Jadon Sancho Borussia Dortmund 2018-19Getty Images

ベイルがレアル・マドリーで一匹狼になったワケ。同僚たちが明かすピッチの裏側

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■コミュニケーションに大きな課題

Gareth Bale & Lucas VazquezGetty Images

かつてレアル・ソシエダにはアイルランド人ストライカー、ジョン・オルドリッジが在籍していた。短い期間であったこともあり、ピッチでやっていくのにはたった3語のスペイン語しか必要はなかったと話している。どこでも使えるフレーズ「hijo de puta(クソ野郎)」を覚えたことで、チームメイト、審判や相手選手ともコミュニケーションをすごく取りやすくなったんだ、と彼は冗談めかした。

それから30年が経ち、海外で働くイギリス人には多少なりとも変化があったはずだ。しかし、ほぼ6年間マドリーに在籍しても、ギャレス・ベイルがロッカールームの多国籍軍にまったく順応できていない。さらにピッチでのパフォーマンスが著しく低下していることも加わり、この問題をきっかけにベルナベウでの時間は終焉の危機に瀕している。

ベイルと親しいチームメイトによると、ベイルは試合や練習以外でチームメイトに混ざることはめったになく、一人でいることを好んでいるという。さらに、ティボー・クルトワは皮肉るように「僕らは彼をゴルファーと呼んでいるよ」と明かし、このように続けた。

「僕はベルギー人だけど、マドリーで生まれ育った人と同じように生活している。ここでは食事の時間は遅いし、寝る時間も遅い。それがマドリーの暮らしだ。この間はチーム全員参加のディナーがあったけど、ベイルと(トニ)クロースは来なかった。彼らはディナーが夜遅すぎると思っているんだ。9時半にレストラン集合するように調整して、食事は10時15分くらいから始まった。日が変わるまでには食後のコーヒーを飲んでいた。1時くらいには寝るよ。トレーニングは朝11時からだから、このスケジュールは完璧だと思う。けどベイルは『俺は参加できないよ。11時に寝るから』と言っていたね」

マルセロも同様に、ベイルとのコミュニケーションにストレスを抱えているとこぼした。彼はロッカールームでキコ・カシージャの隣が定位置になってたが、スペイン人GKは1月にリーズへと移籍。それからは寂しい時間を過ごしているようだ。

「(キコは)隣に座って、僕らは一日中喋っていたよ。でも今は話せる人がいないな。そこには今ベイルがいるけど、僕らは英語で話さなきゃいけないし、ジェスチャーと、ハーイ、ハロー、グッバイ、の3つの単語で話しているんだ」

■ピッチでも存在感を発揮できず

Gareth Bale Real Madrid Atletico Madrid La Liga 09022019Getty Images

ピッチでは、誰もが認めるマドリーのスターティングラインナップという特権的ポジションをベイルは失った。アル・アインに勝利して優勝した昨年12月のクラブワールドカップ以来、このウェールズ人が90分プレーした試合はなく、最近の8試合で2回しかスタメンに入っていない。サンティアゴ・ソラーリ監督は刺激的なダイヤの原石、ヴィニシウス・ジュニオールに信頼を置いているのだ。

一方、激しく非難されていたカリム・ベンゼマはひとたびゴールを決めると調子を上げ、クリスティアーノ・ロナウドのような驚くべきスピードでゴールを量産している。対してベイルは今シーズンのリーグ戦20試合に出場しながらも、残念ながら7ゴールしか奪えていない。

マドリーはベテランのベンゼマに、ヴィニシウスやマルコ・アセンシオのような若手をベルナベウでサポートし続けてほしいと思っている。元フラメンゴの18歳に至っては、そのおおらかで外向的な性格から一瞬にしてロッカールームの人気者になってしまった。チャンピオンズリーグ(CL)のアウェー戦の前にチームが験担ぎとして撮った旅先での写真では、カゼミーロやマルセロの隣というロナウドの立ち位置までも確保してしまっている。

しかし、ベイルは今や使い捨ての駒に過ぎない。エデン・アザールやクリスティアン・エリクセンのような、この夏マドリーが狙う高額選手の年俸と帳尻を合わせるのに放出される可能性が高まっている。多大な功績を残しているにもかかわらず、ベイルの移籍を声高に嘆く人はあまり多くなさそうだ。

■英国出身プレイヤーの異文化適応に課題

Jadon Sancho Borussia Dortmund 2018-19Getty Images

長い年月をかけて、イギリス人プレイヤーはたいそう扱いづらいよそ者であることを自ら証明してしまった。数少ない例外的な有名人としては、別の世代だとデイビット・プラットやゲイリー・リネカー、最近だとジェイドン・サンチョのような若者がいるが、彼らはあくまでも例外中の例外に過ぎない。

疑いなくベイルはその手の障害を乗り越えたと思われた。実際、マドリーの最近4回のCL優勝メンバーに名を刻んでおり、これは驚くべき功績である。

それでも彼は、気心の知れたホームにとどまらず、慣れない環境に溶け込もうという気持ちを持てていない。そしてベイルの今の気持ちは、彼のゴールを祝福しにやってきたルーカス・バスカスを拒絶したあの瞬間を見れば明らかだろう。

スペイン語が話せない、友達がいない、ピッチに立てる時間も短くなっている。来シーズン以降ベイルがマドリーにとどまる理由はどんどんなくなっている。

文=ダニエル・エドワーズ/Daniel Edwards

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