Hudson-Odoi Hazard RobbenGetty/Goal

チェルシーと契約更新。ロッベンではなくアザールの後継となることを選んだハドソン=オドイ

まだ18歳のカラム・ハドソン=オドイが、優秀なウィングを探していたバイエルン・ミュンヘンの誘いを断り、ついに週18万ポンド(約2400万円)でチェルシーと新契約を結んだ。

今となっては、ハドソン=オドイは偉大な選手になることが運命づけられた、典型的な天才だとみなされるのは当然かもしれない。しかしわずか1年半前、彼のトップチームでブレイクする望みは、かなえられそうにもなかったことは知られざる事実だ。

■トップチームへの道は険しい…

以下に続く
Conor Gallagher, Callum Hudson-Odoi, Marc Guehi, ChelseaGetty composite

もちろん、ハドソン=オドイは各年代で輝かしい成績を収めており、その優れた才能にヨーロッパ中のスカウトが目をつけていた。しかし、それでもチェルシーのトップチームで若手が活躍することは難しいと誰もが理解する。それをよくわかっているため、チェルシーのアカデミー卒業生たちの士気も上がることはない。トップチームでのチャンスは手が届かないものだとすら感じていたからだ。

たとえば、GKのマルシン・ブルカは2018年夏のプレシーズンでは、マウリツィオ・サッリ前監督のもとで期待にあふれて輝いていたが、チェルシーとの契約は更新せず、パリ・サンジェルマンに加入するほうがよいと判断したのである。

ハドソン=オドイもそうするつもりだったのかもしれない。

ブルカと同じくハドソン=オドイも2018-19シーズン開幕前、一連の親善試合において活躍し、チェルシーの熱烈なサポーターたちを大いに興奮させていた。

その時点ですでにクラブから5年契約が提示されていた。多額の報酬が約束されたのみならず、将来への希望は果てしなかった。

だが、ハドソン=オドイは契約書にサインしなかった。ベテランのスター選手たちを重用することで有名なサッリ前監督の下では、プレミアリーグに出場できたとしても、そう多くのチャンスを与えられないのではないかという疑念があったためだ。

■多数のビッグクラブが触手を伸ばす

Callum Hudson-Odoi Chelsea Bayern

契約更新を先延ばしにしたことは、また新たな状況へと導いた。

レアル・マドリー、バルセロナ、ユヴェントス、ボルシア・ドルトムントといったビッグクラブクラブがこの事態を注視し始めたのである。

しかし、実際に動いたのはバイエルン・ミュンヘンだった。1月の移籍市場が開く前からハドソン=オドイに興味があることを公言し、計4度もオファーを出した。最終的に提示された金額は3500万ポンド(約47億円)だった。

ハドソン=オドイは、クラブの取締役であるマリーナ・グラノフスカヤに直接、移籍の希望を伝えたが、これは即座に却下。だが、2020年に契約が満了すれば、この若きスターをタダで失う危険がチェルシーにはあった。彼が他のクラブと話ができる身分になる前に、新しい契約を結ぶための余裕は1年しかなかったのである。

サッリ前監督は、後半途中からハドソン=オドイを起用することが多く、このリスクが助長されていたことは確かだ。その裏で、バイエルンの興味は募るばかりであった。

■チェルシーを選んだその未来は…

チェルシーでの出場時間とは反比例するように、ハドソン=オドイの評価は高まる一方。クラブでレギュラーを確保する前に、イングランド代表で先発起用されたことからもわかるとおりだ。

サッリ前監督もようやくハドソン=オドイを戦力として数え始める。だが、4試合連続でスターティングメンバ―になったとき、ハドソン=オドイはアキレス腱を痛めてしまう。

Callum Hudson-Odoi Chelsea PSGetty/Goal

それでも、バイエルンは変わらずハドソン=オドイを欲しがった。高額なサラリーだけでなく、アリエン・ロッベンがつけていた背番号10を約束したという(現在はフィリペ・コウチーニョがつけている)。

また、事態はさらに深刻となる。マンチェスター・ユナイテッドもハドソン=オドイ獲得に名乗りをあげたのだ。有望なアカデミー出身の選手が、プレミアリーグのライバルチームに加入するかもしれないという、まったく耐えがたい悪夢に放りこまれたのである。

しかし、ターニングポイントとなったのがフランク・ランパード監督の就任である。レジェンドでもあるランパードは若い選手たちに大きな信頼を置いた。昨季ダービーでともに戦ったメイソン・マウントはその代表例である。

さらに重要なことに、ランパード監督は以前ブルーズのアカデミーのボスだったジョディー・モリスを、裏方のひとりとしてスタンフォード・ブリッジに呼び戻したのだ。

Callum Hudson-Odoi Eden Hazard Chelsea composite

この2人は、スター選手のエデン・アザールがレアル・マドリーに移籍したからというだけでなく、ハドソン=オドイが自分たちのプランにおいて主役になると考えていた。このことを本人が喜ばないはずがない。やっと、自分をスターティングメンバ―にふさわしいと思ってくれる監督と巡りあったのだから。

この結果、ハドソン=オドイはチェルシーに自分の将来を託すことに決め、およそ4700万ポンド(約64億円)の5年契約を結んだのだった。トップチームでたった28試合しか出場していない選手との契約としては破格の額である。

しかしながらブルーズは、クラブが投資した時間と尽力とカネに見合う活躍をオドイがすると信じている。バイエルンに行けば、ハドソン=オドイはロッベンの後継者となっただろう。だが、彼はチェルシーでアザールの後継者となることを選んだ。

文=ニザール・キンセラ/Nizaar Kinsella

▶プレミアリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【関連記事】
DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZNが「テレビで見れない」は嘘!6つの視聴方法とは?
DAZNの2019年用・最新取扱説明書→こちらへ ┃料金体系→こちらへ ※
【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説 ※
【最新】Jリーグの試合日程・放送予定一覧/2019シーズン
Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

Goal-live-scores
広告