リヴァプールの悲劇は繰り返された。プレミアリーグでの反省を胸に誓い、レスター・シティとのアウェーゲームに臨んだが、待っていたのは望んでいたものとは到底異なる結果だ。
リヴァプールは、先週末のプレミアリーグ・バーンリー戦から先発メンバーを7人入れ替え、ベスト16入りを目指してレスター・シティに挑んだ。だが19日の夜、忍び寄る寒さの中で、リヴァプールは自ら辛い結末の方へと歩んでいった。
「何か変だった。何かが間違っていた。我々は、しかるべき攻撃的なサッカーをし、試合を支配し、ポゼッションで上回っていた。何度もチャンスを作った。どのシチュエーションでも必ずシュートが打てるというわけではないが、我々が十分にシュートを放っていたことは間違いない。もちろん、もっとチャンスが作れたかもしれない。あの場面、この場面で、よりよい決断を下していたら、もう少し多くのチャンスがあったかもしれない」
これは、シーン・ダイチェ監督率いるバーンリーとの試合をドローで終えた後の、ユルゲン・クロップ監督の言葉だ。だが、カラバオ・カップ(リーグカップ)でリヴァプールが惨敗したキングパワー・スタジアムからの帰り道、クロップ監督が語った試合後のコメントだと思ったとしても仕方がないだろう。
リヴァプールは地力に勝り、余裕あるプレーをし、試合をコントロールしていた。だが2点を奪い、次のラウンドに進出したのは、相手チームのほうだった。
またしても、問題はペナルティーエリア内での精度の低さに集約される。さらに、レッズの指揮官は、チームが避けられたはずの失点を繰り返すことに「うんざりだ」と認めた。
前半の45分間、リヴァプールの選手たちは果敢に攻めつづけ、レスターはひたすら守備に追われた。ホームのレスターは、大きなリスクを背負うことのないよう、4バックを維持し、クロップ監督率いるリヴァプール相手に失点することなく、味方ボールの時でも、相手に攻撃されないことを第一に考えていた。
レスターは、リヴァプールのサイズの低さを利用すべく、何度もクロスを放ってリヴァプールを脅かそうとしたが、ハーフタイムまでに打てたシュートは2本のみ。対するリヴァプールも、フィリペ・コウチーニョとドミニク・ソランケのシュートが2本ずつ記録されただけだった。
Omar Momaniリヴァプールは、三匹の子ブタのオオカミよろしくレスターを吹き飛ばそうとし、チャンスをうかがい、鋭いシュートを放ったが、レスターからゴールをもぎ取ることはできなかった。ハーフタイム明け、レスターはさらに守備に追われることとなる。
「前半の我々は幸運だった。いつゴールされてもおかしくなかった」と、レスターのクレイグ・シェイクスピア監督は苦戦を認めている。
「ハーフタイムまで持ちこたえられて幸運だった。コウチーニョが交代してくれたのを見て、さらに幸運だと思った。(ハーフタイムでは)前半より攻撃的に行こうと話し合った。ボールを持った時の動きを良くし、もっと早めに前線の選手へボールを出そうと伝えた」
後半開始早々、レスターのデマレイ・グレイはこのとおりのプレーをした。53分、まっすぐ、そして目もくらむような走りでリヴァプールサイドを切り裂き、ドリブル突破からのシュートは横にそれた。

レスターは、もっとゴールに結びつくプレーのできるフォワードを入れて、試合の流れを決定的に変えるべく、岡崎慎司を投入。日本人ストライカーは先制点を決め、さらには決定的となる2点目をアシストして、フォクシーズはリヴァプールに何が欠けているかを見せつけた。
レッズはコーナーキックをクリアしたが、警戒心と攻撃性に欠け、ボールはそのままペナルティーエリアへ戻ってきた。レスターのウェズ・モーガンとビセンテ・イボーラの2人が、数少ない優位性を発揮できる「高さ」で脅威を発揮する。岡崎はイボーラがボールを落としたのを確認し、リヴァプールのラグナル・クラヴァンとアンドリュー・ロバートソンのマークを外してシュート。ジャストミートとはいかなかったシュートだが、レスターにとっては幸運なことにキーパーの手に触れることなくゴールに吸い込まれた。
その後、今度はリヴァプールの選手たちが緩慢な動きでスローインに対処し損なうと、岡崎がボールを運んでイスラム・スリマニにパスし、スリマニは見事な左足のシュートをゴール左へ突き刺した。
Getty Images「こんな試合で負けてしまい、まったくもって、うんざりだ」と、クロップ監督は苦い顔で不満を露わにした。
「ひどいものだ。リアクションの面で、若さが出た。0-2になって、我々が左サイドでワンツーを繰り返す一方、(レスターは)カウンター攻撃をしてきた。こうしたプレーに私は耐えなければならない。2人の若者(ベン・ウッドバーンとソランケ)は、2人合わせて(年齢が)34にしかならない。起こりうるミスだった」
「セットプレーでのディフェンスで、(1失点目は)最初はクリアした。その後が問題だった。セカンドボール、サードボールの対処が甘かった。さらに、スローインからやられた。こんな風に失点してしまうのでは、試合に勝つのは本当に難しい」
ため息をつきながら、敗戦を振り返ったクロップ。早々にリーグカップからの敗退が決まり、ドイツ人指揮官の憂鬱は続く。これで公式戦の勝利から4試合も遠ざかることに。23日には再びキングパワー・スタジアムでレスターと相まみえるが、クロップのため息は止まり、再スタートを切ることはできるだろうか。
文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy
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