ワールドカップまで1ヵ月をきり、各国の指揮官たちがメンバー選考を始めている。これからの数週間で選手たちの健康状態には注視しなければならない。多くの試合が短期間に行われるワールドカップでは、ケガも想定され、それがプランを台無しにして混乱を招くことがあるからだ。
ケガを全くしない完璧なフットボーラーはいない。運命はときに残酷で、この舞台にいるべきタレントを容赦なく引きずり降ろす。さらにそれだけではない。怪我によって様々な問題が選手生命を終わらせることすらある。32チームが6月のキックオフを迎えるにあたり、『Goal』ではこのワールドカップに出場できないことが決まっているスターをピックアップした。
■欠場が決定した選手
すでに開幕も迫っているため、2018年のワールドカップに間違いなく出場できない選手を挙げることはそう難しくない。一般的に監督は選手の選考をする上で最後までチャンスを与えるが、公式にコンタクトがない場合、出場できない選手はすでに決まっているということになる。
フランスはロシア・ワールドカップの夏で2回目のタイトルを取りにいく。しかし、この旅に間違いなく参加できない選手がいる。カリム・ベンゼマだ。今回もメンバーには含まれず、ディディエ・デシャンが監督を続ける限り選ばれないだろう、というのが彼の見方だ。
ローラン・コシールニーはアトレティコ・マドリーとのヨーロッパリーグ準決勝で耐え難い激痛に襲われた。アキレス腱断裂とクラブは発表。不幸なことにコシールニーはフランス代表として、夏のロシアに姿を現すことはなく、数カ月間リカバリーに集中することになる。
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ディミトリ・パイェは思い出深い2016年のユーロを戦った。しかし、ヨーロッパリーグ決勝のアトレティコ戦でハムストリングを負傷したため、ワールドカップはテレビで観戦することとなる。今季はマルセイユのために素晴らしいパフォーマンスを見せたが、涙とともにメンバーからは漏れてしまった。
イングランドはアレックス・オックスレイド=チェンバレンを欠く。チャンピオンズリーグで膝の靭帯を損傷し、ガレス・サウスゲート監督と自身に大きなダメージを与えることになってしまった。彼はチームメイトであるジョー・ゴメスとともにサイドラインで参加することになる。ジョー・ゴメスはブラジルのネイマールに仕事をさせなかった試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたものの、無理をしてしまったために足首の手術をすることになった。
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ジャック・ウィルシャーとジョー・ハートはパフォーマンス面から選考から外れてしまった。サウスゲートはハートの代わりにニック・ホープを選んでいる。
ブラジルは優勝候補の一つであるが、攻撃的なディフェンダーであるダニエウ・アウベスを欠くことになる。クープ・ドゥ・フランスのファイナルで膝を負傷し、夏はパリ・サンジェルマンでの2018-19シーズンに向けて時間を使う事になる。
タレント豊富なドイツ代表を率いるヨアヒム・レーブには非常に多くの選択肢が与えられているが、その中で2つのオプションがこのワールドカップで使うことができない。一つはそけい部のケガでプレーできていないセルジュ・ニャブリ。そして、もう一人は昨年のコンフィデレーションズカップで優勝した際に、重要な役割を担ったラース・シュティンドルである。彼は終盤深刻な足首のケガを負ってしまった。一方で、バイエルン・ミュンヘンのサンドロ・ヴァーグナーはニルス・ペーターゼンに取って代わられ、またワールドカップ優勝メンバーであるマリオ・ゲッツェも構想外となっている。
アルゼンチン代表として前回ワールドカップで準優勝したときのメンバーであるフェルナンド・ガゴもホルヘ・サンパオリ監督の23人には選ばれることはなかった。現在はボカ・ジュニアーズでプレーし、31歳になった。ベテランMFは2017年の終わり頃から深刻な膝のケガに苦しんでおり、それによってチームから外されていた。他にも何人かの選手がワールドカップを自宅で見ることとなる。セリエAのトップスコアラーであるマウロ・イカルディが外れ、正守護神と目されていたセルヒオ・ロメロも膝のケガのために除外されている。
ズラタン・イブラヒモビッチはワールドカップにスウェーデン代表として復帰をする可能性を示唆したが、結局メンバーに含まれることはなかった。
■万全ではない選手
Gettyモハメド・サラーはリヴァプールの選手として出場したチャンピオンズリーグ決勝で肩を負傷し、エジプト代表としてプレーできるか微妙だ。セルヒオ・ラモスによって引きずり倒され、前半で涙と共にこのキエフの地を去ることとなっている。
ネイマールはパリ・サンジェルマンでの試合中のアクシデントによって、3月に中指骨折と足首の捻挫から手術を行った。しかし、現在は6月3日に行われるコスタリカとの親善試合までに完治していると見込まれている。
ドイツ代表DFジェローム・ボアテングは腿のケガによって、ディフェンスラインの構成を考え直すことを強いられる可能性があった。一足早くシーズン終了を迎えることになったこのセンターバックは4~6週間の離脱と予想されていたが、暫定メンバーに選ばれ、ロシアには間に合うと見込まれている。
Getty足首のケガによってシーズンを終えたベルギー代表FWミヒー・バチュアイだが、ワールドカップのベルギー代表メンバーの座をつかんだことがアナウンスされた。
アイスランドは史上初めてワールドカップへ出場するが、主軸のMFギルフィ・シグルズソンはどうだろうか。3月に膝の靭帯を負傷し、6月の大会に間に合わないと思われていたが、なんとかメンバーに滑り込み、ロシアでプレーする準備ができている。
