イングランド人指導者、人気解説者のガリー・ネヴィル氏は、バレンシアで指揮を執った日々が自身にとって汚点であると語った。
2015年12月、友人もあるバレンシアのオーナー、ピーター・リム氏から依頼され、同クラブの監督となったG・ネヴィル氏だが、スペインでの冒険は失敗に終わった。28試合で指揮を執り、その成績は10勝7分け11敗。メディア、サポーターから大きな批判を受けながら、2016年3月30日に途中解任の憂き目に遭っている。
それまでイングランド代表のアシスタントコーチを務めた経験しかなかったにもかかわらず、いきなりスペインの名門チームを率いるという決断は、G・ネヴィル氏本人も早計なことであったと認める。自身のポッドキャストの番組で、次のように語った。
「(バレンシア監督就任の)決断は、2日間で下した。少しの傲慢さとエゴに後押しされてね。私は20年の間、世界で最も成功を収めたクラブ(マンチェスター・ユナイテッド)に在籍したわけだが、準備ができていなかったら平手打ちを食らうのだと、すぐさま理解することになったよ」
「もっと早く、自分が危機に直面していると気づくべきだった。私は異なる国のリーグに挑戦することを軽視していたんだ。自分の根幹となる仕事、フットボールの試合に勝利するということには、尽力できていなかった。チーム内には満足していない選手たちがいたが、クラブに忠誠を誓えない彼らに対しては重大な決断を下す必要があったんだ」
G・ネヴィル氏は、自身がスペイン代表する一クラブで監督を務めるには、明らかに実力と経験が不足していたことを実感したという。
「選手たちには一貫したメッセージ、プロセスを信じることが必要となる。しかし、私はそれを与えられなかった。私がリーダーを見つめるとき、求めるのは明確性、一貫性、決定的なアクションとなるが、バレンシアにいた自分はそのどれも持ち合わせていなかった。私は、指導者として弱かったんだ」
「私はチームを指導しに練習場に行くことすら望まなくなっていた。なおかつ、通訳者を介することも恥と感じていた。自分が素晴らしい意思の伝達者だと考えていたからね」
G・ネヴィル氏はまた、当時アスレティック・ビルバオを率いていたエルネスト・バルベルデ監督ととの対戦で、指揮官としての力量差を感じたことも明らかにしている。
「彼は3回にわたってシステムを変更し、いつも私に先んじていた。まるで私と、私を操り人形として遊んでいたようだった。窒息させられているような感覚で、90分間が拷問のようだった」
「試合後、私は彼に手を差し出したが、彼は私を通り過ぎていった。それは好ましくなかった。何があっても対戦相手に手を差し出す。それこそがリスペクトじゃないかな」
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