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レアル・マドリーはクラブとしてもう限界か?西紙「リヴァプールにも完敗とプレミアとの差は広がるばかりだ」

スペインの最大紙でもあるスポーツ新聞『マルカ』が、レアル・マドリーのクラブとしての在り方の限界を指摘している。

チャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第4節、敵地アンフィールドでのリヴァプール戦に0-1で敗れたレアル・マドリー。スコア的には最小得点差だが、内容的にはリヴァプールに圧倒され、GKティボ・クルトワの8回のセーブによって大量失点を何とか防いだ試合だった。

スペイン『マルカ』は、この敗戦がレアル・マドリードの問題を浮き彫りにするものとの見解を示す。

問題の一つは、選手たちのクオリティーとパフォーマンスの質に関するもので、同紙は「GK(クルトワ)と最前線の選手(キリアン・エンバペ)はトップクラスだとしても、リヴァプール戦ではその間“に何もなかった”」と指摘。「各ラインがリヴァプールに上回られていた。昨季チャンピオンズリーグ・ベスト8のアーセナル戦を思い起こさせる完敗だった」とも記し、マドリーが15回目のチャンピオンズリーグ優勝を果たした2023-23シーズンを境に、試合の解決能力を失ったと意見している。

もう一つの問題は、クラブの経営モデルについて。例えばリヴァプールのオーナーを務めるのはアメリカのスポーツ投資ファンドで、今季16試合全勝のバイエルン・ミュンヘンはその株式の49%が国内外の企業が保有しており、現欧州王者パリ・サンジェルマンはカタール政府系の投資ファンドがオーナーだ。その一方でレアル・マドリーはクラブ会員(ソシオ)がオーナーとしての権限を持つ伝統的なソシオ制度をここまで貫いており、外部資本の導入、株式発行による資金調達ができないなどのデメリットがある。

またプレミアリーグのクラブはラ・リーガと比べて莫大なテレビ放映権収入を得ており、リヴァプールはその後ろ盾もあって、今夏に補強費としてマドリーの3倍となる5億ユーロを投じた。リヴァプールだけではなくプレミアのほか8クラブも、今夏の補強費で“かつて移籍市場の王だった”マドリーを上回っている。なおマドリーは、プレミア勢だけでなくPSGなど無尽蔵に補強費を投じられるクラブとの選手争奪戦に見切りをつけ、2010年代後半から若手選手の青田買いに補強方針を切り替えており、若手以外はフリーで獲得する方策を取っている。またスポーツ組織として世界一の売上高(来季終始予想は12億4800万ユーロ)を記録している同クラブではあるが、本拠地サンティアゴ・ベルナベウの全面改装費用に構想当初の3倍以上の費用(11億6300万ユーロ)がかかり、健全経営を行なっていく上でその債務が大きな負担になっているとされる。

レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、現状について手をこまねいて見ているだけでなく、できることに限界があるソシオ制に変化を加えることで、対応していく考えがある模様。『マルカ』曰く、23日に行われるクラブ総会で“クラブの在り方”について討議が行われる見通しのようだ。マドリーが具体的にどのようなプランを持っているかは不透明だが、そのほかのスペインメディアでは「ソシオ制を止めてスポーツ株式会社になるのでは」「バルセロナがマーケティングやオーディオビジュアルの権利関係で関連会社・子会社を設立し、株式を売却している形を踏襲するのでは」などと報じられている。

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