❏期待度(A・B・Cの3段階評価)
■シーズンの期待度:A一昨季はクラブ史上最高の4位。昨季はクラブ初のルヴァン決勝進出。開幕前には予想もつかなかった出来事を起こしている指揮官だけに、就任3年目となる今季は理屈抜きで期待値を高めたいし、それを上回って欲しい。
■戦力の期待度:B
シーズンとしての期待度は高い一方で、昨季リーグ10位のチームとしては補強が薄いと考えるのが一般的ではないだろうか。ただし、後述もするがシーズン開幕が早まっていることを考えると、昨季からの継続性はアドバンテージとなり得る。
❏札幌・2020 IN/OUT 移籍一覧
❏札幌・2020 J1試合日程・放送予定一覧
【今季展望】消極補強で目指すは成熟。スタートダッシュが鍵
すでにJリーグでの実績が豊富で、過去2シーズンですでにその手腕を見事に発揮している“ミシャ”ことペトロヴィッチ監督が率いての3年目ということで、どうやっても期待値は高まっていく。そして指揮官本人も「私は自分に重圧をかけるタイプ」としたうえで「(リーグ戦)トップ3。タイトル獲得」と今季の目標として明言している。トップ3入りは同時にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場をも意味する。そのためのアプローチとしてチームは継続性を重視し、「昨季までのチームを成熟させることで強化したい」と竹林京介強化部長。2月に入ってFWドウグラス・オリベイラ(ルヴェルデンセ/ブラジル)、タイ代表GKカウィン・タンマサッチャーナン(OHルーヴェン/ベルギー)を獲得したものの、それ以外に他クラブからの獲得はせず。昨季すでに特別指定選手としてプレーした大卒3選手を「ルーキーではなく、補強だと考えている」と竹林部長。2シーズンかけてミシャが鍛え上げたチームをさらに磨くことでさらなる高みを目指していく構えだ。開幕時点での登録選手数28名はリーグ最少だが、少数精鋭での効率的なトレーニングを行うことでレベルアップの加速が期待される。
プレースタイルは、ミシャ監督が志向するというよりも、いまやそれが当たり前になりつつある、後方からしっかりとボール保持をするやり方が絶対的なベース。そこにハードワークと高速カウンターを織り交ぜているのが、札幌でのミシャスタイルである。位置的優位を作り出して相手守備を揺さぶりながら、そこを個の力でこじ開ける柔と剛とがバランスよく取り入れられた戦術に感じる。
それに加えて今季は「個人でボールを奪い取る対人守備力身に着ける」(ミシャ)とし、個でボールを奪うことで守備強度と効率性を高め、そうなることで攻撃へも人数を割けるため、守備にアプローチすることで攻撃的なスタイルをより色濃くしていくようだ。
上位チームが積極補強を行っているなかで、他Jクラブからの補強ゼロというオリジナル路線を突き進む今季。だが、JリーグYBCルヴァンカップの開幕が2月16日ということを考えれば、昨季からの継続性を重視することは確かなアドバンテージとなる。ライバルたちがトライ&エラーを積み上げるのを横目に、すでに連係が熟しているチームで挑めるからだ。
そして、そのアドバンテージを生かせるのはやはりシーズン序盤。スタートダッシュでリーグを引っ張り、3年目のミシャサッカーを完熟させる。
【ポジション別スタメン展望】
■GK:豪華な二枚を揃える
韓国代表のク・ソンユンと実績豊富な菅野孝憲を二枚揃える陣容はリーグトップレベルと評していいだろう。基本的にはクがファーストチョイスとなるが、どんなシチュエーションになったとしても菅野が控えているのはあまりにも心強い。フィールドプレーヤーに安心感を与えるGKメンバーが揃っているといえる。■DF:田中駿汰は厚みをもたらせるか
3バックの中央に宮澤裕樹が配置されるのか、キム・ミンテが配置されるのかによって戦い方のテイストは違ってくる。宮澤ならば後方からのパス配給で攻撃に厚みを作ることができるし、キムならば相手の手厚い攻撃にもパワーで対抗できる。相手によって人選がなされるかもしれないが、昨季はメンバーが固定されている印象が強く、過密日程になると疲労の色が見えた。すでにAマッチ経験のある大卒ルーキーの田中駿汰が加わったため、今季は最終ラインに厚みをつけたい。■MF:注目の定位置争い
基本的には昨季と変わらないメンバー構成となっている。DFのところともリンクするが、宮澤がボランチで起用されるようであればここの競争は極めて激しくなる。高嶺朋樹、金子拓郎という大卒ルーキーも即戦力と目されていることに加え、若い選手を積極的に起用する指揮官であることを踏まえても定位置争いは注目に値する。また、右サイドも激戦区。ルーカス・フェルナンデス、白井康介は昨季同様にタフな競争を続けるはず。左サイドは菅大輝、中野嘉大というタイプの異なる2選手がアクセントを担う。他クラブからの補強はないものの、競争原理で戦力アップが見込めそうだ。■FW:長身FWの加入でより激戦区に
ここも基本的には昨年と同じメンバーがしのぎを削ることになる。昨季リーグ戦9得点のアンデルソン・ロペスでさえ定位置確保が容易ではない状況からも、このエリアのポジション争いの激しさがわかる。さらに駒井善成、金子、荒野拓馬といった選手たちもシャドーのポジションをこなせるため、安定したパフォーマンスを発揮できなければ、スタートリストに名を連ねることができない激戦区だ。2月に入り、身長188cmのサイズとパワーがあるドウグラス・オリベイラが加入しており、その争いがよりいっそう面白みを増している。【開幕戦の見どころ】vs 柏レイソル、戦術&連係に長所の両チーム
■2月22日(土)15:00~ 柏レイソル vs 札幌(三協フロンテア柏スタジアム)
ミシャが就任して3年目を迎え、さらなる高みを目指す札幌と、過去にはJ1昇格1年目で優勝を果たしたことのある柏との激突は開幕戦の注目カードのひとつと言えるだろう。
そしてその戦いの焦点は「継続性」となる。前述したように札幌はリーグで唯一、他Jクラブからの移籍補強がないチーム。一方で柏は10名以上の新加入選手がいるものの、各セクションの層に厚みをつけることに主眼が置かれた補強といえる。
基本的には札幌同様に昨季のメンバーをベースとしてそれをブラッシュアップ、さらには競争を加えることでレベルアップを目指している印象。どちらも昨季からの継続性を重視してこの2020年での躍進を果たそうとしており、戦術や連係面がもっとも成熟しているチーム同士が開幕でいきなり激突する形となる。
文=斉藤宏則
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