スルガ銀行チャンピオンシップが15日、埼玉スタジアム2002で行われた。試合は、浦和レッズが1-0でシャペコエンセ(ブラジル)に勝利を収めた。試合後、シャペコエンセのヴィニシウス・ソアレス・エウトロピオ監督が記者会見に臨んだ。
エウトロピオ監督は「決勝戦にふさわしい内容でした。両チームとも組織立って、90分間ゴールを目指しました。前半は浦和が優勢でした。そして後半に入って反撃し、拮抗してボールチャンスを作り出しました。とはいえ、通常の分析・流れであれば、このままPK戦にもつれ込むのが自然の流れだったと思います」と試合を総括する。
前半、劣勢を強いられた原因については「変則的なフォーメーションに適応するまでに時間が掛った」と、浦和の「3-4-2-1」に言及。「MFルイス・アントニオをより前がかりにして、相手の戦術を無効にしようとした」と語り、前半の終盤から、その効果が出ていたと分析した。
0-0で迎えた88分、シャペコエンセDFグローリが、自陣ペナルティエリア内で浦和FWズラタンを倒したと判定され、浦和にPKが与えられた。シャペコエンセの選手たちは試合後にも猛抗議を行っていたが、その点について聞かされると、「ゲームが終わる2分前にPKを取られると、選手の気持ちをコントロールすることは難しい。それが何を意味するかは、彼らも分かっていますので。我々はラテン気質で、どうにも抑えられないところがある。また、その少し前にFWトゥーリオ・デ・メロに対しても疑わしきファウルがあったので、選手たちは動揺した」と説明した。
試合自体は後味の悪い結末となったが、昨年飛行機事故に遭ったシャペコエンセに対する募金のほか、浦和サポーターが「Vamos nos encontrar novamente nos mundiais!!Amigos!!!(がんばれ友よ、また世界の舞台で会いましょう)」と書かれた横断幕を掲出するなど、友好ムードもあった。
エウトロピオ監督は、「日本は再建に関しては世界のお手本になっている。そして我々も同じように事故の後、チームを再建している過程にある。実際、日本に来てみて、何度災害に遭っても再建できるか理由が分かりました。やはり非常に計画立てて物事を進められる人々だ。我々を受け入れ方も素晴らしい。ゲームにまつわる全てのお祝いごとにも素晴らしいものを感じました」と、感謝の意を示した。
浦和戦を含めた今回の遠征については、「技術面では、我々は成長しているチーム。私が就任して30日だが、3日に1試合をこなす過酷なスケジュールで戦っている。戦いながらチームを作っていく能力が問われる。なので、フィジカルをいかに維持するか。今日に関してはフィジカルは良かった。ローテーションに関しても、今回の遠征で3試合したが全ての選手を起用できた」と、成果を強調。
そして最後に、「シャペコエンセの町に関しては、我々は最善をして、町の名を世界に広めたと思っています。ブラジルの人々はテレビで見ていたと思うが、選手たちは全てのことをピッチの上で出し切ったと思っています。みなさま、ありがとうございます。シャペコエンセを代表して、みなさまのおもてなしを感謝します」と、あらためて謝意を表した。
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