2019_4_9_juventus_ajax3(C)Getty Images

「アヤックス快進撃はここでストップ」「ユーヴェは下剋上を許さない」【CL準々決勝・勝ち抜け予想】

チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝が9日と10日に開催される。『Goal』では、欧州サッカーに見識があるライター・ジャーナリスト陣に、準々決勝4カードの勝ち抜け予想を聞いた。

第3弾は、10日のアヤックスvsユヴェントス。王者レアル・マドリーを下したアヤックスと、クリスティアーノ・ロナウド擁するイタリアの絶対王者が相まみえる。この一戦を、ドイツ在住経験があるライターの遠藤孝輔氏、プレミアリーグに精通する寺沢薫氏、イタリア在住のジャーナリストである片野道郎氏が占う。

遠藤孝輔の予想:ユヴェントス勝ち抜け

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アヤックスの快進撃はここでストップするだろう。安定感のあるポゼッションと前線のポジションチェンジを活かしたダイナミックな攻撃サッカーで、レアル・マドリーやバイエルン・ミュンヘンと五分以上に渡り合ってきたものの、ユベントスはその2クラブに欠ける戦術的な柔軟性を有している。押し込まれても慌てずに相手チームの“時間帯”をしのぎ切り、自分たちのペースに持ち込むのが非常に巧み。豊富な経験値も強みだ。

負傷離脱していたC・ロナウドが1stレグ直前に復帰したのも、ユーヴェのベスト4進出を強く推せる要因。“武闘派”のマリオ・マンジュキッチがCBの逸材マタイス・デ・リフトの注意を引きつけ、ゴール前でフリーになったエースが悠々とネットを揺らす——。想像できるのはそんな得点パターンだ。C・ロナウドが離脱している3~4月のセリエAで5戦5ゴールとブレイクしたFWモイーズ・ケーンもアヤックス守備陣の大きな脅威となるだろう。

レアル・マドリーのような慢心(S・ラモスが意図的に累積警告を消化し、アヤックスとのラウンド16セカンドレグを欠場)は、ここ数年の宿願であるビッグイヤーを目指すユーベにはない。180分間をしっかり考えたロジカルな試合運びで、自信溢れるアヤックスをしたたかに寄り切るはずだ。

寺沢薫氏の予想:ユヴェントス勝ち抜け

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2006-07シーズンのPSV以来、オランダのチームでは12年ぶりにCL準々決勝進出を果たしたチームとなったアヤックス。王者レアル・マドリーとのラウンド16では第1戦を1-2で落としながら、第2戦を4-1で取り返して逆転勝利。今季CLで6得点4アシストをマークする左利きの技巧派デュサン・タディッチを中心とする多彩な攻撃や、デ・リフト、フレンキー・デ・ヨングら若い力の躍動は非常に魅力的だ。

しかし、タレント力とは裏腹に脆さを内包していたレアル・マドリーと違い、ユヴェントス相手となれば事は簡単に進まない。相手の勢いや強みを消す手堅くしたたかな戦い方は、今季もセリエAで首位を独走中であるカルチョの王様の真骨頂。またアヤックス相手に最近10試合負けなし、直近6対戦で5勝、さらにオランダのクラブに対して9戦連続無敗を継続中という相性にまつわるデータを考えても、ユーヴェが下克上を許すとは思えない。

もし接戦になったとしても、そこで差を生むのがクリスティアーノ・ロナウドという“飛び道具”の存在だ。ラウンド16のアトレティコ・マドリー戦でもハットトリックでチームを逆転勝ちに導いた大エースは、CLのノックアウトステージで77試合63ゴールと無類の勝負強さを誇る。ケガの状態が心配されるが、早ければ第1戦、遅くとも第2戦には復帰の見込み。彼が戻ればユーヴェに死角はない。

片野道郎氏の予想:ユヴェントス勝ち抜け

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若さと勢いのアヤックスに対して成熟と経験値のユヴェントスというわかりやすい構図。アヤックスがレアル・マドリーを下しただけでなく、グループステージでもバイエルンと互角の戦いを見せていたことから、イタリアでは楽観的な見方をすべきではないという慎重論も出ている。しかしCLという大舞台に慣れているだけでなく、アトレティコとのラウンド16セカンドレグで見せた可変3バックに象徴されるように相手によって柔軟に戦い方を変え、劣勢に立たされても落ち着きを失うことなく勝機をうかがうゲーム運びに長けたユヴェントスが、一発勝負ならまだしもホーム&アウェーの2試合合計でアヤックスに押し切られることは考えにくい。

アヤックスは、頻繁にポジションを入れ替えながらリズム良くボールを動かす中盤のポゼッションで主導権を握り、サイドを起点に2ライン間や裏のスペースに入り込んでくる左右のウイング、そして「偽9番」的な動きをするタディッチが絡んだコンビネーションでフィニッシュを狙うダイナミックな攻撃が持ち味。ユヴェントスは前線からプレッシャーをかけてポゼッションを分断しつつ積極的に「押し込む」時間帯と、受けに回って試合のペースをコントロールして「いなす」時間帯を使い分け、アヤックスの狙いを外そうとするだろう。その思惑が通じないほどの勢いでユヴェントスを押し込む展開をアヤックスが作り出し、2点、3点を奪って第1レグを制するようなことになれば、勝負はがぜん面白くなる。

ユヴェントスは、代表で太腿を肉離れしたC.ロナウドの状態が心配されたが、7日からチーム練習に合流しておりギリギリで間に合った形。しかし先のアトレティコ戦で戦術的なキープレーヤーだったエムレ・ジャン、そして最終ラインの要である主将ジョルジョ・キエッリーニの2人が故障欠場と、この第1レグに関しては最終ラインの強度に一抹の不安が残る。その穴を埋めるダニエレ・ルガーニのパフォーマンスが鍵になりそうだ。

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