■自分だけの物語
若い選手なら誰でも、かつての偉大な選手に比較されることがある。しかし、“新たなクリスティアーノ・ロナウド”と称される若手は、なかなか現れなかった。
その呼び名は、ジョアン・フェリックスの両肩に、さらなるプレッシャーを与える。今夏ベンフィカから1億2600万ユーロでアトレティコ・マドリーに加入したフェリックス。彼はまだ19歳だ。
移籍金の額や比較対象とされる選手をみれば、どんな期待を背負っているかがわかるだろう。ポルトガルサッカーにおけるもう一人のレジェンド、ジョゼ・モウリーニョはこの投資によってフェリックスは大きな責任を負うと述べている。そしてチームとしても、今年のチャンピオンズリーグ(CL)優勝争いに参戦するべきだと述べている。
そのプレッシャーは生半可なものではない。比較対象は数々の記録を達成し、フットボール史に名を刻む生けるレジェンドだ。
だが、フェリックスがその重圧に圧倒される気配など全くない。
「数人のポルトガル人選手が、かつてここでプレーしている。ポルトガルサッカーに貢献した偉大な選手たちばかりだ。自分も彼らと同じくらいか、それ以上に活躍したい」。フェリックスは語る。
「僕はできるだけ活躍したい。前向きに一生懸命練習することで、素晴らしいシーズンを過ごしてアトレティコ・マドリーのスターになりたいんだ」
「年齢がモノを言うときもあるけれど、僕はそうした状況に立ち向かえるくらい成熟していると思う。特別なクラブに所属するとはどういうことか、わかっている。みんなは、僕が19歳には見えないと言ってくれる」
「僕は、歴史を作るためにここにいるんだ」
「C・ロナウドは、僕たち皆が知っているように、本当に偉大な選手だ。彼は現在の世界最高の選手。おそらく、永遠に最高の選手として記憶されるんだろう。彼からはマドリーという都市の素晴らしさについて説明されたよ」
「でも、僕はここで自分自身の物語を紡ぎたい。ただジョアン・フェリックスとして記憶されるために。クリスティアーノはクリスティアーノで、僕はジョアン・フェリックスだ」
彼は彼自身でいることで、C・ロナウドとも違った選手になるのだ。
■王者のメンタリティー
Getty Images国籍が同じで、どちらも並外れた攻撃的選手であることを除けば、この2選手の共通点はとても少ない。だからこそ比較されることが、フェリックスにとってより一層不公平にみえる。
C・ロナウドはウィンガーとして台頭し、センターフォワードへと進化していった。一方、フェリックスはサイドでもプレーできるが、主にセカンドストライカーとしてプレーしており、センターフォワードのすぐ後ろが主戦場だ。
しかし、彼らには共通点が一つある。それは、王者になるためのメンタリティーだ。
「クリスティアーノ・ロナウドはバロンドールを5回受賞していて、これはすべての選手の夢だ。もちろん、僕はクリスティアーノみたいになりたいよ。」と、フェリックスは話題の比較についてコメントしている。発言からは強烈なハングリー精神が垣間見える。
ディエゴ・シメオネもそのメンタリティを買っている。「彼の一番良いところは、学ぼうとする姿勢だ。ああいった選手は必ずトップに上り詰めるのが早い」
すでにチームメイトにも大きな影響を与えている。主将コケは、彼をベタ褒めしている。
「彼には強いパーソナリティがある。19歳なのに、あれだけのプレッシャーを背負っているのは簡単なことではない。時間を与えないとね。2試合連続で悪いパフォーマンスをしても、彼を殺したりしてはいけないんだ」
「彼はプレーすることを楽しんでいる。才能豊かだけど、僕が一番好きなのは茶目っ気、つまりドリブルだ。ボールを持つのが好きで、要求することを恐れないんだ」
もしかすると、フェリックスが直面する最大のプレッシャーは、アントワーヌ・グリーズマンを後継することかもしれない。
物議を醸しながら退団劇により、アトレティコであまりよく思われていないグリーズマンだが、シメオネの4-4-2システムでは完璧なプレーをした。ハードワークをするだけでなく、バランスのとれた形で才能やひらめきを見せた。これができる選手はなかなかいない。
フェリックスはすべての点において、グリーズマンの最適な代役である。ベンフィカでは同じポジションで大きな活躍をした。昨シーズンは、そのポジションで14ゴールを挙げ、さらに9アシストをマークした。ゲームを読む卓越した力、パスを出す視野、決定力、そして創造性。フェリックスは、グリーズマンが見せた以上の魔法を見せる可能性が秘めている。
「まだプレシーズンだが、彼が大きな才能であることは明らかだよ」と、守護神ヤン・オブラクは語る。フェリックスはその才能を発揮しており、C・ロナウドの眼前で2ゴールを挙げ、ユヴェントスを下した試合を見れば明らかだ。
「あのような才能を持っていれば、素晴らしい選手になれるよ。ここが彼にとって最適な場所であることを確信している。ディエゴ・シメオネの下で大きく成長するだろうし、たくさんのことを学ぶだろう」
「素晴らしい才能の持ち主であることは間違いない。だからこそ、一生懸命練習を続けて、今のようなプレーを継続するんだ。そうすればワールドクラスのプレイヤーになることは間違いない」
■新たな伝説となるか
Gettyリーガ開幕節ヘタフェ戦でもハーフウェーライン付近でボールを受けると、馬力のあるドリブルでもってヘタフェの3選手の守備を無効化。アランバリを股抜きで出し抜き、つかみかかってきたファジルをいとも簡単に振りほどき、寄せてきたブルーノもかわした後にギアをトップに入れて一気にエリア内まで到達し、懸命に追いかけてきながらもどうにも止められないといった様子のブルーノに倒されたことで、アトレティコにPKをもたらした。すでにその偉大な才能の片鱗を見せている。
だが、アトレティコというクラブで1つ心配されることがある。それはシメオネという守備をまず第一に考える指揮官が、彼の才能を最大限に引き出せるか、ということだ。
“チョロ(シメオネの愛称)”はこれまで、有望なアタッカーの才能を完全に発揮させることに何度か失敗してきた。ジェルソン・マルティンスやトマ・レマルは最近の例だ。過去にはジャクソン・マルティネス、ルシアーノ・ビエット、ラウル・ヒメネス、ビトーロがいる。
フェリックスの挑戦は、そのようなアタッカーたちの一員に加わることではない。ラダメル・ファルカオ、ジエゴ・コスタ、グリーズマンのような、シメオネの下で飛躍したアタッカーの一員になることだ。そして“チョロ”が来る前の、ディエゴ・フォルラン、セルヒオ・アグエロ、フェルナンド・トーレスのような、伝説的なストライカーたちの仲間入りをすることだ。
「もし彼が謙虚で、敬意をもって人の意見を聞くことができれば、彼はアトレティコに多くを与える選手になるよ」。フォルラン自身が19歳FWについてコメントしている。
「彼には大きな未来がある」
その未来とは、必ずしも“新たなC・ロナウド”になることではない。しかし、フェリックスがそのポテンシャルを最大限に発揮できれば、C・ロナウドが打ち立てた不朽の名声に、必ず到達できる。
文=エイミー・ルスカイ/Amee Ruszkai
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です



