20日のラ・リーガ第17節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのセビージャ戦を2-0で制した。
マドリーにとって2025年の最終戦。2026年もチームを率い続けるために勝利が必須とされるシャビ・アロンソ監督は、可能な限りベストのスタメンを組んでいる。風邪を引いたバルベルデは間に合わなかったものの、コンディションに問題を抱えていたアセンシオは復帰。GKクルトワ、DFアセンシオ、リュディガー、ハウセン、フラン・ガルシア、MFギュレル、チュアメニ、ベリンガム、FWロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウスを先発させ、4-3-3のシステムを採用した。
セルタ戦(0-2)、マンチェスター・シティマドリー戦(1-2)と、ベルナベウで連敗しているマドリーにとって勝利を取り戻したい一戦だが、そのプレーは“ひどい”ままだった。攻撃も守備も、チームとしてほとんど機能しない。攻撃では効果的な連係がなく、それぞれが個人技から打開を目指すことに終始。守備でもハイプレスが連動せず、セビージャにボールを運ばれて幾度かチャンスを許している。
マドリーは5分、ロドリゴのスルーパスからフラン・ガルシアがペナルティーエリア内に抜け出すも、シュートはGKヴラホディモスにセーブされる。また7分にはイサークにDFラインを突破され、ループシュートを放たれたが、これはわずかに枠の右へ飛んだ。
その後、攻めあぐね続けたマドリーだったが、38分に獲得したセットプレーから活路を見出した。右サイドからのフリーキック、ロドリゴがペナルティーエリアにクロスを送ると、ニアサイドのベリンガムが打点の高いヘディングシュートでネットを揺らした。ベリンガムは今季ラ・リーガ4得点目(公式戦5得点目)。
1点をリードして前半を終えたマドリー。後半立ち上がりには、エンバペが立て続けにチャンスを迎えるも決め切ることができない。またイサークに緩慢な守備を2度にわたって破られ、クルトワと1対1になる場面を許したものの、そのどちらでも守護神が好セーブを披露した。
追加点を奪えないマドリーは65分、今度はアレクシス・サンチェスの決定機も許すが、ここでもクルトワが好守を見せて事なきを得る。厳しい状況のマドリーだったが、67分にはマルコンがベリンガムへのタックルで2枚目のイエローカードを受けて退場に。数的にも優位に立った。
シャビ・アロンソ監督は71分に1枚目の交代カードを切り、ギュレルを下げてカマヴィンガを投入。また82分にはヴィニシウスを下げてゴンサロをピッチに立たせた。この試合、そこまで目立っていなかったヴィニシウスがピッチに下がる際には、大量のブーイングと喝采が入り混じり、まるでチームの状況を表しているかのようだった
その後もいまいち攻め切れないマドリーだったが84分、ペナルティーエリア内でロドリゴがフアンルに倒されてPKを獲得。キッカーのエンバペが、これを冷静に決め切った。エンバペは2025年に59試合で59得点を決め、マドリーの通年における得点数でクリスティアーノ・ロナウドの最多記録に並んでいる。フランス人FWは自身のアイドルであるC・ロナウドの「シーーーーー!」のパフォーマンスを見せて、この記念すべきゴールを喜んだ。
苦しんだマドリーだったが何とかリードを2点に広げ、試合終了のホイッスルを迎えた。ラ・リーガ2連勝の同チームは、翌日にビジャレアル戦を控える首位バルセロナとの勝ち点差を1に縮めている。ただ、パフォーマンス的にはほとんど改善が見られておらず(クルトワの好守がなければどうなっていたか……)、シャビ・アロンソ監督の解任を検討しているというクラブ首脳陣が、どう受け止めているのかが気になるところだ。






