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バルサ復帰のデウロフェウ、失意のユーロから見えた成功するために必要なもの

17:12 JST 2017/07/03
Gerard Deulofeu with Spain shirt
U-21スペイン代表のキャプテンを務め、ウィンガーのジェラール・デウロフェウは打ちひしがれていた。ドイツ代表に敗れた欧州選手権決勝では、本来のパフォーマンスを披露できていないように見えた。カンプ・ノウであの体たらくは許されない。

6月30日はジェラール・デウロフェウにとって最もハッピーな日になるはずだった。バルセロナがデウロフェウの買い戻しを発表し、その数時間後には、U-21スペイン代表としてラストマッチとなる、欧州選手権決勝が待ち構えていた。優勝トロフィーを掲げるためのお膳立てはされているかのように見えた。

■チームプレーの意識に欠けたキャプテン

だが、物事は思い通りには運ばなかった。スペイン代表は今大会でこれまで見せてきたような素晴らしいパフォーマンスを見せることができず。同様に、デウロフェウのプレーも、統率の取れたドイツ代表を相手にあまりにも残念なものとなってしまった。そして、スペイン代表に待っていたのは8年前にA代表が成し遂げた結果とは逆のもので、優勝を逃すことになった。

ドイツ代表は、スペイン代表にスペースを与えず、マルコ・アセンシオやサウール・ニゲスといったキープレイヤーたちは本来の力を発揮することができなかった。加えて、早い段階から、デウロフェウは攻撃陣の足を引っ張っているように見えた。

キャプテンのデウロフェウは万全の状態ではないとささやかれながら、決勝にはスタメンで出場。しかし、試合中に彼が落ち着いてボールを運ぶ姿は一度も見られず、普段の爆発的な瞬発力にも欠けていた。特にドイツ代表が先制した場面でそうだったが、守備に回るべき時にその役割を果たしておらず、すぐにベンチへと引っ込められるだろうと予想されていた。

しかし、後半でもお粗末なプレーをし続けたにも関わらず、予想に反してデウロフェウはフル出場。彼が責められるべきはそれだけではない。普段の鋭さと熱意に欠けただけでなく、自分一人で突破しようとする、独りよがりなプレーが多く、キャプテンマークを巻きながらチームの和を乱していた。

だが、これらは今に始まったことではない。

■バルサで成功するために

デウロフェウは、ラ・マシア(バルセロナの育成寮)で、才能のあるティーンエイジャーとして頭角を現した。当時、非常に高く評価された生粋のドリブラーは、2012年にはペップ・グアルディオラ率いるバルセロナで、10代にしてトップチームデビューを飾った。だが、その後のルイス・エンリケ前監督や、セビージャ時代のウナイ・エメリ監督を含め、数々の監督を失望させている。エンリケ監督に至っては「必要ない」と言わんばかりに、2度に渡り同選手を他クラブへ移籍させた。

デビュー当初は、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシらに続くスターになるであろうと、非常に大きな期待をされていたデウロフェウ。バルサがヨーロピアンカップ(現在のチャンピオンズリーグ)を制覇した1992年以降に生まれた選手では、初のラ・マシア出身でデビューを飾った選手であり、誰もがデウロフェウは何か特別なものを持っていると確信していた。

カタルーニャの地では、成功よりも失望や失敗という言葉がついて回るデウロフェウであるが、まだバルセロナで成功するチャンスは残されている。そのためには、デウロフェウは自身の意識を改める必要がある。ここ数年、最も良い時期にあるバルセロナだが、それも素晴らしい選手たちが集結し、メッシ、ネイマールや、ルイス・スアレスのような選手も含めて、選手全員がクラブの哲学に適応したおかげである。

同様に、今夏から指揮を執るエルネスト・バルベルデ新監督も、チームプレーで選手たちから最大限の力を引き出すことで定評がある。デウロフェウが意識を改め、成長の兆しを見せれば、その素晴らしい監督の下でプレーの機会を得られることだろう。

■スペイン代表の敗因は…

今大会はサウールやダニ・セバジョスにとって自身の力を誇示する格好のショーウィンドウとなったが、ことU-21スペイン代表にとっては不名誉な結果となった。決勝まで順調に駒を進め、勝てるはずだったにも関わらず、最後の最後で準優勝に終わってしまった。だが重要なのは、デウロフェウも含め、彼らが今後のために教訓を得たということだ。

U-21スペインのアルベルト・セラーデス監督は、デウロフェウをウィンガーでピッチに残す決断をしたが、その結果、チームは優勝を逃した。デウロフェウの状態がどの程度にあったのか、それは監督と本人にしかわからない。だが、負けた責任は両者にある。監督は勇気を持って、自分よがりのキャプテンを下げるべきだったし、デウロフェウもまた、100%の状態でないことを打ち明けるべきだった。

試合終了のホイッスルが鳴った時、23歳のデウロフェウはシャツで顔を隠し、地面を見つめていた。もっと上手くやるべきだった。もしくはもっと自分に正直であるべきだったと分かっていたのかもしれない。バルセロナでは、自分のことよりもチームを優先することを学ばなければならない。

文=ベン・ヘイワード/Ben Hayward

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