エベル・バネガはセビージャで最も愛されている選手の一人だ。
バネガはすでにアンダルシアで5シーズンを過ごす。在籍期間中には、2度のヨーロッパリーグ制覇を経験した。ファンのお気に入りである10番だが、バネガ自身もセビージャでの日々を楽しんでいるようだ。ディエゴ・アルマンド・マラドーナと同じリズムで自分のチャントが鳴り響くラモン・サンチェス・ピスファンで最高のフットボールを見せている。
ベティスとのダービー戦で見られたように、バネガはフィールドとロッカールームのリーダーであり、ジュレン・ロペテギ監督にとって疑う余地のない選手だ。『Goal』の独占インタビューでは、ローマから復帰したモンチSDが作り上げた新生セビージャ、そして自らの将来について語ってくれた。
■モンチ復帰の意義
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――ベティスとのダービーでは負傷退場となりましたが、調子はいかがですか？
チームは数日の休息を取ったところだけど、十分良くなったよ。強く打った足首を回復させる必要があったんだ。
――いつものようにダービーは熱戦となりましたが、敵地で勝利を得ることができました。このような重要な試合で勝利を挙げることが必要だったのではないでしょうか？
僕はすべての試合が重要だと思っているけど、チームはダービーが特別な試合であることを理解しているよ。ダービーでプレーするのは僕らだけではなく街とファン全体の戦いになる。勝たなくてはいけない試合でいい結果を手にできたね。
――6月に事故で亡くなったホセ・アントニオ・レジェスに勝利を捧げることができました。
そうだね。セビージャで成功を収めたレジェス、そしてアントニオ・プエルタにも勝利を届けることができたよ。ホセ（レジェス）に起きたことには本当に言葉もない…僕は一緒にプレーもした。ここ数試合はチームも点が取れていたし、彼に勝利を捧げることができてよかったね。
――クラブは試合前にこれまでのダービー戦の映像を見せたようですね。モンチからはどんな話があったのでしょうか？
今シーズンは新加入の選手が多いからね。とてもエキサイティングな時間だったよ。試合ではみんな初めてのダービーであることを感じさせなかったし、魂と命をかけてプレーしていたね。
――モンチについてですが、クラブに復帰したことはどれほど重要だといえるのでしょうか？
モンチが戻ってきたとき、これまでの貢献を考えたらあなたの復帰はクラブにとって重要だと本人に直接伝えたよ。成功を収めた人間が退団後に復帰するのは常にとても重要なことだと思う。僕らにとってモンチの存在は非常に大きいよ。
――ルーカス・オカンポス、フェルナンド、ディエゴ・カルロスといった選手を獲得するなど、モンチは早速手腕を発揮していますね？ そんな状況で、とても強固なグループが形成されたように見えます。
退団と加入は毎年あるし、スカッドを作り上げるのは難しいことだよ。新しい選手がそんなにいなかったのに突然5、6人が加入したし、今年は難しいと思った。でも実際のところ、どの新加入選手もとても素晴らしいレベルだし、チームを助けているよ。パフォーマンスを見ればわかるよね。
■理想の場所で大きな目標
Tomás Quifes――セビージャはあなたと家族にとって理想の地でしょうか？
本当にセビージャはヨーロッパで一番居心地がいい場所だよ。フィールドでもそう感じるし、僕らの日々の生活でもね。だから特に楽しめているよ。
――ロペテギのもとでここまでは3位につけており、素晴らしい成績を残しています。あなたが素晴らしい関係を築いたウナイ・エメリと比較され始めていますね。
2人は違う監督だよ。どちらも独自のスタイルを持っていて非常にいい仕事をする。それが大切さ。チームに結果をもたらすし、どちらも素晴らしい人物だね。
――セビージャの目標は何でしょうか？
いつもと同じように、ヨーロッパの大会に参加できる順位に入ること、すべての大会で上位に入ること、ヨーロッパの舞台で相手を苦しめることかな。ヨーロッパリーグに参加するチームなら、セビージャがプレッシャーを与える存在であることは知っているだろうね。
――あなたは2015年と2016年にヨーロッパリーグの優勝を経験しましたね。キャリアで最高の瞬間だったのではないでしょうか？
優勝したときのことを思い出すのはいつだって美しいものだね。でも、僕は思い出に浸りながら毎年を過ごすことはできないと思っている。最後に優勝するのはそれを最も強く願ったチームだし、いつも夢を持って試合を戦わないといけないね。
■アルゼンチン復帰の可能性は「とても低い」
Depophotos――シャビ・エルナンデスやジョゼ・モウリーニョがあなたのことをクラックと呼んでいますし、先日インタビューしたデニス・スアレスもこれまでプレーした中で最高の選手の一人にあなたを挙げていました。これについてはどう思いますか？
そんな選手たちが褒めてくれるのは素晴らしいことだね。でもその言葉に満足してはいけないし、成長し続けるだけさ。重要な年齢に差し掛かっているし、毎年自分を越えていきたいと常に思っているよ。
――セビージャではポジションが段々後方へと移ってきましたね。現代フットボールでは、フアン・ロマン・リケルメのようなトップ下タイプは絶滅してしまったのでしょうか？
そんなことはないよ。フットボールは毎年進化している。リケルメが他の選手よりも優れた特質を持っているのは明らかさ。でも、最近のフットボールでは走らない選手はプレーできないね。
――契約があと1年となりました。モンチと更新について話は始めていますか？
まだだよ。何も話していない。このクラブにいるのがとても快適で、心配はしていないし、僕は落ち着いているよ。
――昨シーズンの終盤は出場機会が減り、難しい状況でしたね。退団を考えたりはしましたか？
していないよ。困難ではあったけど、今年も続けることは明確に決めていた。とても素晴らしいプロジェクトが始動することがわかっていたし、クラブに残ることに何の迷いもなかったよ。
――今後、アルゼンチンのクラブで再びプレーすることを考えていますか？
僕は今この場所で最高さ。何年も在籍していて家族も気に入っている。娘たちはここで生まれたし、戻る可能性はとても低いよ。
――最後に、セビージャの今シーズンに期待することは何ですか？
クラブにとって何らかの重要なタイトルを取れればいいね。僕は努力を続けていきたいし、できる限りいい結果を手にしたい。
インタビュー・文＝フランシスコ・リコ／Francisco Rico
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
