ベルギー代表GKシモン・ミニョレが、昨夏のリヴァプール退団について「後悔していない」と口にした。
2019年夏、ミニョレは2013年より6年間在籍したリヴァプールを去り、母国のクラブ・ブルッヘに新天地を求めた。19-20シーズン、ミニョレの抜けたリヴァプールは正GKアリソン、第2GKアドリアンでシーズンを迎えたが、今季はアリソンが負傷により複数回離脱。アドリアンがゴールを守る試合があったものの、同選手はUEFAチャンピオンズリーグのラウンド16、アトレティコ・マドリー戦など重要な局面で不用意なミスが散見されたことから、改めてリヴァプールファンの間から、ミニョレ退団を惜しむ声が相次いでいた。
ミニョレは『リヴァプール・エコー』のインタビューに応じ次のように述べている。
「ホテルに滞在していた時のことだ。僕の電話に突如30件近いメッセージが入ったので、“何事だ?”と思ったんだよ。その時ちょうど(プレミアリーグの開幕戦で)アリソンが負傷していたみたいなんだ。そのホテルでは『Sky』(プレミアリーグを放映している放送局)が入っていなかったから、どういう状況かわからなかったんだけどね」
「選手の負傷はやはりつきものだからね。それに彼はコパ・アメリカに臨み、十分な休養もなくシーズンインしたばかりだった。やはりこういうことは起こり得るものだと思う」
ミニョレはすでにリヴァプールから去った後だったが、昨季まで控えGKを受け入れる立場だった複雑な心情を踏まえ「例えばアドリアンがアリソンの代わりに10~15試合出場したとするよね。アリソンと同等のレベルでビッグセーブを連発し、素晴らしい仕事をしたとしてもケガが癒えたらアリソンが正GKとして戻ってくる。15試合クリーンシートを記録してもベンチに戻ってしまうんだ。それはやはりつらいものがあるよ」と言及している。
「どれだけ称賛に値する仕事をしても、控えGKに戻ってしまう。それは自分にとって先の見えないシナリオだったし、32歳という年齢を考えたら僕はその立場で良いとも思えなかった。もし昨年夏に戻って“今季はアリソンが負傷離脱する”と分かっていたとしても、僕はやはりリヴァプールから去ったと思うよ。その決断は後悔していない」
ミニョレは母国ベルギーに帰還したものの「リヴァプールは今、世界最高のクラブだと思う。自分が去る直前、欧州の頂点に立ったということはとても素晴らしい経験になった。あのチームでの時間はすべてが特別だった」と、古巣リヴァプールへの変わらぬ愛を口にしている。
これまでリヴァプールでは、加入後の3シーズンは正GKを務めたミニョレ。だが16-17シーズンからはロリス・カリウスやアリソンとポジションを争い、控えGKの役割を担ってきたミニョレ。アリソンとのポジション争いについては、退団を決意するほど複雑な思いがあったようだ。
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