2018-02-16-kobe-hirofumiwatanabe©高村美沙

“チーム第一”を掲げる最終ラインの要…渡部博文が目指す守備の方向性とは?【J1注目選手:ヴィッセル神戸編】

■「チーム第一」を掲げる最終ラインの要

昨年、ベガルタ仙台より完全移籍で加入し、センターバックとして明治安田生命J1リーグの開幕戦から先発のピッチに立ったDF渡部博文。以降、1試合をのぞく33試合でフル出場。本人も自信を持つ対人の強さや高さを生かした空中戦での対応や、メンタル面で存在感を放ち、チームメイトはもちろん、吉田孝行監督からも大きな信頼をつかんだ。

事実、同監督はシーズン開幕にあたり、渡部について「常にチームのことを考えて、発言、行動ができる選手」として期待を寄せ、副キャプテンに指名している。

「1年を通した戦いでは、いい時も悪い時もありますし、それは個人でみても同じことが言えますが、特に良くない状態の時に、チームのことを考えて発言できる選手がどれだけいるか、でチームは大きく変わってくる。昨年を振り返ると、どうしても負けている時に下を向いてしまう選手が多かったのですが、ナベ(渡部)あたりは、そういう波がなく常にチームのことを第一に考えて発言、行動してくれた選手の一人だと思っています(吉田監督)」

その「チームのことを第一に考えた発言、行動」は渡部自身が、プロサッカー選手としてのキャリアを築き上げてきた中で大切にしてきたことの1つだ。それがなければ、チームとしての結果も、ひいては個人としての結果も残せないと考えるからだ。渡部は言う。

「やっぱり『結果』を出すためには、まずチームのことを考えてプレーできる選手が増えていかなければいけない。その数が多いほど、真の『チーム力』が備わっていくはずですしね。もちろん、僕を含めてサッカー選手って個人としての評価も大事だし、結果を残したいという気持ちはあって当然です。でも、チーム力がなければ結局、個も活きないというか。事実、最初に『個』を主張して、個人プレーに走る選手はチームにも馴染めないし、結果も出せない。だからこそまずは全員がチームのことを考えた上で、個を出していくというスタンスを意識して戦っていくことが僕は大事だと思っています」

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■渡部が目指す守備の方向性

そんな彼がヴィッセル神戸での2シーズン目となる今季、より磨きをかけたいと考えているのが、ディフェンスリーダーとしての統率力だ。

「年齢が上になっていくと、キャプテンなどの肩書きに関係なく、試合中に守備の方向性を決める役割を担わなければいけないというか。例えば、今は前に出て行くべきなのか、下がってブロックを組むべきなのかということもそうですしね。でも昨年はその部分で連携がうまくとれない試合がいくつかあって。前線の選手は点を取りにいこうとするけど、守備陣は取られたくないから下がってしまう、ということが起きていた」

昨年はそれがうまくいかずチームとしての連携に綻びが出てしまったという反省も踏まえ、試合の中での細やかな指示、守備のコントロールに意欲を示す。

「それをなくしていかないとコンスタントな結果は望めないですから。今年は例えば試合中に、『今は我慢の時だからしっかりブロックを組もう』とか『この雰囲気だと相手は前からくるだろうから、簡単に蹴って耐えよう』といった守備の方向性をより的確に自分たちでコントロールできるようになりたいと思っています」

「それに今年は新たに那須(大亮)さんや(チョン)ウヨン、タマ(三田啓貴)ら自分から発言、発信していける選手も増えましたから。個々が感じたことをその都度、しっかりと言葉にして、チームとしての考え方を揃えて戦っていければよりチームとしてまとまった戦いができるはずだし、90分を通してそういった駆け引きができるようになったらもっとサッカーが面白くなるし、守備を楽しめるようになるんじゃないかと思っています」

そんな風にパワーアップを目指す渡部がチームの結果、タイトルとともに個人的な目標に掲げるのが「Jリーグベストイレブン」入りだ。一昨年の仙台、そして昨年はいずれもJ1リーグで33試合にフル出場し、存在感を残してきた渡部だが、過去には一度もその栄誉に輝いていない。それでも「欲を出さない」という意識のもと、チームプレーに徹する構えだ。

「ディフェンダーとして磨きたいプレーはまだまだたくさんありますが、その一方で欲を出さないということも意識していることの1つです。表現が難しいけれど無理に自分ができないことをしないというか。先ほど言ったチームメイトへの声掛けもそうですが、選手ってチームの中での役割があるし、それ以上のことをやろうとしても逆にプレーに悪影響が出てしまいますからね」

「極端な話、僕がネイマールやメッシのようなプレーを求めたら、当然、僕もチームも壊れてしまう(笑)。だからこそ欲をかかずに、まずは自分がやるべきことをより精度高くやれる選手になりたい。足元のコントロールひとつとっても、パスをつける時に相手の利き足に応じて右につけるのか、左につけるのか、とかね。そういうディフェンダーとして必要な細かな技術を磨きながらパワーアップを図りたいと思っています」

今年も引き続き年間を通したコンスタントな活躍を描きながら、自身のさらなるパワーアップを胸に誓う。

写真・文=高村美砂

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