レスター岡崎慎司が秘める“逆襲思考”…控え行きは「人生で何回も経験してきた」

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ピュエル監督の就任で、逆風にさらされる岡崎慎司。しかし、岡崎はいつもどおり前を向く。

レスターの岡崎慎司が、24日のウェスト・ハム戦で2試合連続となるベンチスタートを命じられた。

クロード・ピュエル監督就任後の4試合で、岡崎が先発したのは1試合のみ。しかも、ウエスト・ハム戦では最後まで出番がなかった。監督交代前はレギュラー扱いだっただけに、ピュエル監督の就任で風向きが大きく変わったのは間違いない。

しかも皮肉なことに、レスターのパフォーマンスが著しく好転したわけでもない。結果は1−1のドロー。試合内容は凡庸で、むしろ以前よりも悪化しているに見えた。おそらく、ベンチで見守っていた岡崎も歯がゆい思いをしていたことだろう。

ピュエル監督が採用したのは、ジェイミー・バーディーを1トップに置き、リヤド・マフレズをトップ下に据えた4−4−1−1。自陣深い位置に4DFと4MFで守備ブロックを敷き、攻撃をロングカウンターで仕掛けようとした。

だが、陣形全体が深い位置にあるため、ボールを奪ってもゴールまでの距離が遠く、なかなか効率的に攻められない。最前線のバーディーは孤立し、選手の距離感が悪いため思うようにパスもつながらない。そのため、行き当たりばったりの単発的なアタックが続いた。敵と敵の間(あいだ)にうまく入り込んで味方のパスを引き出す岡崎がいれば、状況は好転するように思ったが、指揮官は最後まで起用しなかった。

また、レスターのストロングポイントであるプレッシングも重視されなくなった。中盤の選手は激しく寄せに行かず、自陣深くで守備ブロックを崩さないことに専念しているようだった。おそらく、デュエルの場面で敵に抜かれ、スペースを空けることのリスクを回避しているのだろう。こうした慎重策は、プレッシングサッカーで中心的役割を果たした岡崎を起用しない理由にもつながってくる。

■岡崎が語るチームの現状は?

試合後、岡崎は現在のレスターについて次のように分析した。

「多分、監督はもうちょっとボールを回したり、今までにない形からチャンスを作りたいと思っている。だから、自分ではなく、リヤド(マフレズ)をトップ下に置いているのかと。ドリブルで持っていけるような、チャンスを作れる選手を前線に多く入れて、『前は自由にやってくれ』という感じだと思います。攻撃にはそういう(個の力で打開できる)選手たちがいるので、彼らの調子次第でチームが良くなる可能性はある。だけど、調子が良くない時間帯になると、難しくなるかなと。前線にバーディー、マフレズ、(デマライ)グレイを並べると、攻撃は彼らの出来次第になってしまうので。

だから、良い時は良いサッカーができるけど、チームが迷った時に、(スタイルとして)どこにも戻るところがないというか…。(従来のプレッシングスタイルに戻せるような)選手たちも置いていない。 だから、本来のレスターの強みがちょっと消えつつあるかなと。プレミアリーグによくあるチームになったなと思いました」

ピュエル監督が新しい方針を打ち出したことで、レスターの長所であるプレッシングサッカーの特性やダイナミズムは消えた。「本来のレスターの強みが消えつつある」「プレミアリーグによくあるチームになった」という岡崎の指摘は、確かに正しい。そして、プレスの要(かなめ)だった岡崎による、「自分が出ている時の方が、もっとコンパクトにやれる」という言葉も的を射ている。内心では、もどかしさを強く感じているだろう。

■逆境をプラスに捉え

しかし、彼らしく現状を前向きに捉え、この壁を乗り越えようという気概に満ちていた。出番を著しく減らしたクラウディオ・ラニエリ監督の在任2季目がそうだったように、チーム内に何かしらの変化が起きると、岡崎は真っ先に構想から外されていた。そのため、今回も似たような経緯を辿っていることを「課題」として捉え、自身の成長につなげたいと意気込んでいるのだ。

「(先発から再び外れたのは)自分の課題を突きつけられている感じがします。元の(プレッシング)サッカーに戻すのを待つより、新しいやり方の中で自分が何かできれば、課題と向き合えるんじゃないかなと。そういう意味では、『チームが前みたいにやってくれたら……』と思う反面、『この状況で何ができるか』、『自分の成長があるかもしれない』とポジティブに考えられる面もある。

試合に出られない状況になっていますが、長い人生の中で、このようなことは何回も経験しているんで。同じことを何回も繰り返すということは、やっぱり自分の課題だと思うんです。ここが正念場。(個の力を重視する)プレミアのサッカーの中で戦っていかなければ。こんな状況でも、自分の強みをもっと出せるようにしたい」

ピュエル監督は今後ローテーション制を採用すると話しているが、FW登録の選手が6名もいる現状を踏まえると、岡崎はしばらくベンチ生活を強いられるかもしれない。

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しかし、変革するチームの状況を嘆くのではなく、ここで何ができるのかを考えてトライを続けていく。ピュエル監督のチーム改革は思うように進んでいないように見えるが、それでも岡崎は「ある意味、自分が試されている」と力を込めていた。

取材・文=田嶋コウスケ

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