Sadio Mane Mohamed Salah Liverpool 2019-20Getty Images

世界最高のウイング・デュオ――。サラー&マネ、フットボール史に残る至高のコンビ

「5位? やったね!」

記念品を受け取ったサディオ・マネは、そう言って微笑んだ。

フットボーラーは普段、個人賞についてはあまり気にしていないと語ることが多い。だが、それは必ずしも本心ではない。心の底では認められたいと思っているものなのだ。

以下に続く

「来年は1位かな?」。意味ありげな笑みを浮かべたマネは、2019年の『Goal50』トップ5に入った記念品とともに写真に納まった。

この日、リヴァプールのチームメイトであるモハメド・サラーはその場にいなかった。足首のケガのため、別メニューでトレーニングしているという。サラーは2年連続『Goal50』入りを果たし、今年は3位だった。彼より上にはリオネル・メッシと、もちろん同じくリヴァプールのフィルジル・ファン・ダイクしかいない。

当然のことながら、リヴァプールの選手たちは『Goal50』のリスト全体に名前が挙がっている。1位のファン・ダイクをはじめ、男子のトップ25には他に6人の“レッズ”の選手がいるのだ。『Goal』がメルウッドで表彰した選手はマネ、ファン・ダイクの他に、アンドリュー・ロバートソン、トレント・アレクサンダー=アーノルド、アリソン・ベッカー、ロベルト・フィルミーノもいる。

事実、ヨーロッパ・チャンピオンとなったリヴァプールは、過去12カ月にわたって己の存在を誇示してきた。地球で最高のクラブチームと言っても過言ではなく、来月カタールで行われるFIFAクラブ・ワールドカップでも優勝大本命だ。

個々の選手をみても、称賛は止まらない。ファン・ダイクは文句なしで世界最高のディフェンダーであるし、アリソンは世界最高のゴールキーパーである。現在、ロバートソンとアレクサンダー=アーノルドはフルバックとして並ぶもののないコンビであり、フィルミーノほどチームに貢献しているセンターフォワードはそう多くない。

そして、フィルミーノと同じような貢献を見せられるとしたら、マネとサラーなのである。

Sadio Mane Goal 50 PS

近年のリヴァプールの成功に、この2人はどれほど貢献しているのだろう。ウイングでありながらミッドフィルダーのような働きもするし、ストライカーとして得点もする。得点力とスピードのあるサイドアタッカーとして、チームに何度もチャンスをもたらしているのだ。

この2人が、リヴァプールが契約してきた選手の中で最も“コスパ”の良い2人であることは確かだ。2人合わせてもハリー・マグワイアより安く、フィリペ・コウチーニョの3分の2以下、ニコラ・ペペとほぼ同額(※8000万ユーロ)だったのである。現在の市場価値はどれほどだろうか。地球上のどのクラブも、2人あわせて買うことはできないに違いない。

2人が成し遂げてきた記録も素晴らしい。サラーがマネを追ってマージーサイドのチームに加入したのは2017年の夏。それ以来2人あわせて137得点を挙げている。137得点だ。なんという数字だろう。どちらも、それまでは純然たる天才ストライカーだとは思われていなかった。プレミアリーグ公式ゲームである『ファンタジーフットボール』では、2人はミッドフィルダーとして登録されている。

昨シーズン、2人はリーグ戦でそれぞれ22得点をあげ、アーセナルのピエール=エメリク・オーバメヤンと並んで、プレミアリーグの得点王に輝いた。今シーズンもすでにゴールを量産している。11月の段階で、全公式戦で20得点をあげているのだ。違うのは、今年の場合マネがサラーを上回っていることだけだ。

2人の間にライバル心はあるが、健全なものである。有名ないさかいといえば9月のバーンリーのものがあるが、あれは自分にパスをくれなかったマネにサラーが激怒しただけであり、それが原因で2人の間に亀裂ができたなどというのはお笑い草である。今でも親しい関係は続いている。

2人はともに得点し、互いにアシストしあい、運動量も多く、サイドの選手としての役割を再定義している。現代フットボール界に、この2人より優れたウイング・コンビは存在するだろうか。少なくとも、この2人より得点をあげているコンビはない。

Mohamed Salah Sadio Mane Liverpool PS

公平を期すために、プレミアリーグ史上における最高のコンビを見ていこう。

1990年代から2000年代初頭にかけてマンチェスター・ユナイテッドで活躍したライアン・ギグスとデイヴィッド・ベッカムは特別で、この間絶えず活躍を見せたコンビである。ダミアン・ダフとアリエン・ロッベンは、ジョゼ・モウリーニョが数年間チェルシーを掌握していたとき、主要な選手であった。ロベール・ピレスとフレドリック・ユングベリは、アーセン・ヴェンゲル率いる黄金期のアーセナルで得点を量産し、多彩な攻撃を見せつけた。

世界に目をやれば、過去10年間でロッベンとフランク・リベリがバイエルン・ミュンヘンで堂々たる“ロッベリー”を謳歌しているし、ペップ・グアルディオラが率いたバルセロナが成功したのは、ペドロとダビド・ビジャが大いに輝いて成果をあげたからであった。レアル・マドリーでは、全世代においてクリスティアーノ・ロナウドとギャレス・ベイル以上にスリリングな光景を見せてくれたコンビはない。

サラーとマネは、このレベルに匹敵する。過去2年にわたって、2人がどれほどリヴァプールを助けてきたことか。ユルゲン・クロップのチームにとって、どれほど重要な選手であることか。2人のうちどちらかが止められたとしても、もう1人が突破する。2人がいなければ、“レッズ”の力は半減するだろう。

アンフィールドでのサラーの変化を見るのは魅惑的だ。ローマで印象的なプレーをしていたサラーは、リヴァプールで天才的なワールドクラスのスターに変貌を遂げた。移籍市場で注目され、息の長い、謙虚で、いつも同じように活躍できる選手だ。121試合で80得点。アンフィールドでは60試合で51得点している。まったくもって驚異的だ。

「我々にはみな夢があるが、モー(サラーの愛称)の夢はビッグになることだ」と、最近クロップが語っている。「彼は多くのことを成し遂げたいと思っている。それは我々にとっても良いことだ」

マネがいれば、そのチャレンジもすこし違ったものになる。

「最初にきた頃の彼には自信が足りなかった」と、クロップは語っている。「自分でも驚いていたんだろうと思う。自分がワールドクラスの選手であるという事実に慣れる必要があった」

クロップの言うように、今の彼はその事実に慣れたようだ。マージーサイドでの最初のシーズン、マネはリヴァプールの年間最優秀選手に選ばれたが、スターダムにのし上がったのはここ最近の2シーズンである。今シーズン、チームは46得点をあげているが、彼はすでに11得点している。

「もう実力を証明してみせる必要がない」と、クロップは言う。「我々はみな、彼がワールドクラスの選手であることを知っている。彼自身もそれを実感しはじめている」

サラーとマネにとって、今のチャレンジは優勝争いをし続けることだ。偉大な選手がさらに偉大な選手になるには、成功と栄誉が必要である。サラーとマネは、昨シーズン栄光を味わったが、2人はさらなる高みを目指している。リヴァプールにいる誰もがそうだ。

12月、世界にその名を轟かせる機会が待っているし、プレミアリーグのタイトルは手の届くところに見えはじめた。リヴァプールがヨーロッパで恐れるものは何もない。この2人が好調で、ゴールを量産すれば間違いない。

「来年は1位かな?」

そうならないこともない。唯一の問題は、それはどちらになるのか、ということだけだ――。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

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