Baby Galactico GFXGetty/Goal

ベイビー・ガラクティコス:世界を支配するためのレアル・マドリーの新プラン

そう遠くない昔、毎年夏になるとヨーロッパのビッグクラブたちは恐れおののいたものだった。

フロレンティーノ・ペレス会長が分厚すぎる小切手帳を開く日々が再び訪れ、レアル・マドリーがガラクティコ(銀河系軍団)の更新のためにライバルたちの選手を次々と加入させていたからである。

その餌食となるのはミランやユヴェントス、マンチェスター・ユナイテッドまたはリヴァプールのときもあった。マドリーの膨大な資金力に刃向かえたものはいない。最大のライバルであるバルセロナですらその財力には抵抗できず、ポルトガル代表のスターでチームの司令塔だったルイス・フィーゴを奪われ、彼が次にカンプ・ノウのピッチに立ったときには、かつての大黒柱に向かってブタの頭を投げ入れて「歓迎」したのであった。

■転換期に至った理由

Neymar Barcelona 2013Getty Images

ペレス会長が初めて職務に就いた2000年から20年が経ったが、狡猾な老経営者は相変わらずレアル・マドリーだけではなく、世界のトップである。だが、新しい才能にカネを注ぎこむやり方は変わらずとも、ターゲットは変化している。ロナウドやデイビッド・ベッカム、ロベルト・カルロスのようなすでにできあがった選手はもはや優先順位は高くない。まだトップレベルには達しておらず、将来的に銀河系軍団の主力を担える、いわばベイビー・ガラクティコたちに飛びつく回数が右肩上がりで増えているのだ。

このやり方はまったく新しいものではない。1996年には、レアル・マドリーは10代のアルゼンチンの兄弟、エステバン・カンビアッソとニコラス・カンビアッソをかっさらった。2005年以降にもセルヒオ・ラモス、ゴンサロ・イグアイン、フェルナンド・ガゴ、ロビーニョといった当時の若手スターたちを加入させた。しかしながら、会長の考えが本当に変わったことが判明したのは、2013年だった。

転換期となったのはネイマールとの契約に失敗したことだ。1950年代のディ・ステファノやプスカシュからおよそ60年後のロナウドまで、最高のサッカー選手を手に入れてきたことを常に誇りとしてきたクラブにとって、忘れることのできない失敗として記憶されることとなった。バルセロナがレアル・マドリーよりもスカウティングが徹底していて交渉がうまく、全当事者からの法外な要求をのんだことが示されたのである。

ペレスは失敗に終わった交渉について「私たちは話し、移籍の結果がわかった。生態系が損なわれるだろうと気づいたのだ」と振り返った。

その後、移籍市場での動きは二度とボロを出してはならないというペレス会長の決意を雄弁に語るものとなった。ギャレス・ベイルに加えて21歳トリオのカゼミーロ、イスコ、ダニ・カルバハルが加入し、その2年後にはマルコ・アセンシオが19歳の若さでマジョルカから加わった。

それから数シーズンが経過しても、レアル・マドリーはもっぱら若い選手に注目し続けている。ブラジル代表コンビ、ヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴはともに18歳で移籍しているし、マルティン・ウーデゴール(16)、ブラヒム・ディアス(19)、アンドリー・ルニン(19)、エデル・ミリトン(20)、フェデリコ・バルベルデ(18)も最たる例だ。現在、最新の才能は、1月に加入したヘイニエルである。

Reinier Flamengo 2019Getty Images

南米やその他の地域の希望に満ちたティーンエイジャーにとって、最大の挑戦のひとつは母国から数千キロ離れた地で新しい文化に対応することである。「それは難しいことで、選手や人によって程度は異なる。すぐに適応できる人もいるし、そうでない人もいる」と、ロドリゴは『Goal』で適応の難しさを語っている。

「ヴィニが来たとき、彼ですらちょっと寂しかったと言っていたよ。まだシーズン前で、マルセロとカゼミーロが到着してなかったからね。その頃はまだ、ブラジル人は彼しかいなかった。最初のうちは少し大変だった。僕が来て、ブラジル人は5人になった。僕とカゼミーロ、マルセロ、ヴィニシウス、ミリトンの5人だったし、僕としては大いに助かったよ」

■若手に忍耐を求めるやり方

Martin Odegaard Real Sociedad 2019-20Getty Images

だが、若手を青田買いするやり方は時間を求められる。

わずか16歳でペニャロールから引き抜かれたバルベルデは昨季から即戦力として活躍したが、トップチームに定着したのは20歳になってから。デビューシーズンにチャンピオンズリーグの決勝で得点を決めたアセンシオも2度のレンタルを繰り返している。

さらに典型的なのがウーデゴールで、16歳でノルウェーのフル代表に選ばれたが、まだレアル・マドリーのトップチームでチャンスは得られていない。オランダとスペインで計4年ほど武者修行を続けているところで、大躍進を望む若手には忍耐が求められる。

「若手にとって、まさに今の僕にとって、試合に出ることがとても重要だ。レアル・マドリーにいては、それは難しい」

ウーデゴールは昨年12月にデンマークの国営テレビ局の『TV2』でそう語った。

「偉大な選手が大勢いて、競争が激しい。レンタルで別のチームに行くことが、僕ができる最高のことであるのは明らかだった」

「僕の目標がレアル・マドリーでプレーすることであることは変わらない。だから契約したんだ。僕はレアル・マドリーにいたい。この2年間で大いに成長したと感じている。前よりもうまくなったし、強くて成熟した選手になれた」

ウーデゴールやヴィニシウス、ヘイニエル、ロドリゴ、その他のレアル・マドリーの将来有望な若手選手たちが成功するかどうかは、時間が経ってみないとわからない。レアル・マドリーは世界最強のクラブのひとつであり、ほとんどすべてのポジションに実績を積み重ねた各国代表選手がいる。保証されたものは何ひとつない。

一方、舞台裏では、スカウト陣がエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウに衝撃をもたらす準備のできた次のスター選手を見つけようと、あらゆる手段を講じている。シーズンごとに若手の名前は入れ替わり、レアル・マドリーの伝説となるものもあれば、別のチームに移籍するものも出てくるかもしれない。だが、「ベイビー・ガラクティコス」という、1年のみならず10年にわたって世界を支配するためのペレス会長お気に入りの計画は、すでにしっかりとクラブに根を張っている。

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