リヴァプール、ミッション達成も大喜びは禁物…来季こそがチームの未来を左右する

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HD Gini Wijnaldum Liverpool celebrates
Getty
リヴァプールはホームでミドルスブラを3-0で打ちのめし2016-17シーズンを締めくくった。これによりチームはCL出場権内である4位の座を確保した。

リヴァプールは先日行われたリーグ最後のミドルスブラ戦で、3つのゴールを手にして勝ち点76で今シーズンの幕を閉じた。この勝利によってユルゲン・クロップはリヴァプールの監督就任後50勝目を挙げ、きっちりと来年のCL出場権も手にしたのだった。

序盤は苦しみながらも、リヴァプールはミドルスブラ相手に我慢強く耐え、結果的には圧倒した試合を展開した。前半終了間際に得点を決めたジョルジニオ・ワイナルドゥムは最高のフィニッシュの後に胸を叩き、2点目をフリーキックで決めたフィリペ・コウチーニョは天を指差し、アダム・ララーナのダメ押し弾の後にはクロップがタッチライン際で飛び跳ねるというお決まりのパフォーマンスを見せ、ファンもシーズン最終戦に満足してアンフィールドを後にしたことだろう。

HD Phil Coutinho

しかし先制点が決まるまで、リヴァプールは少々手こずっていた。すでに降格の決まっているミドルスブラはディフェンスを6枚に固め、深く引いたディフェンスラインでホームチームを苦しめた。彼らは相手陣内のペナルティーエリアで、何かを企もうという野心も欲求も見られないくらい守備に専念していた。

そんなミドルスブラのあまりに守備的な戦い方にクロップ率いるチームはフラストレーションを溜めることに。また、CL出場権を確保するために重要となる他会場で、マンチェスター・シティとアーセナルが先制したというニュースもあり、スタジアムは不安な雰囲気に包まれていた。

HD Gini Wijnaldum

しかし、そんな雰囲気が一変したのは前半終了間際。ロベルト・フィルミーノが厳しいマークにつかれながらもはたいたボールがワイナルドゥムに渡り、そしてワイナルドゥムが神がかったようなファーストタッチでコントロールすると、ニアにシュートを叩きこんだ。そこからはパーティーの始まりだった。

最高潮の盛り上がりの中ハーフタイムを経て後半を迎えると、開始早々にコウチーニョがゴール左下隅に直接フリーキックを決め、その5分後にはララーナがダメ押しの追加点を加えてスタジアムのお祭りムードをさらに加速させた。コウチーニョはこの得点で今シーズンのすべての大会におけるチーム最多得点者となり、ララーナにとってはこの貴重な1点が今年に入って初のゴールとなった。

この勝利によってリヴァプールはリーグ4位を確保し、来年のCL出場権を文句なしに手にしている。過去8シーズンを振り返ってもシーズンを4位以内で終えているのはわずかに2度のみ。それを考えるとようやく常に上位に名を連ねていたチームへ再生するための、第一歩が踏み出せたと言ってもいいだろう。

クラブをヨーロッパのエリートクラブに再び戻すという重要なステップは、クラブのオーナー、フェンウェイ・スポーツ・グループがブレンダン・ロジャースの後任としてクロップを起用したときから思い描いていたことであった。つまりこれはまだプロセスの始まりに過ぎず、乗り越えなければならない壁は次々とやってくる。

まず、すべきこととして、クロップはこの夏の移籍でバルセロナから勧誘されているコウチーニョを引き留めなければならない。それに補強も考え、来シーズンに向けてチームの構築を図らなければならない。もちろん同時に、今いる選手たちのケアも必要だ。クロップは強いチームを作るため、はっきりと選手たちにこう伝えている。

「もちろん他のクラブと同様、リヴァプールにも補強リストがあるし、何人かは入れ替わることになるだろう。するとクラブの雰囲気だって変わるかもしれないね。でもクラブの規模、そしてクラブの持つパワーは決して変わることはないんだ。今リヴァプールは常に上位にいられる強いチームに変わろうとしているし、それは経営陣も同じ考えだ」

かと言ってクロップは今シーズン一緒に戦ってきた選手たちを突き放しているわけではない。今シーズン、極めてハイレベルで熾烈なプレミアリーグの中にありながらアーセナルとモウリーニョ率いるマンチェスター・ユナイテッドを順位で上回ったことはこれまでとは大きく異なることだ。クロップは選手たちを称えるこんなコメントも残している。

「選手たちはとてもポジティブで、昨シーズン以上に積極的だったよ。彼らは自分たちのすべきことをこなし、自分たちのサッカーをやり通した。これは素晴らしいことだね」

クロップの言葉通り、今シーズン前半戦の戦いぶりは間違いなくヨーロッパで最もファンを魅了したチームの一つであった。特にフィルミーノ、サディオ・マネ、コウチーニョの前線3人は抜群の連携を見せ、シーズン序盤のリーグを引っ張る存在であった。

しかしチームの悲劇はクリスマスを迎える手前あたりから始まった。11月中旬には首位に位置していたチームは、ジョーダン・ヘンダーソン、ララーナ、ダニエル・スタリッジ、フィリペ・コウチーニョ、マネ、デヤン・ロヴレン、そしてジョエル・マティプといった選手たちが入れ替わり立ち替わりケガによって欠場を余儀なくされると、年が明ける頃にはチェルシーに首位の座を明け渡していた。2017年に入ってからは24試合でわずか10勝と、さらに急降下していったのだ。

HD Liverpool Firmino Coutinho Lallana Mane

シーズン序盤は好スタートを切りながらも不運な負傷者に見舞われて調子を落としていたリヴァプールは、最終的にはCL出場権を守る立場から奪いに行かなければならない挑戦者となっていた。

「特別なシーズンだったよ。チャンピオンズリーグ出場権を手に入れるのに76ポイント必要というのはとても珍しいことだ。しかし選手たちはどんな逆境も跳ね返す準備ができていたし、実際あらゆる状況にチーム全員で対応できたんだ。彼らは非常に集中して試合に臨んでくれたよ。本当に素晴らしく、結果に値する仕事をしてくれたね」

CL出場権を得たミドルスブラ戦の後にホッと一息つくかのようにクロップは語った。

今シーズンを振り返ると、リーグ戦においてリヴァプールはほぼすべてのビッククラブに勝っている。しかしそれとは対照的に、リーグ戦の6つの敗北は上位7クラブ以外との対戦であった。要するに、リヴァプールは強固な守備で固めてくる格下の相手に対してうまいこと試合を展開できないでいたのだ。

HD Bournemouth celebrate v Liverpool

昨年の夏には完璧な補強ができたものと思われていたが、シーズンを送っていく中でそれが十分ではなかったことが露呈した。クロップがゲームに変化をもたらすことのできる駒があまりにベンチには少なすぎたのだ。それに攻撃と守備のバランスが取れる選手も少なかった。リヴァプールは攻撃偏重なところがあり、しばし守備がおろそかになってしまっていた。もちろんリヴァプールの攻撃は素晴らしいものがあるが、それでは相手によってはチームの特徴である流れるようなサッカーを停滞させてしまう。クロップには攻撃と守備のいずれの要素もうまく組み合わせることで、チームをより完成させる必要がある。

となると来シーズンを見据えた時、ライプツィヒ所属のギニア代表MFナビ・ケイタのようなチームに新たなクオリティをもたらしてくれるダイナミックな選手の獲得は、まさに今のチームの欠点を補うのに有益であると言えるだろう。またサウサンプトンのビルヒル・ファン・ダイクやナポリのカリドゥ・クリバリのような優れたセンターバックの獲得も、あまりに多い失点を減らすことに繋がる。さらに多様な攻め上がりができるアーセナルのMFアレックス・オクスレイド=チェンバレンは、攻撃のオプションを広げてくれるはずだ。

正しい補強をして青写真に磨きをかけることは、リヴァプールが上昇曲線を描き続けるために必要なことだ。来シーズンクロップが狙うのは、間違いなく今年よりもさらに高いところである。しかしその状態が“普通”のことであるチームに戻さなければならない。そう考えると今回CL出場権を獲得できたことに喜んでばかりはいられない。

リヴァプールは常勝チームへの道にまだ一歩踏み出したばかりだ。来シーズンの結果こそが今後のチームの未来を左右すると言っても過言ではない。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

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