人種差別的なチャントへ抗議し、自らの意思でピッチを去ったペスカーラに所属する元ガーナ代表のMFサリー・ムンタリが2枚目の警告で退場処分となっていたと1日、イタリアメディア『スカイスポーツ』が報じている。
30日に行われたセリエA第34節カリアリ戦（1-0でカリアリが勝利）に先発出場していたムンタリに対し、カリアリのサポーターから人種差別的なチャントが浴びせられた。試合終盤、ムンタリはダニエレ・ミネッリ主審に対して試合を中断するように抗議したものの受け入れられず、結局自身が警告を与えられた。するとムンタリは抗議の意味を含め、ピッチを去ることを決断している。
ところが主審は、ムンタリが自主的に退場した行為に対してもイエローカードを提示しており、主審への抗議で提示された1枚目と合わせて退場処分となっていたことが明らかになった。2枚目のイエローカードの提示が通知されなかったのは、このような場合、主審はチーム（ペスカーラ）の主将に対して裁定を伝えるように規定で定められているからだ。
なお、ムンタリへの差別的なチャントについては、ミランで元同僚であり、現在はラス・パルマスでプレーしているMFケヴィン＝プリンス・ボアテングが怒りの声を上げている。ボアテングもムンタリの意見に同調した。
「本当に悲しい状況だ。悲しいし、サリーの気持ちが理解できる。彼は素晴らしい人物だし、いつでも勝利を望んでいる。その彼がピッチを去ったということは異変が起きたということだと皆は知るべきだ。僕も少しショックを受けている」
「侮辱に対してではなく、周りの人間が目をつむってしまうことに悲しみと怒りを感じる。自分にも同じことが起きて、主審と話をしたことがある。主審の仕事は笛を吹くだけではない」