Jose Mourinho Manchester UnitedGetty

モウリーニョがユナイテッドを下部リーグのチームに…サポートなしもやむなしか

自分たちよりも先に終わった試合の結果により、マンチェスター・ユナイテッドの今シーズンのプレミアリーグはほとんど終わりを迎えた。そういった状況下から、多くの人は日曜日のホワイト・ハート・レーンでのトッテナム戦で選手たちはプレッシャーから解き放たれ、自由に近い状態で吹っ切れたプレーを見せてくれるものと期待したかもしれない。

ところが、試合でのパフォーマンスはファンの希望的観測をはるかに下回った。1-2での敗北は、ユナイテッドがシーズンを通して続けているパフォーマンス同様に冴えないものだった。この日出場した選手たちの中からヨーロッパリーグ(EL)決勝でピッチに立つ者はほとんどいないだろうという見方に驚きはないが、U-23のチームが出場したわけではないということも頭に留めておく必要がある。

最も不安定なシーズンの中、この試合でピッチに立ったメンバーのほとんどは彼らの存在価値を示さなければならなかった。しかし、結局はジョゼ・モウリーニョ率いるチームに流れる多くの失望や混乱といった空気に流されたような試合内容に終始したのである。

クリス・スモーリング、フィル・ジョーンズ、ジェシー・リンガード、マイケル・キャリック、ダレイ・プリント、そしてファン・マタといった選手たちはEL決勝という来季のチャンピオンズリーグ出場を争う大舞台に向けてアピールしなければいけない立場であった。さらに言えば、ユナイテッドとイングランド代表のキャプテンであり、イングランド代表の歴代最多得点記録を持つウェイン・ルーニーも来季以降も見据えて期するものがあったはずだろう。そしてエリック・バイリーは、セルタ戦での退場によりEL決勝の出場を逃すことになった後で、良いパフォーマンスを発揮するべくかつてないほどモチベーションが高まっていたのではないか。しかし、上記の選手たちはモウリーニョ監督にとってメンバー選考が難しくなるようなプレーを見せることはできなかった。

その一方で、ダビド・デ・ヘアはいつものようにユナイテッド守備陣の生命線としてスパーズの集中砲火を一身に受けながら奮闘し、アクセル・トゥアンゼベはクリスティアン・エリクセンをマンマークするという重責を負うという普段とは異なるポジションを与えられながら、本来はこのチームのメンバーではないにもかかわらず、良いプレーを見せた。アンソニー・マーシャルは周囲からのサポートが手薄な中、スパーズ陣内で奮闘し、彼自身が作り出したチャンスから2度、GKウーゴ・ロリスを脅かした。スパーズのための午後を少しばかり曇らせたルーニーの得点を導いたのも彼であった。

しかしユナイテッドはそれが全てであり、1週間前のアーセナル戦に続いて2週にまたがり覇気のない試合を行った。北ロンドンまでの長旅の後に見せられた1600を越えるユナイテッドのサポーターたちにとっては決して満足できるものではなかったはずだ。

シーズン序盤に『ジョゼのサッカーこそがユナイテッドがすべきもの』というチャントを歌っていたファンは、ここのところのプレミアリーグでの戦いぶりをみれば、オールド・トラッフォードのベンチに座るというのは何たるかを指揮官が理解しているのかを疑問に思う権利がある。ELにプライオリティを置くのもそうだが、攻撃的にプレーすることを放棄してしまうのもまた疑問である。スパーズ戦では、ユナイテッドのポゼッション率はおよそ30パーセントに過ぎず、試合の大半はトッテナムが主導権を握っていた。

モウリーニョ自身はサポーターたちからの支持と称賛を求めているものの、このところの結果では彼への擁護材料があまりに足りないと言わざるを得ない。

ユナイテッドの選手たちよりもはるかに肥えたファンたちも、なすすべなく敗れたアーセナル、スパーズとの2試合、そしてなんとか勝ち抜けたセルタ戦と、ここ数週間熱心に声を張り上げ、喉を枯らすことなく、ただ突っ立って試合を眺めていたことを申し訳なく思う気持ちは少しも持っていないことだろう。

端的に言えば、ユナイテッドをサポートすることは他とは違う何かを意味している。マンチェスター・Uというクラブをイングランド中のスタジアムから応援できることはある種神秘的なものであるはずであるが、今のユナイテッドの選手たちはレッド・デビルズのユニホームを着てプレーしているというよりも、まるで(イングランド5部に位置する)マクルズフィールド・タウンのユニホームを着ているかのように思うときさえある。

この試合の結果がユナイテッドのシーズンに大きく左右するものではなかったにせよ、少なくともファンたちは心踊るようなパフォーマンスを選手たちが見せてくれることを望んだはずだ。しかし、現在の監督、そしてピッチに立ったあまりにだらしない選手たちはEL決勝に向けて暗い道筋のみが残っているということを明確に示してしまった。

文=クリス・ヴォークス/Kris Voakes

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