フロリアン・ノイハウスは今シーズン彗星のように現れ、活躍している選手の一人である。彼にとってブンデスリーガ1部は今季が初の経験。それでもここまでは25試合に出場し、堂々たるプレーぶりを見せている。
地域リーグの選手からCL出場の可能性もあるクラブチームや世代別の代表でレギュラーを張るまでに至った今季。22歳の恐るべきスピードでの成長はまだ止まる様子はない。
ノイハウスは『Goal』と『SPOX』の取材に対して、常に沈着冷静でいられる才能について、トニ・クロースやケヴィン・デ・ブライネのような彼が手本としてきた選手と対戦したいという、自身の夢についても語ってくれた。
■超スピードの成長とこれから
Getty――夏にボルシアMGは新しい方針が立ちました。これがあなたにとっていい方向へ働いたようですね。
僕としては、シーズンの初めからポジティブな感触を持っていたよ。昨年以前の9位を2回連続で取ったときよりもいいチームになっていることをここで証明したかったんだ。それこそがクラブ全体で集中して取り組んでいることだし、そのためにシーズン最初から新しいフォーメーションで新しいことをやっているわけだ。
――あなたにとってだけではなく、ボルシアにとっても幸運がありました。4-4-2の布陣を諦めて新しいシステムに挑戦するところでしたから。
個人的にはもちろん、加入してすぐに4-3-3でプレーできたのはいいことだった。そのうち8つのポジションにまさに僕が対応できるからね。そのシステムは一番居心地よく感じるし、ラッキーだったね。
――新システムは多かれ少なかれあなたのために用意されたような形ですが、今シーズン初戦の先発メンバーを見て、誰もが驚きました。デニス・ザカリアもクリストフ・クラマーもいなかったのです。ご自身に驚きはありませんでしたか?
実際ちょっとはびっくりしたよ。カップ戦で1週間前にプレーしていたことも驚きの理由だね。個人的には、いい準備ができてハッピーだったし、最初からチームの皆が僕のことを信頼してくれているのは分かっていた。(SDの)マックス・エベールやディーター・ヘッキング監督ともたくさん話をしたし、デュッセルドルフにいたときからメンバーの何人かにはすでにコンタクトを取っていたしね。だから完全に新入りという感じではなかった。監督は決断についてあまり僕に話してくれなかったけれど、スタメンとして僕の名前を呼んだんだ。
――あなたがスタメンでプレーしていても、もう誰も驚きませんし、相手チームのリアクションも驚きではなくなりました。今シーズンは10ゴール以上に直接関わっており、ドイツ代表への招集も近いと、多くの人が噂しています。
いや、まだまだ代表には遠いと思っているよ。ボルシアでの活動と、今夏のU21ヨーロッパ大会に集中している。それらに集中しているし、いいパフォーマンスを出していればどんなことでも結果は後からついてくると思う。
――とはおっしゃいますが、常にあなたは大きな飛躍をしてきています。2年半前あなたはバイエルン州の地域リーグに所属する1860ミュンヘンのBチームにいました。しかし今やあなたはCL出場候補にもなるチームのレギュラーです。あなたの成長速度はまさに『超スピード』なのです。あなたはこれからもそのような猛スピードで成長を続けるのでしょうか?
友人と家でそういう話をすると、ブンデスリーガで成功することがどれほどすごいことなのか、何度も知らされるんだ。ここまで本当にすごいスピードで来ることができたし、ここまで来ることができて誇りに思っている。けれど、人はどんどん成長したくなるものなんだ。何かを達成したら、もう次のゴールが見えているんだよ。
――あなたにとって、次のゴールとは…?
例えば、ドイツのフル代表に入ることかな。さっきも言ったようにそれは長い道のりだけど、僕の夢でもあるんだ。あとは、いつかタイトルを取りたい。それに僕個人としては、もっと高みを目指したい。けど今はボルシアMBにいられて幸せだし、ここでのプランもいくつかある。
■ミュンヘンを離れる決断
Getty――あなたがブンデスリーガの選手になる夢を叶えるまでは、常に困難がつきものでした。10歳の時に1860ミュンヘンに加入した際には、「全てをうまくやるのは簡単ではない」と語っていました。当時の日常生活について教えてください。
僕と両親にとって、サッカーと同時にきちんとした教育を受けることも重要だった。けどもちろん僕はサッカーだけをやっていたかったよ。ユース時代の最後の方は、朝7時にランツベルクからミュンヘンに電車で出かけて、夜10時に家に戻っていたよ。ほとんど一日中働いているみたいなものだったけどいい経験になったし、今振り返ればやってよかったと思っているよ。教育の方は時間がかかってしまったけどね。
――その頃はあなたのプロデビューの時期とほぼ重なります。監督のコスタ・ルニャイッチは2016年のライオンズ(1860ミュンヘンの愛称)を支える原動力でしたが、あなたのことを「クールガイで、気楽で、生意気で、ダイナミックだ」と評しています。あなたは今でもまだクールガイですか?
(笑)。そう言われるのは実は初めてではないんだ。他の人が僕のことをそう言うのはOKだけど、自分では言わないかな。
――それから「気楽さ」に関してはどうですか?
それは今もそのままだね。
――プロ最初のシーズンのいい時期はその後終わってしまって、最後に残念な出来事が起こってしまいました。1860ミュンヘンでの最後の試合で、クラブは降格してしまいました。クラブから離れる必要は必ずしもなかったかもしれませんが、必要だったとも思います。
(入れ替え戦で)レーゲンスブルクに負けてクラブが降格してしまったのは本当に辛い思い出だね。本当に降格するとは誰も思っていなかった。それが現実になってしまって、事実を受け入れるのに1、2週間かかってしまった。けれどそれがプロサッカー選手としていい経験になったと思っている。一つの挑戦は終わってしまったけど、新しいチャンスが開かれたんだ。個人的には悪い状況の中でもいいチャンスを得られたよ。
――場所を変えることはどれほど重要だったのでしょうか? その移籍によって初めてミュンヘンから離れ、家族と離れて暮らすことになりましたが。
(ボルシアMGから)デュッセルドルフにレンタル移籍したのは正しい選択だった。1860ミュンヘンが降格したあとでもブンデスリーガ2部でレギュラーや途中出場でプレーすることができたからね。昇格できてこのシーズンは最高だった。振り返ってみると、全員がすべてのことに正しく立ち向かえていたよ。
――デュッセルドルフがチームとして成長して昇格もしたことで、少し長くチームに残りたいという気持ちはどれほどあったのでしょうか?
僕の中では最初から答えは明確だった。1年でボルシアMGに戻ると決めていたんだ。
――なぜそこまで明確だったのでしょう? デュッセルドルフではあなたはレギュラーでした。ボルシアMGに戻れば必ずしもそうは行かなかったかもしれません。
エベールとヘッキングが早い段階から、僕にボルシアMGに戻ってくるように計画していたんだ。それに僕もボルシアMGでプレーしたかった。
――フォルトゥナはあと一年レンタル期間を延長できるよう手を尽くしていました。それはフリートヘルム・フンケルの思惑とも関係があります。彼はあなたのことを語るときは声を張り上げて話しておられて、「昇格の立役者」だったと評価していました。彼とはどんな関係性を築いておられますか?
フンケルとコーチのピーター・ヘルマンは僕のフォルトゥナ移籍を決めた人たちなんだ。最初から親密な関係だったし、今でも彼らのようなコーチを持てて感謝しているよ。
――3月30日には、フンケル率いる前所属のチームメイトとの2回目の戦いが待っています(※前半戦での対戦はボルシアMGがホームで3-0と完勝)。前のホームグラウンドに戻りますよね。あなたにとって特別なゲームになると思いますか?
もちろん試合を楽しみにしているよ。前のチームの選手とは何人か連絡を取り続けているし、デュッセルドルフでまたプレーできるから、重要なゲームになると思うよ。
■憧れの選手たち
Getty Images――アイウトンの2004年のユニフォームは役に立っていますか? 彼の背番号はあなたと同じですよね。32番を背負っていることがあなたとの共通項ですが、彼のユニフォームをあなたが持っていると聞きました。なぜそれを持っているのでしょう?
(笑)。僕のおじさんがくれたんだ。彼は(アイウトンがかつて所属した)ヴェルダー・ブレーメンのサポーターなんだ。それがどういう効果があるかはわからないけど、おじさんが2004年の優勝時のユニフォームを僕にくれたんだよ。
――サッカー選手としてのお手本となる選手は、アイウトン以外の誰かということになるでしょうか?
トニ・クロースかな。
――それはなぜでしょうか?
彼のプレーを見ていると、彼が状況をいつも支配しているような印象を受けると思う。困難な状況も打開できるし、それに彼はパス精度やピッチでの存在感でチームメイトを鼓舞することができる。
――メスト・エジルのポスターを子供部屋に飾っていたのはなぜですか?
当時のヴェルダー・ブレーメンの選手だったからさ。壁にはヴェルダーのプレイメーカーがいつも飾ってあったんだ。ジョアン・ミクーから始まって、ジエゴ、そしてエジルまでね。当時、ブレーメンにあんなにクリエイティブなプレイヤーがいるなんて、と本当に僕はワクワクしたんだ。そのあとにはケヴィン・デ・ブライネもいた。本当に面白いことだね。
――来年にはチャンピオンズリーグでクロースやデ・ブライネと対戦することになるかもしれません。そうなるといいですよね。
それは夢のようだね。けど、そこにたどり着くまでには何試合か残っている。
インタビュー・文=ヨナス・リュッテン/Jonas Rütten
構成=Goal編集部
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