18日のリーガ・エスパニョーラ第1節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのヘタフェ戦に1-0で勝利した。試合後会見に出席したディエゴ・シメオネ監督は、衝撃的な3人抜きのドリブルからPKを奪取したFWジョアン・フェリックスについて、そのポテンシャルが完全には引き出されていないとの見解を示している。
まさに圧巻だった。この試合の55分、ハーフウェーライン手前でボールを持ったJ・フェリックスは、ぬるぬるとしていて、それでいて馬力のあるドリブルでもってヘタフェの3選手の守備を無効化する離れ業を披露。アランバリを股抜きで出し抜き、つかみかかってきたファジルをいとも簡単に振りほどき、寄せてきたブルーノもかわした後にギアをトップに入れて一気にエリア内まで到達し、懸命に追いかけてきながらもどうにも止められないといった様子のブルーノに倒されたことで、アトレティコにPKをもたらした。
ただし、この衝撃のプレー以外で、J・フェリックスが存在感を潜めていたのもまた事実だった。シメオネ監督は会見で、19歳のポルトガル代表FWがコンスタントに輝けなかった理由としてヘタフェの守備戦術のレベルの高さ、さらにはJ・フェリックス本人の未熟さにあると説いている。
「ジョアンにとって、ヘタフェは守備戦術において、とても見事な働きを見せるチームだった。だから前半、彼はスペースを得ることができなかたんだ。それでも個人技から、その力を示してくれたね。欠けているは、その力をもっと頻繁に示すことだ。彼は成長し続けなければならない」
シメオネ監督はその一方で、J・フェリックスが途中交代した理由について「足を痙攣したようだ」と説明。身体的にはまだ頼りなくも見える選手だが、相手チームがファウルで止めることをいとなわないような状況が生まれる可能性については、「何も心配はしていない」ことを強調している。
J・フェリックスが獲得したPKのキッカーを務めたアルバロ・モラタは、シュートをGKダビド・ソリアに止められてリードを広げることがかなわなかった。だがシメオネ監督は、先制点を決めるなどしたモラタの試合を通した活躍には満足しているようだ。
「アルバロについては、今日の試合で見せた明確性をPKでも発揮してくれることを期待している。彼はあらゆることで戦える選手で、それが相手DFを引き出すことにつながった。ゴラッソを決めただけでなく、継続的に相手にとって危険な場面を生み出してくれていた。
「PKキッカーの選択? ヘルマン(・ブルゴス助監)がキッカーの候補を提示し、私たちがそれにOKを出す。今日はアルバロだったが、通常キッカーを務めるのは(この試合では出場停止&負傷中だった)ジエゴ・コスタだ。いずれにしても、モラタにとって初めて蹴るPKではなかった」
この試合で中盤ダイヤモンドの4ー4ー2を採用したアトレティコだが、前半にはヘタフェのMFラインの手前にコケ&サウール・ニゲス、MFとDFのライン間にトマ・レマル、またはJ・フェリックスが位置して、さらにはキーラン・トリッピアー&ロディの両サイドバックがレマルらと同じ高さまで上がるポジショナルな攻撃でもって決定機を構築しようと試みた。
「私たちは前半に重要なパフォーマンスを見せた。自分たちにとって都合の良い状況に持っていき、ロディよりもトリッピアーの方で深みある攻撃を模索した。先制点の前にもゴールまでたどり着く可能性は存在していたよ。ディテールの面で得点に昇華することができなかったがね」
「それからモリーナ、その次にロディが退場となって10対10となり、私たちはPKを獲得したが生かすことができなかった。ヘタフェが最後まで戦い抜くことは分かっていたんだ。彼らのクロスから危険な場面が生まれていたかもしれなかった」
ヘタフェFWホルヘ・モリーナは、後方からアキレス腱を踏みつける行為で、レアル・マドリーMFルカ・モドリッチに続き一発退場となったが、シメオネ監督はこの新競技規則をどう捉えているのだろうか。
「通達によれば、意図があるかないかは考慮しないとのことだった。腱を踏みつけた選手の意図を考慮しない理由は、踏みつけられた選手が3カ月の負傷に苦しんだとして、意図があるかどうかは関係ないからだ」
「私も選手だったが、踏みつける意図がなかったとしたら納得のいかないことだと思う。しかし、負傷は生まれてしまうんだよ。とにかく、前方からのタックルであればイエローで、後方からならばレッドとのことだった」
取材・文/江間慎一郎
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