その時、スタンフォード・ブリッジに世界中の注目が集まった。
プレミアリーグで首位を独走するリヴァプールの試合ではなかったが、2位のマンチェスター・シティがロンドンへ訪れていたからだ。
リヴァプールに30年ぶりの栄冠が訪れる条件は単純だった。マンチェスター・シティがチェルシーに勝てなければ、その時点でプレミアリーグのチャンピオンに輝く。
Gettyクロップが言うには、ペップ・グアルディオラ率いるシティの敗戦を期待しつつも、試合自体は見ないことにしたそうだ。ライバルの試合を見てしまったという昨シーズンは、レスター戦でヴァンサン・コンパニの弾丸ミドルシュートが決まり、タイトルはエティハド・スタジアムにもたらされたのだった。この経験を二度と繰り返すまい。
だが、次の数か月、そして次の数年間でリヴァプール一強状態を崩しにかかると思われる2チームの動向を、クロップは注目することになるだろう。
当然分かっているはずだが、シティはもう一度リヴァプールに立ちはだかる。しかも、今度はもっと強くなって戻ってくる。クロップ自身もシティへのリスペクトは忘れていない。
「シティの試合を観たあとで気がついたことは、ただ一つ。このチームに20ポイント差をつけることなど誰ができるのだろうか、ということだけだね。実際そんなこと想像もできない」
グアルディオラ率いるシティはレッズから23ポイントも離され、もはや中位との勝ち点差のほうが近いような状態ではあるが、それでも勝ちに恵まれたチームであることには変わりはない。特別な選手たちで構成され、特別な指揮官をも持つ特別なクラブなのだ。
カラバオ・カップはすでに手中に収め、さらにFAカップ連覇にも手が届きそうな勢いだ。昨年国内3冠を達成したこのチームは、プレミアリーグタイトルこそ逃したが、今季もトロフィーの数は追加されるだろう。
■ライバル筆頭の2チームとは?
Gettyこれほどまでのチームと肩を並べただけに留まらず、これだけの大差をつけて追い抜いたことで、リヴァプールは計り知れない自信をつけている。一方のシティはシーズン後半で勝ち点を落とし、トッテナムとのホームでの引き分け以来、首位に返り咲くことはできなかった。
今年のリヴァプールの強さは凄まじいものがあった。だが、いかにクロップのモチベーションが高かろうと、この状態を維持することが難しいことはこれから分かるだろう。さらに、ライバルたちの逆襲も忘れてはならない。
こんなことわざがある。
「上げ潮は船をみな持ち上げる」
リヴァプールの独走状態は長い目で見れば、他のチームにも好影響を与えるというわけだ。
シティは非常に強いチームだったので、これほどまでに好不調の波が激しいシーズンは想像もできなかった。シティはリヴァプールを上回る素晴らしい輝きを何度か放ったにも関わらず、なんと、リーグ戦では3連勝以上を達成できていない。
ウルヴスとマンチェスター・ユナイテッドにはホーム、アウェー共に敗戦。スパーズにも勝てなかった。最下位のノリッジにも負け、ニューカッスルやクリスタル・パレス相手にも取りこぼした。なんともグアルディオラらしくないシーズンだ。
確実に、今夏エティハドには変化が起こるだろう。グアルディオラは、素晴らしい攻撃陣とのギャップが見られるディフェンス陣の穴埋めをすることになるだろう。少なくとも1人はワールドクラスのCBと契約することになるかもしれない。レロイ・サネはバイエルン・ミュンヘンに移籍しそうなので、代役を探さないことはまずないだろう。今夏も騒がしくなりそうだ。
Getty Imagesまた、チェルシーも興味深い動きをしている。フランク・ランパード率いるチームは今シーズンのタイトル争いに絡むことはできなかった。リヴァプールから35ポイント離され、2位シティとも12差。しかし、何かしらの動きがスタンフォード・ブリッジに起こっているようだ。幸か不幸か移籍禁止期間を経たことで、チェルシーは大金をつぎ込む準備ができた。
すでにアヤックスからハキム・ツィエクの加入が決まり、さらにRBライプツィヒからティモ・ヴェルナーの加入も発表された。今の彼らに財政的な心配はない。
レスター所属のイングランド代表左サイドバック、ベン・チルウェル、そしてレヴァークーゼンのスター、カイ・ハヴェルツも夏のウィンドーが閉まるまでに獲得する意思があるようだ。ヴェルナーがそうだったように、この2人もリヴァプールが綿密に調査していた選手たちだが、チェルシーは財政面だけで見れば王者にも遅れを取ることはない。
先述の選手たちに加えて、エンゴロ・カンテ、ジョルジーニョ、セサル・アスピリクエタ、マテオ・コバチッチがおり、さらに成長著しいメイソン・マウント、リース・ジェイムズ、カラム・ハドソン=オドイ、タミー・エイブラハム、クリスチャン・プリシッチなどの若手もいるため、バランスの良いメンバー編成となっている。
思えば、昨年8月にイスタンブールで行われたUEFAスーパーカップでは素晴らしい仕上がりでリヴァプールの前に立ちはだかり、3月のスタンフォード・ブリッジでのFAカップでレッズの息の根を止めたのもチェルシーだった。この夜はクロップがチームにローテーションを敷き、選手の多くを入れ替えてはいたが、見事な勝利であったことには変わりはない。
今季はリヴァプールの陰に隠れていたが、チェルシーも悪くないシーズンを過ごした。
■ハードルが上がる優勝争い
Liverpoolだが、マンチェスター・シティとチェルシーが再び熾烈なタイトル争いに加わるためには、さらなる上積みが必要になるだろう。過去4シーズンのプレミアリーグを見てみれば、そのハードルは著しく上がっているのだ。
チェルシーは2016-17シーズンに勝ち点93でリーグ優勝を果たしたが、翌年シティが勝ち点100の新記録を打ち立て優勝。だが、今季はレッズが3桁の大台に乗せ、偉業に肩を並べることだろう。なんと、これまで取れた最大93ポイントのうち7ポイントしか取りこぼしていないのだ。クリスタル・パレス戦での勝利を見るにつけ、まだまだ勝ち点に飢えていると言えそうだ。
今季の彼らには好不調の波がない。これが、クロップのチームの先行きが明るい理由なのだ。一方で、シティとチェルシーがクリスマスを前に失速した。
チャンピオンというのはいつでも輝いているわけではないが、常に勝つ手段を見つけられる。他のチームが停滞している間にリヴァプールは仕事をやり遂げてしまう。そして、そんなチームがいっそう輝きを発すれば、誰もそのクラブとやり合えるわけがない。
しかし、チャレンジャーも目覚めることだろう。いや、目覚めなければいけないのだ。
そして、チャレンジャーのうち2チームはブルーのユニフォームを身にまとっていることだろう。
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