
負けることの許されない戦いがある。
勝ちさえすれば、すべての人が幸せになる試合がある。
そして、世界中にある“負けられない戦い”の中で、特に雌雄を決する戦いといえば、レアル・マドリー対バルセロナの“エル・クラシコ”だろう。クリスティアーノ・ロナウド擁するレアル・マドリーと、リオネル・メッシの所属するバルセロナは、歴史的に見ても屈指のライバル関係にある。いまや、世界で最も注目が集まる試合と言っても過言ではない。
しかし、そもそも「クラシコ」とはどんな意味なのだろうか? サッカーファンにとっては馴染み深い言葉だが、その意味を知らずに使っている人は意外と多いのではないだろうか?
さらにレアル・マドリーとバルセロナが積み重ねてきたクラシコの歴史とは、どんなものなのだろうか?
今回はクラシコの意味や戦歴、歴史に迫っていくことにしよう。
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■クラシコの意味って?
クラシコとは、スペイン語で「伝統の一戦」を意味する(正確にはエル・クラシコ=El Clásico)。
バルサとレアルは、実力、人気ともに世界1、2位と言っても過言ではないほどの超ビッグクラブ。世界的ビッグクラブでライバル同士というだけではなく、バルサのあるカタルーニャ州と、レアルのあるマドリード(スペイン本土)とは、カタルーニャ州の民族意識が強いだけでなく、経済的負担を受けるなど、政治的にも経済的にも対立関係にあるケースが多い。最近でもカタルーニャ州が独立を目指し、騒動となったことが記憶に新しいところ。
要するにスポーツの枠を超え、絶対に負けられない相手となっているわけだ。
サポーター同士もクラシコでの勝敗に人生を賭けている。試合前後でファンの衝突が起こることも珍しくなく、バルサからレアル、レアルからバルサと、お互いのチームに移籍するような選手がいれば、スタジアム中からブーイングが浴びせられる。
2001年、バルサからレアルに電撃移籍した元ポルトガル代表MFのルイス・フィーゴがクラシコの舞台に立ったとき、彼に向かってバルサのファンが豚の頭を投げ入れたエピソードは、いまやあまりにも有名だ。
それほどまでに両者にとって重要な試合であり、絶対に屈することが許されない戦いというわけである。
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■クラシコの戦績は?
街中、国中を巻き込んで熾烈な争いを繰り広げるクラシコ。では、その戦歴はいったいどうなっているのだろうか。
クラシコは国内リーグであるリーガエスパニョーラやカップ戦、ヨーロッパチャンピオンズリーグなど様々な大会で、年に4~5回ほど開催される。これまでに235試合が行われ、通算成績はレアルの95勝91敗49の引分けとなっている。
レアル・マドリーにやや部があるものの、ほとんど戦績は五分といっていいのだ。
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■クラシコの歴史とは?
まず最初に対戦したのが、1902年のことだった。舞台はスペイン初のサッカー全国大会、コパ・デル・レイ。ちょうどレアル(当時はマドリードFC)の発足と同時に始まった大会だ。
記念すべき最初のクラシコは、3-1でバルサが勝利を収めている。ちなみにレアルの初勝利はそれから14年後の1916年。4−1でバルサを下している。
リーガエスパニョーラにおける初めてのクラシコは1929年。この試合は2−1でレアルが勝った。以降前述のようにほぼ拮抗しているクラシコだが、不思議なことに、100年を超える歴史を持ちながらどちらかのチームが勝利を収め続けているような時期はなく、ほぼ勝ち負けを繰り返している。
世界にはドイツ・ブンデスリーガの「バイエルン対ドルトムント」やブラジルの「ボカ・ジュニオルス対リーベル・プレート」など、国中、いや世界のファンを巻き込んで壮絶な戦いを繰り広げるナショナルダービーとも言うべき伝統の一戦は数多く存在する。
しかし、当事者以外も含めた全世界のサッカーファンを夢中にさせる戦いは、クラシコをおいて他にないだろう。積み重ねてきた100年の歴史、そして今なお両クラブともに世界最高峰の実力を誇っているからこそ、特別な熱気を帯びた戦いが生まれるのだ。





