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セードルフ以上の熱狂と話題性…大歓迎された本田圭佑、ボタフォゴ加入のインパクトとは?

フィテッセ退団からブラジルのボタフォゴに新天地を求めた元日本代表MF本田圭佑。ニウトン・サントス、ガリンシャ、ジャイルジーニョといったセレソンのレジェンドがプレーしたクラブのサポーターは、昨季ブラジルリーグ15位と苦しんだチームを浮上させる活躍を期待し、南米の地に降り立った本田を大歓迎した。果たして、本田の加入でクラブはどのような影響を受けるのだろうか。南米のフットボールに精通するマイケル・エドワーズ記者が加入のインパクトを語る。

■熱狂のボタフォゴサポーター

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大阪からリオデジャネイロへ。本田圭佑の旅路は長いものだった。33歳のミッドフィールダーは、日本、オランダ、ロシア、イタリア、メキシコ、オーストラリア各国のトップレベルでプレーし、ブラジルの眠れる巨人ボタフォゴに力を貸すべく、今度は南米の地に降り立った。ボタフォゴは、偉大なブラジルのレジェンドであるガリンシャのサッカー発祥の地のクラブだが、今は手強い隣人フラメンゴの影に隠れてしまっている。
 
リオに到着した本田への反応は、控えめに言っても熱狂的そのものだった。 3度のワールドカップ出場、日本代表98キャップ、37ゴールの記録を持つベテランは、ボタフォゴのファンを狂気に駆り立て、街とブラジル全体が興奮に包まれた。

「こんにちは、本田圭佑です。ボタフォゴでプレーすることにしました。リオデジャネイロでお会いしましょう」

ミランで10番を背負ったスターは金曜日、自身のTwitterアカウントにおいてポルトガル語でこう発表した。任天堂の大ヒット商品ゲームボーイとポケットモンスターのイメージを借りたビデオはソーシャルメディアでセンセーショナルな話題となり、滅多にない移籍話は現地で高い関心を集めた。これほどの騒動となった最後の海外選手といえば、クラレンス・セードルフだ。輝かしいトロフィーを積んだキャリアの最終盤、彼はボタフォゴで2シーズン過ごした。だが本田は、話題性という点においてオランダのレジェンドをも凌ぐかもしれない。

■市場効果だけでなく…

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アジアの巨大フットボールマーケットは、ヨーロッパのトップクラブにとって近年重要なターゲットとなっている。それは南米でも長らく注目されていたものだ。2000年台初頭、インターコンチネンタルカップでのボカ・ジュニアーズは日本でカルトファンを獲得し、2001年には高原直泰と契約。当時まだ若かった高原は、その穏和なパーソナリティと絶やすことのない笑顔でもってファンに愛されたが、それはあくまでピッチ外でのことだった。レンタル移籍でやってきた彼の挑戦はわずか7度のプレーに終わっている。その後、プレーの場をブンデスリーガに移すと、ハンブルガーSVとアイントラハト・フランクフルトでその力を開花させた。
 
ブラジルでは2012年、コリンチャンスが中国での知名度を高めるべく、チェン・ジチャオを獲得するという前例のない動きを見せた。チェンは豪華なプレゼンテーションで、踊るドラゴンと騒々しいパーカッショニストで迎えられたものの、北京国安に戻るまで過ごした2シーズンで出場はわずか5回。インパクトを残すことはできなかった。

だが本田には彼らとは違う結果が期待されている。彼との契約に伴う大騒ぎは、高原やチェンの移籍を連想させる。本田の名前が記載された最初のシャツは、移籍が伝えられてからわずか2日で売り切れ。ボタフォゴは翌月曜日に、クラブ会員への登録申請が週末に400%増加したことを明らかにした。金曜日の本田のブラジル到着の準備は早々にスタートし、全会員は、その翌日の彼の公式会見がさらに壮大なイベントになることを示唆していた。海外出身の選手で、果たして何人が自分のためのサンバの歌を自慢できるだろうか。

「この波に乗ろう/クラブに感謝しよう/フェイジョアーダ(ブラジル料理)と寿司のミックス/カシャッサ(ブラジルの国民酒)と日本酒/ケイスケは? 我々のもとに加わった新たなスターだ」

■本当の意味での活気を

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この大胆な移籍が、望ましい結果をもたらすかどうか未知数だ。本田の最も熱狂的なサポーターでさえ、元日本エースのプレーキャリアが終盤に差しかかっていることを認めなければならないだろう。彼の最後の所属先はオランダのフィテッセで、契約を撤回した2019年終盤まで、たった4ゲームしか出場できなかった。実際の本田は、ピッチでのわずかなプレー、カンボジア代表チームの監督業、世界中で運営するサッカースクールなど、経営活動にも精を出している。実際、ボタフォゴに参加するために準備を進めていたのと同じ週、本田は東京の地域リーグに『One Tokyo』の設立を発表した。

「昨日、空港で大歓迎を受けたことは本当に嬉しかった。ボタフォゴでプレーすることは僕の人生で最も重要な挑戦となる。皆さんからの愛情に恩返ししたい」

現地時間の8日、入団会見でそう語った本田。確かに、ボタフォゴは今回の取引でお買い得品としては、まずまずの成果を得るだけにとどまるかもしれない。ただし、本田がその言葉通り、日本のレジェンドたらしめたその才能を示すことができれば、熱狂は土曜日の歓迎時以降も続き、リオのクラブに本当の意味での活気をもたらすはずだ。

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