2022年カタール・ワールドカップは、アルゼンチン代表の36年ぶり3回目の優勝で幕を閉じた。この大会は、様々な背景を持つすべてのファンを魅了する、まさにファンが中心となった包括的な大会であった。
スタジアムは素晴らしく、ファンに優しい。過去の大会では考えられないことだが、同じ日に複数試合を観戦できる。すべてのスタジアムがドーハ・メトロの無料交通機関を利用可能で、ファンにとってアクセスは簡単であった。
そしてカタールは世界各地からのアクセスがしやすく、様々なバックグラウンドを持つサッカーファンの受け入れが可能であった。
特に日本やサウジアラビア、韓国などアジアのファンが多く、W杯の雰囲気を味わうことができた。そしてインドやUAEといった伝統的なサッカー市場でもない国のファンも、カタールで大会の雰囲気を楽しむことができた。またアフリカ諸国も、カタールをより身近な開催地として感じることができた。セネガル、カメルーン、ガーナ、モロッコといった国のファンもドーハの雰囲気に華を添えている。特にモロッコは、スタジアム内外で多くの人の声援を集め、まるでホームゲームのような戦いだった。それがアフリカ勢初の4強という偉業につながっている。
Getty Images決勝戦前、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「『Hayya(カタールW杯で使用するアプリ)』は230万人の申請があり、190万人が承認された。上位はサウジ、インド、アメリカであった」と明かしている。
「最初の62試合の観客数は327万人だ。平均観客数は52760人で、ファンフェスタには170万人、平均8万人が参加している。2018年大会は、観客数の総計が303万人だった」
もちろん伝統的なサッカー強豪国がこの大会を楽しめていないわけではない。アルゼンチンのファンは大挙して訪れていた。さらに興味深いことに、バングラデシュやインドなどW杯に出場できない国の人々も、ブラジルやアルゼンチン、イングランド、フランス、ポルトガルなどお気に入りのチームの応援をすることができた。
真の意味で、出身地や出生に関係なく、すべてのサッカーファンのためのW杯となったのだ。
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