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ジャンルイジ・ドンナルンマ…ブッフォンから次期レジェンドに任命された “ミランのゴールを守る天才”

現在ミランに所属する18歳のジャンルイジ・ドンナルンマは、いわゆる「サッカー一家」で育ったミラニスタだ。子供の頃からずっとミラン一筋で育ち、いずれはイタリアサッカーのレジェンドとなることを宿命づけられていたのだろう。誰もが親しみをこめて「ジージョ」と呼ぶこの男を、イタリア代表におけるブッフォンの後継者として遜色ないと考える人も多い。

そんなドンナルンマが最初にサッカーを始めたチームは、地元の「クラブ・ナポリ」だった。現在ギリシャのアステラス・トリポリスでゴールを守る兄アントニオ・ドンナルンマの背中を追いかけ、彼は順調に成長を遂げた。そしてその実力が認められるまでに多くの時間は要さなかった。2013年、ドンナルンマはインテルとミランからオファーを受けたのだ。もちろんドンナルンマが選択をしたチームはミラン。これはまさに自然の出来事であっただろう。ミランの大ファンだったドンナルンマはミランのユニフォームに袖を通すことを即決したのだ。

その選択は大正解と言えるのかもしれない。彼はミランでめきめきと頭角を現し、わずか2年でU-15にあたるジョヴァニッシミのカテゴリーからU-20にあたるプリマヴェーラにまで昇格した。そして16歳8カ月でセリエAの公式戦デビューを果たし、最年少記録を打ち立てたのだ。

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当時のミランの監督シニシャ・ミハイロヴィッチは、ベテランのGKディエゴ・ロペスを差し置いて彼をレギュラーに抜擢した。ファンからはこの決断を不安視する声もあったが、ドンナルンマはプレーで自らの実力を証明しミランにとって不可欠な存在となっていった。そして、その実力が完全に認められたのはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督に代わった今シーズンに入ってからだ。昨年の8月にはイタリア代表にも初めて招集され、フランスとの親善試合でA代表デビューを果たした。試合では主将ブッフォンに代わって登場し、イタリア史上最年少代表GKとなったのだ。この瞬間は、ドンナルンマにとって、ブッフォンの後継者として名乗りを上げ、偉大なキャリアを送るであろう最初の節目となったに違いない。

ドンナルンマは並外れた敏捷性と瞬発力を持ちながら196センチと上背もある。そのためグランダーでも空中でもスーパーセーブが可能なのだ。さらにプレーの質に安定感があり、守備陣に常に安心感を与える。またPKにおける才能は世界的に見てもトップレベルと言えるだろう。同世代では他に類を見ない。それに加え、18歳という若さながらカリスマ性も併せ持っている。

次世代のレジェンドとして多くの人に認識されているドンナルンマの実力は、現レジェンドであるブッフォンからもお墨付きだ。ブッフォンは、次期レジェンドの任命ともとれるこんな言葉を彼に掛けている。

「君はもう偉大な選手の仲間入りをした。人間性を含めすべての資質を兼ね備えているし、一時代を築くことができるはずだ」

ドンナルンマが今後どういったキャリアの選択をするのかは、彼しか知らない。しかしミランのサポーターが彼の契約延長を待っていることは確かである。なぜなら、彼のサイン一つが間違いなくクラブの運命を左右するからだ。彼には今後多くのビッグクラブからオファーが来ることが予想される。子供の頃から筋金入りのミラニスタ、ドンナルンマがどのような選択をするのか注目していきたい。

文=アンドレア・ジュタリ/Andrea Giuttari

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