ビジャレアルのウナイ・エメリ監督が、同チームMF久保建英について思っていることを惜しみなく告白している。
レアル・マドリーからの鳴り物入りでビジャレアルに加入した久保だが、エメリ監督はここまで戦ったラ・リーガ5試合で一度もスタメンとして起用せず。日本代表MFの途中出場からのプレー時間は合計55分と、1試合平均11分しか、その実力を発揮することを許していない。
こうした状況には所属元のレアル・マドリーも当惑しているとされるが、エメリ監督の頭には久保を真のトップレベルの選手に磨き上げるプランがあるようだ。スペイン『メディテラネオ』紙とのインタビューに応じた同指揮官は、久保の扱い方について問われ、こう返答している。
「まず、話をするべきはチームについてだ。その後に個人面が存在する。私は彼と会話を交わしているし、彼の成熟ぶりやポジティブな人柄だって理解しているよ。日本で、彼は開花期のスターとして扱われており、外部からは本当に溺愛されている。それはなぜか? 彼がトップレベルのステータスを獲得できる初の日本人になれるからだ。しかし内部では彼を導き、チームのために働かせる必要がある。まあ、彼は素晴らしいプロフェッショナルだよ。休みの日も一人で練習に励んでいるし、私たちは各練習・試合で彼個人のための映像を作成して見せている。私が『この選手がいればチャンピオンズリーグに行ける』と言ったことは一度たりともない。チャンピオンズにはチームとともに行くものだ」
エメリ監督は、久保をビジャレアルに誘った一番の人物とされている。が、同選手が真価を発揮できる右サイドで起用する回数は極めて少ない。
「私が彼との会話の中で語ったのは、右サイドではより大きな競争があり、そのために10番(トップ下)や11番(左サイドハーフ)でプレーもするということだった。違うポジションでのプレーではまだ欠けていることもあるが、しかし彼の仕事に取り組む姿勢は素晴らしく、とても素晴らしい選手になるだろう。その後にあるのが、私たちが求める競争のレベルを彼が獲得するということだ。彼は成熟した選手だが、一歩ずつ進まなくてはならない。外部が彼を助けないないならば、私たちが内部からそうするということだ」
久保が右サイドでその力を発揮できる理由は、次のように説明している。
「彼の利き足は左足で、いつもそちらの足でボールを扱う。そちらからは内へ切れ込め、快適にプレーすることができるんだよ。10番でも少し右に流れて内に向かうという形から、同じようにプレーができるが、しかし左サイドでは逆のプレーが必要なってしまう。それでも彼は(左サイドで)プレーできるはずだ。賢い選手だし、これから進歩を果たしていくはずだが、やはり時間が必要となる。現状では、彼は左サイドや中央より右サイドの方が結果を出せる。あとフィジカルのデータも素晴らしく、トップレベルの選手になれるすべてを持っているよ」
久保がトップレベルの選手の誰と似ているかを問われると、バレンシア指揮官時代に指導した現レアル・ソシエダMFの名を挙げている。
「ダビド・シルバに似ている。私は22歳だった彼を指導したが、彼はもうすでに成熟を果たしていた。エイバル、セルタへのレンタル移籍を経験して、バレンシアに戻ってきたのだからね。シルバは左利きで、11番というより7番(右サイドハーフや右インサイドハーフ)のプレーをしていた。彼の利き足は左足で、いつもそちらでプレーしようとしていたよ」
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