2017-11-11-halil(C)Getty Images

ハリル、ブラジルに完敗も後半の出来を強調「かなり満足のいくものだった」

日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、完敗に終わったブラジル戦をどのように捉えているのだろうか。試合後の記者会見では満足感を示す姿も見せた。

日本は10日、ブラジルと親善試合で対戦。開始早々にPKで先制点を奪われると、前半で3点を許した。後半、勢いをやや失ったブラジルから1点を奪取するも、1-3で敗れている。ハリルホジッチ監督は「私のコメントには二面性がある」と話し、前半と後半で全く異なる試合になったことを強調した。

「前半、どういうことが選手たちの頭に起こったのか。ビデオ判定でPKになって、それで少しチームのバランスが崩れた。以前からも言っているが、現時点での世界一のチームに対して不安定な状態になったところでボールを与えてしまった。相手は、しっかりその状況を利用してゴールに結びつけた」

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「後半に入ってからは、全く違うゲームになった。ハーフタイムにメンタルと戦術でいくつかの修正を行った。選手には『1点目が決まれば2点目、3点目も狙える』と言った。2点目はオフサイドの判定だった。素晴らしいプレーからの浅野(拓磨)のシュートが決まらない場面もあった。後半はかなり満足のいくものだった。しかし改善点もたくさん見られた。このような試合から、多くの改善すべき結論が出せる。前半が残念だった。もっともっとできたと思う」

普段はパフォーマンスが良くなければ、怒りも見せるハリルホジッチ。しかし、今回はそういった指揮官の負けず嫌いが表に出るところは見られなかった。記者陣からその点に関して質問が飛ぶと、ハリルホジッチは現実的な姿勢も必要と話す。

「世界一のチームと対戦しても、やはり敗戦は嫌いだが、現実的に考えることも必要だ。試合前から世界一と対戦すると言ってきた。そのチームに対して後半のような戦い方ができたことは、ある程度は満足できる。我々のチームの形、プレーの実行に良いものがあったが、それを得点という形につなげられなかった。場合によっては個人のプレーで決めることも必要かもしれない。もちろんうれしくはない。がっかりしたとまでは言わないが、選手たちのメンタルで満足していない。少し未熟なところも出たかもしれない。前半と後半は分けて考えている。ボールポゼッションやパス回しのところで、後半は同等かそれ以上の戦いができた。ただ、後半に3〜4回ボールを奪ったあと、ボールを動かしてフィニッシュまでいけた場面があったが、そこで焦ってしまうシーンがあった」

「次回このような試合をする機会が訪れれば、今日の経験があるのでより冷静にできるかもしれない。後半には満足している。7カ月後のワールドカップに向けて、これからも成長し続けていかなければならない。その頃には、より高いレベルで戦えるようにしていきたい」

後半のパフォーマンスを評価するハリルだが、ブラジルが意図的に勢いを弱めたことも否めない。それでも指揮官は、日本代表の出来に胸を張る。

「ブラジルが世界一のプレーを見せなかったのは、日本がいいプレーをしたからだ。選手たちのパフォーマンスも、しっかり評価してあげないといけない。ポジションにもしっかりと入っていたし、前からもプレッシャーをかけていた。少し低いところでブロックを作ったとしても、そこからプレッシャーをかけていた。奪ったあとにもう少し冷静にプレーして、もう少し運があれば、より良い形ができて決定機ができたと思う。デュエルでも、より相手に近いところでプレーをしていた。ゲームの読み、予測、そういったところでも良くなっていたので、パフォーマンスが後半に良くなった」

「もちろん今日の試合は敗戦だから喜ぶべきではない。しかし、後半は良かったと選手に話すことができた。前半からはしっかり教訓を得て、こういうことを繰り返さないこと。このような試合から学んで進化しないといけない。現実的に考えて、ブラジルは別格であることも認めないといけない。ブラジルもブロックを作って、しっかり戻って、プレッシングをするというこれまで見たことのないような守備をしている。このようなブラジル代表は、歴史的にも見たことがない。つまり良かったところと、あまり良くなかったところ、2つの要素がある試合だった」

世界との差――。厳しい現実を突きつけられた日本。成功の最低ラインとされるワールドカップベスト16は達成できるのだろうか。ハリルホジッチは「これから7カ月準備をする期間がある」と話し、前回大会アルジェリア代表を率いて成し遂げたことの再現を誓った。

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