J2東京ヴェルディからオファーを受けているローマのフランチェスコ・トッティについて、イタリアメディア『ユーロスポーツ』が10日、見解を示している。
トッティは5月28日、ローマでの最終戦となったジェノア戦に途中出場し、チームメートやサポーター、そしてオリンピコのピッチに最後の別れを告げた。今後はローマの幹部として6年間の契約を全うすることになるが、トッティ本人は現役を退くことに迷いを感じており、契約通りフロントの一員となるのか、他クラブへ移籍し現役を続行するのか、その去就に注目が集まっている。
2016年冬からローマの指揮を執ったルチアーノ・スパレッティ前監督との間で確執が生まれ、トッティはフロント入りすることに不安を感じていた。しかし2016-17シーズン終了後、ローマはトッティの元同僚であり、現在も親交を温めているエウゼビオ・ディ・フランチェスコを指揮官に据え、受け入れ態勢を整えた。
■環境の異なる日本でのプレーに懐疑的
それでもローマのレジェンド、トッティの現役続行を希望する声は高く、元イタリア代表のアレッサンドロ・ネスタ氏が率いるNASLのマイアミや、東京Vが獲得に名乗りを上げていた。羽生英之社長は「今、代理人の方から聞いてるのは、最後2択になりましたと。ローマに残るのか、ヴェルディで現役を続けるのかの2択になって、アメリカの線は消えたというのは聞いてます」と語り、トッティが現在、東京V入りを検討していることを明らかにした。だがトッティの東京V入りについて、イタリアメディアは懐疑的な姿勢を見せている。
「5月28日のジェノア戦終了後、ローマファンを対象に感動的なセレモニーを行ってから、トッティは自身の考えを明かしていない。もう1年現役を続けるのか幹部としての新たなキャリアをスタートさせるのか? 環境や習慣が全く違う場所へ行くことを考えることは難しいだろう。キャプテン(トッティ)がモンチSD(スポーツディレクター)のオファーを受け入れ、そばで仕事をしていく方がシンプルであり、現実的だ」
なお、モンチ氏はトッティについて、「人生における重要な岐路にあり、考える時間が必要なはずだ。我々はずっと彼を待ち続けても良いし、彼をいつでも歓迎する。これからも彼はこのクラブにとって重要な一員であり、いつ戻ってくるかは彼が決めることだ」と述べ、去就について寛容な姿勢を見せている。今後の動向は注目されるところだ。


