イングランドのかつてのスター、ギャリー・リネカー氏は母国が再び輝くことを願っており、そのためにもFWハリー・ケインが次回のワールドカップでチームを力強く引っ張る存在となることを期待している。
リネカー氏はスリーライオンズ（イングランド代表の愛称）の一員として2度のワールドカップに出場。1986年のメキシコ大会では大会得点王に輝き、国際試合で通算48ゴールを記録している。この記録は当時歴代1位だったボビー・チャールトン氏の49得点まであと1点というものだった。また2015年にはそのチャールトン氏の記録も、古巣マンチェスター・ユナイテッドのエースFWウェイン・ルーニーによって塗り替えられた。
イングランドは長年ワールドカップでなかなか輝けずに苦しんできた。前回2014年のブラジル大会ではまさかの早期敗退を余儀なくされている。リネカー氏はケインに攻撃陣を引っ張って、この状況を打開してほしいと願っているという。ケインとイングランド代表について『Goal』に語ってくれた。
「ケインは間違いなく現在のイングランドで最高のストライカーだ。彼は2シーズン連続でリーグ得点王に輝いているんだ。今シーズンは8試合欠場したのにも関わらずだ。驚異的だよ。すべてを兼ね備えていて、メンタル的にも強い。代表でも優れたストライカーとしてやってくれると思う」
また今後もケインが記録を打ち立てていけるかと問われると、「それについては、海外に移籍するかもしれないし、ケガ次第ということもある。だが現在のように1試合あたりの高い得点率をキープすることができて、国内にとどまり、そしてコンディションを維持できれば、彼は全ての記録を破ることができるだろう。まあ、決して簡単ではないだろうがね」と語った。
また、リネカー氏はケインをはじめとする若く有望な選手が複数出てきたことで、イングランド代表は再び輝きを取り戻すと考えているようだ。
「代表チームはいま、再び競争力を手にするはじめの段階にあると私は思っている。長いことワールドクラスと言える選手が出てこないままだったが、いまは若い選手たちが台頭してきている。ケイン、デレ・アリ、ラヒーム・スターリングといった異なるポジションで良い選手が出てきた。テクニカルな選手としてはアダム・ララーナやマーカス・ラッシュフォードが出てきたね。チームの全ポジションに若く素晴らしい選手がいるんだ。彼らとともに代表チームは競争力を取り戻してくれるはずだ。来夏のW杯で我々が優勝できるなんてことは言わないよ。そこまでには何百万マイルもあるだろう。だがここ最近の大会でそうだったように、イライラを募らせるようなことにはならないと思うよ」
かつてトッテナムのアイドルだったリネカー氏は、ホワイト・ハート・レーンで采配を振るうマウリシオ・ポチェッティーノ監督にも賛辞を贈った。
「ポチェッティーノは素晴らしい監督だ。彼の指導のもと、チームは彼らがどうプレーするか、何をすべきかをしっかりとわかっている。とても若いチームだが、全員ですべてのことを達成できているんだ。来シーズンは、ホワイト・ハート・レーンが改修のためウェンブリーでプレーすることになるが、彼らはそれに慣れつつあるね。あのスタジアムで戦うことに慣れてきた、それだけチームも成長しているんだ。この夏はトッテナムにとってはビッグサマーになりうる。彼らが何者であるかを決定づける夏になるよ。彼らはチームのベストプレーヤーたちを残留させないといけない」
文＝リー・サングモ／Lee Sungmo
