■プレミア第30節 マンチェスター･U 2-1 リヴァプール
マンチェスター･U：ラッシュフォード(14分、24分)リヴァプール：OG(66分)
現地時間10日、イングランド・プレミアリーグ第30節が行われ、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールによる上位対決は2-1でユナイテッドに軍配が上がった。
勝ち点2差で迎えた2位ユナイテッドと3位リヴァプールによる直接対決。ユナイテッドが勝てば2位の座をキープでき、リヴァプールが勝てば順位が逆転する重要な一戦で、ユナイテッドはポール・ボグバが練習中の負傷により欠場する一方、マーカス・ラッシュフォードとエリック・バイリーが久々の先発起用となった。
するとこのラッシュフォードが指揮官からの期待に結果で応える。14分、ダヴィド・デ・ヘアのゴールキックをロメル・ルカクが頭で逸らすと、完璧なタイミングで抜け出したラッシュフォードがペナルティーエリア内左でトレント・アーノルドをかわし、ゴール右隅へと流し込んでホームのユナイテッドが先制する。
追いかける展開となったリヴァプールはボールポゼッションでユナイテッドを上回るものの、最終ラインと中盤の4-4で守る強固な守備ブロックに手を焼く。頼みのモハメド・サラーはスペースがなく、常にゴールを背にしてのプレーを強いられ、持ち味の突破力を発揮することができない。
23分には右CKをゴール前でフリーとなったヴィルジル・ヴァン・ダイクが合わせるが、肩に当たってしまいゴール左へとわずかに外れる。セットプレーが唯一、リヴァプールの攻撃で可能性を感じさせた。
しかし24分、先制点と同じような形から2失点目を喫してしまう。デ・ヘアのロングキックをルカクが前線でキープし、ラストパスにフアン・マタが抜け出す。ここは戻ったヴァン・ダイクがブロックするが、こぼれ球をエリア内左のラッシュフォードが押し込むと、アーノルドに当たってGKロリス・カリウスの逆を突く格好となり、ユナイテッドが大きな追加点を挙げた。
2点を追うリヴァプールは依然としてサラーが沈黙。ユナイテッドの4-4ブロックを崩せないまま時間が過ぎ、逆に38分にはアレクシス・サンチェスのクロスをゴール前でフリーとなっていたマタがアクロバティックなボレーで捉える。これはゴール右へと外れたが、決まっていれば試合はほぼ決まっていた。
結局、ボール支配率では64％と優位に立っていたリヴァプールだったが、枠内シュートはユナイテッドと同じく2本。ユナイテッドはその2本で2ゴールを挙げており、どちらが効率の良いサッカーをしているかは誰の目にも明らかだった。
迎えた後半、ユナイテッドの守備ブロックを打ち破りたいリヴァプールだが、ユナイテッドのゴール前の堅牢さは前半と変わらず。セットプレー以外に得点の匂いがするチャンスはなく、膠着した展開のまま時間が過ぎていく。
しかし66分、思わぬ形でゴールが生まれる。左サイドで仕掛けたサディオ・マネがゴール前に折り返すと、ニアサイドで難しい体勢からクリアを試みたバイリーに当たったボールがそのままユナイテッドゴールへ。GKデ・ヘアも反応しきれず、オウンゴールでリヴァプールが1点差に詰め寄る。
このプレーで足を痛めたバイリーがマルアン・フェライニと交代する準備が整うが、バイリーはプレー続行の意思を表明。フェライニはラッシュフォードに代わってピッチに送り込まれた。
1点差になり勢いの出てきたリヴァプールは80分、失点に絡みやや狙われている感のあったアーノルドに代えてジョルジョニオ・ワイナルドゥムを投入。さらに分にはアンドリュー・ロバートソンに代えてドミニク・ソランケを投入し、両サイドバックを攻撃的な選手に入れ替える大胆な采配を振る。
一方、逃げ切りたいユナイテッドは88分、マタに代えてジェシー・リンガードを投入。全員守備でリヴァプールの猛攻に備える。バイリーの治療があったためか、アディショナルタイムは6分と長めに取られた。
しかし、この日のリヴァプールはサラーが完全に抑え込まれ、最後までユナイテッドの守備ブロックを打ち崩せず。終了間際にはCKのこぼれ球からサラーがこの試合最初のシュートチャンスを得るが、ボレーはゴール上へ。逃げ切ったユナイテッドが2位の座を堅持した。