現地時間29日、イングランド・プレミアリーグは第28節が行われ、南野拓実の所属するリヴァプールは敵地ヴィカレイジ・ロード・スタジアムでワトフォードと対戦した。
ミッドウィークに行われた前節ウェストハム戦で逆転勝利を手にし、リーグ戦18連勝として勝点を｢79｣に伸ばしたリヴァプール。1990年を最後に手にしておらず、プレミアリーグとなってからは初となるリーグ制覇に向けてあと4勝にまで迫っている。
今や国内に敵無し状態のリヴァプールだが、降格圏に沈むワトフォードは油断のならない相手。前節も残留争いを強いられているウェストハムに苦戦を強いられており、この試合でもワトフォードの集中した守備と鋭いカウンターに手を焼く展開に。
モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネが揃い踏みしたリヴァプールの攻撃陣を相手によく守り拮抗した試合展開に持ち込んでいたワトフォードだが、31分にアクシデントが発生。フィルジル・ファン・ダイクと競り合ったジェラール・デウロフェウのひざがおかしな方向に曲がり、治療のために試合が一時中断。37分にストレッチャーで運ばれ、代わりにロベルト・ペレイラが投入される。
攻撃の要として機能していたデウロフェウをアクシデントで欠くこととなったワトフォードだが、集中力を保ってリヴァプールの攻撃を跳ね返していく。結局、リヴァプールは前半でゴールを奪うどころか、枠外に放ったシュート1本のみで試合を折り返すことに。
逆に前半終了案際には、セットプレー崩れからワトフォードに決定機が訪れるが、GKアリソンがこぼしたボールを押し込んだトロイ・ディーニーのシュートはゴール右へと外れた。
スコアレスのまま迎えた後半、先に仕掛けたのはワトフォード。ペレイラのスルーパスに抜け出したイスマイラ・サールがそのままシュートを放つも、GKアリソンがゴール上へとはじき出す。
54分、左サイドからのスローインをエリア内左で受けたアブドゥライエ・ドゥクレの折り返しをゴール前でサールが合わせ、ワトフォードが均衡を破る。
勢いづいたワトフォードは60分、右サイドのスローインからライン際でキープしたウィル・ヒューズのヒールパスをディーニ―が前線に送ると、抜け出したサールがGKアリソンとの1対1を制し、ワトフォードが2-0とリードを広げる。
まさかの2点ビハインドを背負うこととなったリヴァプールは、直後にジョルジニオ・ワイナルドゥムを下げてアダム・ララーナを投入。さらに65分、アレックス・オックスレイド＝チェンバレンを下げてディヴォック・オリギを投入する。
すると66分、ララーナが胸トラップからボレーを放つと、ドライブ回転のかかったシュートが右のポストを叩く。
これが反撃の狼煙になるかと思われたが、72分にゴールネットを揺らしたのはまたしてもワトフォードだった。トレント・アレクサンダー＝アーノルドがGKアリソンに戻そうとした不用意なバックパスをサールが奪い、落としたボールをディーニ―が無人のゴールに流し込んでワトフォードが決定的な3点目を奪う。
今季初めて3失点を喫したリヴァプールは、その後も高い集中力を維持するワトフォードの堅守に苦しみ、突破口を見出すことができない。79分には、最後のカードとしてフィルミーノに代えて南野を投入し交代枠を使い切る。
人数をかけて猛攻を仕掛けるリヴァプールに対し、ワトフォードも全員守備でこれに応戦。そして奪った後のカウンターも鋭さを保ち、82分には中盤を突破したエティエンヌ・キャプのスルーパスにサールが抜け出す。決めればハットトリックという決定機だが、シュートはゴール右へと外してしまう。
アディショナルタイムは4分取られたが、全員が集中を切らさず最後までハードワークを続けたワトフォードがリヴァプールの猛攻をしのぎ切り大金星を挙げた。今季初黒星を喫したリヴァプールのリーグ連勝記録は18、またリーグ無敗記録も44試合でストップすることとなった。
■試合結果
ワトフォード 3-0 リヴァプール
■得点者
ワトフォード：サール（54分、60分）、ディーニー（72分）
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