FWロベルト・フィルミーノがMFジョルジニオ・ワイナルドゥムからのロングボールに全力疾走で追いつき、ボックス隅から放ったボレーシュートがストーク・シティGKリー・グラントを破りネットを揺らした瞬間、リヴァプールのファンの盛り上がりは最高潮となった。
それは息をのむ素晴らしいゴールだったが、それ以上にリヴァプールにとっては非常に重要な2点目だった。同点弾からわずか2分後に決まったそのゴールは、土曜に行われたストークとのタフな試合で、リヴァプールの息を吹き返すものとなった。
慌ただしい1週間のあと、ユルゲン・クロップ監督はMFフェリペ・コウチーニョとフィルミーノをベンチに置く決断を下し、代わりに若きFWベン・ウッドバーンとFWトレント・アレクサンダー・アーノルドをピッチに送り出した。
この試合、興味深いことにかつてレッズに所属した選手が4人もポッターズ(ストークの愛称)のメンバーに名を連ねていた。MFジョー・アレン、MFチャーリー・アダム、FWピーター・クラウチ、そしてDFグレン・ジョンソンだ。だがレッズは前半、ストークのFWジョナサン・ウォルタースに先制のヘディング弾を決められるなど、苦しい展開を強いられる。この失点で、リヴァプールはストークで辛い一日を過ごすかと思われた。
だが後半開始からピッチに向かったフィルミーノとコウチーニョが、チームに活力を取り戻した。
リヴァプールの中盤でタクトを振るコウチーニョは病気だったこともあり、前半はベンチに温存されていた。このブラジル代表は過去3試合で飛びぬけたパフォーマンスを見せており、その勢いに陰りは見えなかった。

ストークのディフェンスに疲労が見え始めた後半25分、かつてインテル(イタリア)にいたこのMFは12ヤード(約11メートル)の位置でルーズボールを奪い、同点弾を決めてみせた。これが彼のプレミアリーグ通算30得点目となり、ブラジル人のイングランドにおける最多得点となった。このゴールは今季9ゴール目で、自身のシーズン最多ゴール数を更新した。
そしてそのわずか126秒後、ブラジル人の同僚フィルミーノが目の覚めるようなゴールをたたき込み、リヴァプールの「復活の王」としての地位を確かなものとした。レッズは今シーズンこれまで、ビハインドを背負ってから同点、逆転によって勝ち点18をつかみ取ってきた。これは今シーズンのプレミアリーグで最多の数字である。
ストークでの2-1での勝利は、レッズにとって2017年初のアウェーでの勝利となった。ストークは常にホームでタフな試合を繰り広げるチームだが、レッズはコウチーニョとフィルミーノの活躍によって、この剛健なチームを打ち破った。
逆サイドのゴールでは、GKシモン・ミニョレが素晴らしいセーブをみせた。特にストークFWサイード・ベラヒノとチャーリー・アダムのゴールを防いだシーンは圧巻であった。彼のセーブが無ければリヴァプールが勝ち点3を手にすることはできなかっただろう。
試合後、クロップは「シモン・ミニョレが我々を救ってくれた」と守護神を称賛し、こう続けた。
「仕事を完遂して良い気分だよ。良い天気だし、勝ち点を63まで積み上げることができた。これ以上ないね」
レッズはプレミアリーグで3位につけている。残すところ、あと6試合。5位のマンチェスター・ユナイテッドとは6ポイント差だ。チャンピオンズリーグ出場権獲得へ、歩みを進めていく。
文=ディープティ・パトウォードハン/Deepti Patwardhan
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