■個人の出来を純粋に評価するなら…
Getty/Goalみなさん、こんにちは。中村憲剛です。僕なりの視点でヨーロッパの新シーズンを切り取るシリーズ連載。前回はクラブ所見をお届けしましたが、今回は選手にフォーカスしてみたいと思います。テーマはズバリ、今シーズンの主役は誰か。この10年、この手の答えはリオネル・メッシ(バルセロナ)とクリスティアーノ・ロナウド(ユヴェントス)のほぼ二択でした。2人の時代はまだまだ続くのか、それとも……。
現在、選手にとって最高の栄誉とされる個人賞は、UEFA年間最優秀選手賞、FIFA最優秀選手賞、ヨーロッパの有力誌『フランス・フットボール』選定のバロンドールの3つ。すでにUEFA年間最優秀選手賞にはヴィルヒル・ファン・ダイク(リヴァプール)が、FIFA最優秀選手賞にはメッシがそれぞれ選ばれています。残るはバロンドールですね。前記2つの賞とは違い、各国メディアの記者による投票で決まりますから、監督や選手とはまた見方(評価)が違うでしょう。
評価の対象もシーズンではなく年度ですからね。今シーズン(前半戦)の働きも含まれるわけですから現時点で予想するのは難しい。個人的に推す選手を挙げろと言われれば、メッシです。いや昨シーズンはホントに凄かった。もう形容する言葉が見つからないとはこのことかと。確かにCLもコパ・アメリカも優勝していませんし、今シーズンもケガ明けで万全ではないですから印象は薄いかもしれません。それでも昨シーズンのインパクトがあまりにも強烈で……。別の惑星から来た人でしたよ。とんでもないプレーの連続でしたから。
現時点での雰囲気に引っ張られるならファン・ダイクが選ばれるでしょうね。もちろん、彼が受賞したとしても文句はないですよ。素晴らしい働きを見せたのは間違いないですから。ただ、いち個人のパフォーマンスを純粋に評価するならばメッシが頭ひとつ抜けていたなと。それくらいセンセーショナルだったと思います。彼自身のここ数年を振り返っても一番の出来じゃないかと。いやファン・ダイクも凄かったですけどね……。いずれにしても、2人のうちのどちらかが選ばれるでしょうね。
さすがにC・ロナウドは厳しいかと。ユーヴェに移籍したばかりで、きめ細かい守備戦術が行き届いたカルチャーの違いなど、すぐに適応するには難しい面があったと思います。それでもその点を考慮すれば、見事な働きでしたけどね。2年目の今シーズンはどうなるか。選手寿命が延びているのは間違いないですが、来年2月には35歳。まだまだ活躍できるとは思うのですが、シーズンの主役になるだけのハイパフォーマンスを見せられるかどうかはわからない。メッシがケガで出遅れたあたりも気になるところですね。果たして、これまでのような働きができるのかどうか見てみたいと思います。
■新時代の主役はデ・ブライネか
(C)Getty Imagesひょっとすると、今シーズンか来シーズンあたりに時代の転換期がやって来るかもしれない。ここ数年ずっと言っているような気もしますが(苦笑)。そこで新たな主役へ躍り出るのは誰なのか。メッシとC・ロナウドに取って代わる次世代の旗頭がケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)なんじゃないかと。個人的にはそう思いますね。
本来ならネイマールやキリアン・ムバッペ(ともにパリ・サンジェルマン)の名前を挙げるべきところなのかもしれませんが、今シーズンに限ればデ・ブライネが最もメインキャストに近いような気がします。ネイマールは例の移籍騒動をはじめ、ゴタゴタが多く、ケガで戦列を離れるケースも目につくようになりました。ムバッペは昨シーズンのリーグ・アンでMVPと得点王の二冠を手にしましたけど、肝心のCLでのインパクトはもう一つ。やっぱりリーガやプレミアといった競争力の高いリーグでそれ相応の結果(数字)を残していかないと、周囲の評価も含めて本格的なブレークにはなかなかつながらないのかなと。
昨シーズンのデ・ブライネはケガに泣かされましたけど、今シーズンは開幕から絶好調ですからね。チーム内における存在感も別格かなと。マン・Cが昨シーズンのCLでベスト8止まりだったのも、この人が万全の状態でプレーできなかったことが響いていたんじゃないかと思います。そのぶん、期待は大きいでしょう。実際、プレミア3連覇のみならず、CLでも初優勝に導くだけの実力は十分にありますから。
彼の一番の良さは常にゴールへの最短距離を意識しているところですね。パスにしても、クロスにしても、ドリブルにしても、必ずそこにつながっているんですよ。横パスやバックパスも前に進むための選択ですから。自分と味方、相手の兼ね合いを計算しながら最も速くゴールに迫る道筋を探っている。もちろん、前に進めるときは迷わず進む。だから見ていてストレスを感じる人は少ないでしょう。
しかも、自分で決め切る力も凄い。まるで矢のようなシュートがすごいコースに飛んでいきますから、ゴールキーパーも簡単には止められない。あの高速クロスも圧巻の一語でしょう。すべてが豪快に見えてポジショニングやタイミングの取り方は実に繊細。守備者はとらえどころがなくて大変だと思いますよ。とにかく、いろいろな武器を持っている。年齢も28歳ですから、まさに最盛期。いよいよ、この人の時代がやって来るような予感がします。当然、ケガがなければ――ですが。果たして、どうなるか。乞うご期待。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です





