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リーガ優勝候補アトレティコが開幕戦1-0勝利!J・フェリックスは驚異の3人抜きドリブルでPK奪取…怪物ぶり見せつける

7:06 JST 2019/08/19
joao-felix

18日のリーガ・エスパニョーラ開幕節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのヘタフェ戦を1-0で制した。

リュカ、ロドリ、グリーズマンが契約解除金の支払いで退団したことで誇りに傷をつけられ、ゴディン、フアンフラン、フィリペのベテラン3選手たちの退団で心も傷んだアトレティコ。シメオネ政権下の一つのサイクルを終えた感があるが、彼がいれば次の地平線を見据えられる。チョロは「チームの成長にクラブの成長に追いついた」と話していたが、クラブはジョアン・フェリックスを1億2700万ユーロで獲得したのをはじめ、退団した6選手の代わりに見込みがありそうな8選手をチームに引き入れて新たな希望を呼び起こしている。

もちろんクラブ史上最高のCBの一人ゴディン、最高の右SBの一人フアンフラン、最高の左SBの一人フィリペ、最高のCBか左SBの一人になるはずだったリュカ、最高のボランチの一人になるはずだったロドリ、世界最高の選手候補だったグリーズマンの穴が、本当に埋まるのかは分からない(ベテラン3人は選手としての能力以外でも大切だった)。だが新たな希望は生まれているのだ。“メニーノ・デ・オロ(黄金の少年)”と呼ばれるJ・フェリックスに至っては、この試合のウォームアップから切り上げるだけで喝采を送られるほどだった。

ほぼ満員となったメトロポリターノで、試合はイムノがアカペラで大合唱されてからキックオフを迎えた。ジエゴ・コスタを負傷(いずれにしても出場停止だが)で欠くシメオネは、GKオブラク、DFトリッピアー、サビッチ、ヒメネス、ロディ、MFトーマス、コケ、サウール、レマル、FWジョアン・フェリックス、モラタをスタメンとして起用し、レマルをトップ下に置く中盤ダイヤモンドの4ー4ー2を採用。ヘタフェのMFラインの手前にコケとサウール、MFとDFのライン間にレマル、またはJ・フェリックスが位置して、さらにはトリッピアー&ロディの両サイドバックがレマルらと同じ高さまで上がるポジショナルな攻撃でもって決定機を構築しようと試みた。

幾度か巧みな攻撃の展開を見せながらも、ヘタフェの慣れもあって次第に停滞していったアトレティコだったが、23分に先制に成功した。トーマスの縦パスを受けたトリッピアーが正確無比なクロスを送り、モラタがジェネに先んじた動き出しでヘディングシュートを突き刺した。

プレシーズンには負傷以外のニュースがなかったモラタの得点でリードを得たアトレティコは、ここからセットプレーを中心としたヘタフェの反撃を受けることに。だが、ハーフタイムまでに動いたのは、得点数ではなく選手数だった。38分、ヘタフェのホルヘ・モリーナが後方からトーマスのアキレス腱を踏みつけたとVARで確認され、新競技規則によって一発退場に。一方のアトレティコはロディが41分にアランバリ、42分にダミアン・スアレスに対するファウルで立て続けに警告を受けて退場となり、10人対10人で試合を折り返した。

後半、ロディに代わってサウールが左SBを務めるアトレティコは、先制点を決める前までのようにポゼッション率を高めてヘタフェ陣地に攻め込む。そして55分、徹底したマークであまり存在感を示せていなかったJ・フェリックスが、自分が選ばれし存在、“メニーノ・デ・オロ”であることを誇示した。

ハーフウェーライン手前でボールを持ったポルトガル代表FWは、ぬるぬるとしていて、それでいて馬力のあるドリブルでもってヘタフェの3選手の守備を無効化する離れ業を披露。アランバリを股抜きで出し抜き、つかみかかってきたファジルをいとも簡単に振りほどき、寄せてきたブルーノもかわした後にギアをトップに入れて一気にエリア内まで到達し、懸命に追いかけてきながらもどうにも止められないといった様子のブルーノに倒されたことで、アトレティコにPKをもたらした。このプレーを目撃した観客は、まるでゴールが決まったかのような大絶叫……ただし、PKキッカーのモラタのシュートはGKソリアに止められてしまい、本当のゴールの際の絶叫は生じることがなかった。

シメオネ監督は試合を決することができない状況を見て、63分にトーマスとの交代でマリオ・エルモーソを投入。エルモーソを左SBとして、サウールを本職である中盤に戻した。その2分後にはスタジアム内の(ヘタフェサポーター以外の)誰もがボールを持つことを待ち望んでいたJ・フェリックスが、アランバリとの空中戦の際に負傷……。彼の代わりにマルコス・ジョレンテがピッチに立ち、さらに73分にはレマルとの交代でビトロも投入されている。

試合終盤は、10人対10人でどうしてもスペースが余ることで、行ったり来たりの打ち合いの展開。アトレティコは86分、アンヘルにクロスバー直撃のシュートを打たれて肝を冷やし、また89分にはモラタの折り返しからビトロがシュートを狙うも、ソリアのセーブに遭った。最後の最後まで先が読めない展開だったが、やはりここはメトロポリターノ。「信じることを決してやめるな」を標語とするアトレティコの本拠地である。7万人近い観客の強烈な後押しを受けるホームチームは、今季キャプテンとなったコケの魂がこもった全速力カバーリングもあって、シメオネ率いる集団らしいウノセロ勝利を完遂。リーガ優勝候補の一角として、新たな希望を引き受けるチームとして、しっかりと一歩を踏んだ。

取材・文/江間慎一郎

■試合結果

アトレティコ・マドリー 1-0 ヘタフェ
■得点者
アトレティコ:モラタ(23分)

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