。それはとても悲しいことだった」
「今回はその時のことを教訓にして、エジルとA・サンチェスという2人の選手に対して相応の条件提示をするべきであり、彼らに相応しい給与を支払うべきだ」
アーセナルはコミュニティシールド、プレミアリーグ開幕を前に、数々のプレシーズンマッチで実戦を積み重ねてきた。もう8月31日まで選手が動かない保証はないが、引き続きその動向を見守ることにしよう。
インタビュー・文=Patrick Gleeson/パトリック・グリーソン
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