アメリカの若者がドイツで夢をかなえるまで。ライプツィヒMFアダムスのストーリーとは?/インタビュー

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タイラー・アダムスはRBライプツィヒと共にタイトルを手にすることを夢見ている。ブンデスリーガへ至るまでの道のり、将来を見据えた大学での勉強、自身の母親の役割についてアダムスが語る。

何年間にも渡ってタイラー・アダムスは毎日、母親の運転する車で100kmを超える道のりを練習のために通った。彼が車中で過ごした数えきれないほどの時間は、ニューヨーク・レッドブルズからブンデスリーガのRBライプツィヒへ移籍することによって報いられることとなった。

アメリカ生まれの19歳のアダムスは今、長年彼が夢見ていた生活を送っている。アメリカ代表チームの一員となり、世界最高のリーグの一つでプレーしている。『Goal』のインタビューに応えたアダムスは、ブンデスリーガへたどり着くまでの苦労やニューヨーク時代の思い出について語る。

さらに、憧れのティエリ・アンリとともに練習に参加した思い出についても夢中になって話し、ライプツィヒで新たに指揮官を務めるユリアン・ナーゲルスマンが世界でも比類のない監督だと考える理由を明かす。

■仕事と勉強を両立させる意義

Tyler Adams RB Leipzig

――タイラー、あなたはフットボーラーとしてキャリアを積むかたわら、通信教育の大学でスポーツ心理学を学んで、人間の行動についていろいろと勉強していますね。なぜそういうことに興味があるんですか?

僕は他のティーンエージャーと違ってプロのフットボーラーとして仕事をしているから、残念ながら普通の大学に通う時間が取れない。僕の少年時代は、生活のすべてがフットボールを中心に動いていたんだ。だけど、フットボールをやりながら将来への準備をするために、これから大学の卒業資格を取ろうと思っているんだよ。頭を使うのはとても楽しいし、人間の行動や相互関係がどう機能するのかを学びたいと思っている。いつかそういった知識をスポーツと結びつけて、トップクラスのスポーツ選手たちがいっそう高いレベルのパフォーマンスを実現する助けになりたいんだ。

――大学で学んだことはどんなふうに日々の練習に活かれていますか?

ライプツィヒには専属のスポーツ心理学者がいるから、よく練習の後に僕が授業で習ったことを彼と一緒に話し合うんだ。今でももう、大学で学んだたくさんのことが僕の助けになっているよ。たとえばプレッシャーとの付き合い方を勉強すると、僕と彼はいろいろなやり方について議論するんだ。自分自身をしっかりと支えて成長させるためには、時間がある時にそういう問題を考えることが大切なんだよ。

――もっとたくさんのフットボーラーが、プロとしてキャリアを積む一方で勉強を続けるべきだと思いますか?

それは興味深い問題だね。多くのプロ選手は全力を挙げてフットボールに集中しているし、もちろんそれはとても大事なことだ。だけど僕たちの職業では、家族を持っていない場合には特に、一週間の間に自由に使える時間がわりとたくさんあるんだよ。自分や自分の思考力を鍛えて、常に新しく何かを学んでいくのはいいことに決まっている。僕はまだ若いし、仕事と勉強の両立という分野でもさらに努力を続けて、パイオニアになりたいと思っているよ。

――では、時間がある時にはプレイステーションでゲームをするより勉強していることの方が多いんですか?

(笑って)僕だって時にはプレイステーションで遊んでるよ。それほどいつもやってるわけじゃないけどね。時にはスイッチを切り替えて、友達や兄弟と一緒にゲームをしたりする必要があるんだ。ティーンエージャーはみんなビデオゲームが好きだし、僕も以前はもっとたくさんやっていたよ。だけど今では、わからないままになっていることについて本を読む方が自分のためになるということがわかったんだ。

――あなたのハイスクールの卒業式が特別に前倒しになったというのは本当ですか? 午後にMLS(メジャーリーグ・サッカー)の試合があったからだとか。

卒業生みんなじゃなくて、僕だけ早く卒業式をやってもらったんだよ。父が学校で働いていたから、校長と話し合って、僕のために簡単な式をやってもらうようにしてくれたんだ。他の生徒の卒業式は昼の12時になってからやっと始まったんだけど、僕は朝の7時にはもう卒業証書をもらっていたよ。ちょっとステージに上がって写真を撮ってもらってすぐに、午後に試合が行われることになっていたニューヨークへ向かったんだ。その日の試合は負けてしまったけど、卒業式をやって母に喜んでもらえたことが何よりよかったと思うよ。

――一人で卒業証書をもらうのはどんな感じでしたか?

滑稽なシチュエーションだったね。会場は巨大なホールで、何千もの座席が並んでいたんだから。僕は名前を呼ばれてステージに上がったんだけど、もちろんホールはほとんど空っぽの状態だった。僕の家族だけが最前列で席について、僕に拍手を送ってくれたんだ。

――あなたにとっては重要な意味を持つ卒業式でしたか?

正直言うと、卒業式は僕にとってたいして重要なものじゃなかった。もちろん卒業できたことはうれしかったけど、結局のところ、明らかに僕よりも母にとって重要な意味を持っていたんだ。卒業証書を手にした僕を見て、母はものすごく喜んでくれたよ。

■「母は一番大事な存在だ」

Tyler Adams USMNT 03212019 ISI.

――そのお母さんは、あなたのキャリアの初めの頃から非常に大きな力になってくれましたね。あなたが子供の頃には毎日100km以上の距離を運転して、ニュージャージーの練習場まで連れていってくれたんですから。

レッドブルのアカデミーに入った最初の日から、僕のために母が何をやってくれているか、どんなに僕の助けになってくれているか、よくわかっていたよ。初めてレッドブルの練習に招待された時、僕は母に一生懸命になって頼んだんだ。プロのフットボーラーになるのが僕の夢だったし、レッドブルのアカデミーに入るのは大きなチャンスだと思ったからね。母には僕の願いを拒むことはできなかった。いつだって母にとって一番重要だったのは、僕が自分の好きなことをやって幸せになることだったんだから。母がそうやって子供の頃の僕を支えてくれたことにものすごく感謝しているよ。他の親たちは自分の子供を練習場まで連れていくのに数分しかかからないのに、母は毎日何時間も車を走らせてくれて、それはすべて僕が自分の夢を叶えて、世界最高のアカデミーの一つで練習できるようにするためだったんだ。

――そんな経験をすると、感謝の気持ちがよりいっそう大きくなったことでしょうね?

母は僕のためにたくさんのことを諦めて、僕が喜ぶことなら何でもやってくれた。僕が学校にいる間は働いて、仕事が終わるとすぐに車でニュージャージーのアカデミーまで連れていってくれた。母はいつも僕にとって立派な手本だったし、いつか僕に自分の子供ができたら、母が僕にしてくれたように大切なことを教えてやるのが僕の目標なんだ。

――今、お母さんはあなたの生活の中でどんな役割を果たしていますか?

母は今、僕がまだ実家にいた頃とは違った形で僕を支えてくれている。けれど今でもやっぱり、僕にとって母は一番大事な人なんだ。僕をドイツへ行かせるのは母にとってつらいことだったと思う。僕にとって家族は何より大切なものだ。

――あなた自身に関して言うなら、“お母さんっ子”ってことですね。家族から遠く離れて暮らすのはさぞかしつらいことでしょうね?

母は一人で子供を育てて、長い間僕の人生でたった一人の頼れる人だった。僕と母は一緒につらい時代をくぐり抜けてきた。母は僕のために、僕は母のために生きてきたんだ。もちろん、今家からこんなに遠く離れて暮らすのは簡単なことじゃない。けれど僕はホームシックに悩むタイプじゃないんだ。僕は自分が夢見ていた生活を送っている。フットボールは僕を幸せにしてくれるし、僕はできるだけたくさんプレーできるよう努力している。確かに、家族にとって僕がこんなに遠くにいるのはつらいことだ。けれど一方では、家族は誰よりも熱心な僕のファンで、僕の出る試合を一つも逃さず楽しんでくれている。

――そういう場合はホームシックに悩まされるのが普通でしょう。あなたは本当にそれほどクールなんですか?

いや、別の方法で対応しているんだ。だって、遠く離れていても僕は毎日家族と、兄弟や母や祖父母の誰かと連絡を取ってるんだから。彼らが僕を支えてくれている。そして、僕が必要とする時にはいつでもそこにいてくれる。それが僕にはわかっているんだ。

――あなたはクリスマスにメルセデスベンツの新車をお母さんに贈ったそうですね。お母さんの反応はどうでしたか?

(笑って)その話にはちょっと皮肉なところがあるんだ。だって、母は今では松葉杖にすがって歩いているし、車は全然運転できないんだから。母が僕にしてくれたことに比べれば、あれはほんのつまらないジェスチャーにすぎなかった。僕は考えたんだよ、母は昔何年もの間ニューヨーク州の道路を何kmと数えきれないくらいの距離に渡って僕を乗せて車を走らせてくれたんだから、新しい車を贈られて当然だって。母はすごく喜んでくれたよ。それを見ることが僕にとっては何より意味があるんだ。母は決して、僕からそんな高価な贈り物をしてほしいと思ったりはしなかっただろう。けれど僕は心の中で、母は高価な贈り物をもらって当然だとわかっていたんだ。

――あなたのガールフレンドもまだアメリカで暮らしていますね。遠距離恋愛は難しいものでしょうね?

僕と彼女はこういう状況を乗り越えていかなければならない。いつかすべてが過ぎ去って、また一緒に暮らせるようになる日が来ると信じているよ。彼女はまだ大学に通っていて、卒業試験の勉強をしてるんだ。

■手本とするのは…

Christian Pulisic Weston McKennie Tyler Adams USMNT 11142018

――あなたはライプツィヒのメンバーとして紹介された時に、ピッチの外で過ごす時間が最大の試練になるだろうと話していましたね。これまでのところ、ドイツでの生活はうまくいっていますか?

正直言って、何もかも想像していたよりずっとうまくいってるよ。新しい街も新しい文化も、新しいレストランを探すことも僕はすごく楽しんでいる。契約前にドイツにやって来た時にはものすごい吹雪の最中で、すぐにニューヨークに飛んで帰るのが一番だって思ったんだ(笑)。けれど天気は思ってたよりずっといいし、ライプツィヒでごく快適に暮らしているよ。チームは素晴らしい雰囲気で僕を迎え入れてくれたし、すぐに何人かいい友達も見つかった。若い選手が多いチームだから、本当にチームメイトの誰とでも一緒に楽しく過ごせるんだ。

――チームメイトの中で一番の仲良しは誰ですか?

エミール・スミス=ロウは僕と同じようにドイツに来たばかりで、年齢も同じくらいだし、英語を話すんだ。だけど、マテウス・クーニャもほんとにいいやつだ。僕がこっちに来てから、クーニャはすごく力になってくれたよ。彼はドイツ語も英語もうまく話せないけど、とにかく僕たちはすごくよくわかり合えるんだ。クーニャと彼のガールフレンドは僕と同じ建物に住んでるから、よく一緒に過ごしているよ。

――ドイツへ来てから、これまでで一番戸惑った経験はどんなことですか?

1月にドイツへやって来た時、僕のドイツ語は全然使い物にならなくて、いくつかの単語がわかるだけだった。こっちへ来て間もない頃、僕はスーパーマーケットで食料品を買って、カードで支払おうとしたんだ。それでECカードを読み取り機に差し込んだんだけど、うまくいかなかった。レジの女性は英語ができなかったから、僕のPIN(個人識別番号)を打ち込まなければならないってことを身振り手振りで説明してくれようとしたんだけど、僕にはちっともわからなかった。結局僕は現金で支払って、二人で大笑いしたよ。

――では、ドイツで出くわした一番愉快な経験は?

母には聞かせたくないんだけどね。エミールと車で出かけた時にスピード違反取締装置(運転者の顔を自動的に撮影する)に引っかかって、赤いフラッシュの光にすっかり度肝を抜かれたよ。あれはかなり愉快だったね(笑)。

――何かアメリカのもので、ドイツに来てから懐かしいと思うものがありますか?

家族や友達以外に本当に懐かしいと思うものはないね。だけど、アメリカから誰かが訪ねてくると必ず、こっちには売ってない僕の好きなアメリカのお菓子を持ってきてくれるんだ(笑)。でも、だんだんドイツに馴染んできている気がするよ。この前アメリカで代表チームに合流した時は、たくさんの荷物を持って一人でアメリカへ行かくちゃならなかった。普段とはすっかり勝手が違ったよ。あれは変な感じだったね。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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――あなたがドイツへ来るに当たって、同じくアメリカ出身のクリスチャン・プリシッチやジョシュ・サージェントやウェストン・マッケニーが力になってくれましたか?

クリスチャンとウェストンはもう何年かドイツで暮らしていて、この国のことを本当によく知っている。僕は彼らに何でも聞くことができたし、貴重なアドバイスをもらったよ。試合で彼らと戦ったり、彼らのプレーを見ることができるのをとてもうれしく思っている。子供の時から知っている顔ぶれに出会えるのは心強いことだ。試合の後にたった30分話ができるだけだとしても、そうやって話をすることが僕にとってはとても大きな意味を持っているんだ。

――あなたがブンデスリーガへの移籍を決める際、プリシッチはどんな役割を果たしたんですか?

クリスチャンは14歳の時にドイツへやって来て、たくさんの若いアメリカ人が海外へ出るための道筋を作ってくれたんだ。彼以前には、若くして外国で成功を収めたアメリカ人は誰もいなかった。彼がドルトムントで自分を成長させて、しかもこれからプレミアリーグのチェルシーへ移籍するのは素晴らしいことだ。僕も彼と同じ道をたどっているけれど、彼の方がもっと大変だった。彼は僕よりも若かったし、手本にできるような選手がもっと少なかったんだから。クリスチャンは多くの若いアメリカ人にとって手本となる存在だ。僕にとってもね。

――ドイツ語はどのくらいできるようになりましたか?

簡単な言葉だとはとても言えないけれど、ドイツ語を学ぶにはとにかくこっちへやって来るのが一番だね。僕はもうたくさんの語彙を身につけたけれど、特に文の組み立てではまだ大いに頭を悩ませているよ。一番大きな問題は、僕のドイツ語が本当に上達するまで話す気にならないってことだ。チームには外国人の選手が大勢いて、英語で話すのが一番便利なことがよくあるんだよ。クラブの職員たちでさえ僕とは英語で話すし、そういうわけでこれからも根気よく勉強を続けていかなければならないね。

■「ピッチ上での一瞬一瞬を楽しんでいる」

Tyler Adams Robert Lewandowski RB Leipzig FC Bayern 2019

――あなたは幼い頃からプロのフットボーラーになるのを夢見ていたわけですが、あらゆるつらい努力をしてまで目指す価値のある夢なのかどうか疑問に思った時期がありましたか?

いつもうまくいくとは限らないし、困難な時期もあるだろうってことは初めからわかっていたんだ。だけど、どんな障害にも負けずにやり抜くんだという思いが僕の大きなモチベーションになっている。子供の頃は、フットボールをやる一番の意味は楽しむことだった。けれど、その当時でも僕はものすごく野心に燃えていて、常に勝ちたいと思っていたんだ。僕は負けることがこの世の何より嫌いなんだよ。

――少年時代のあなたは、キャリアのためにたくさんのことを諦めなければなりませんでしたか?

そういうことも少しはあったね。フットボールのせいで、僕は大学へ行って新しい知り合いを作ることができなかった。友達はもっと何度も僕をパーティーに誘いたかっただろうと思うけど、僕は断らざるをえなかった。次の日に試合があったり、練習があったりしたからね。そういうのが僕の生活なんだ。たくさんのことに対して“ノー”と言わざるをえなかったけど、僕は自分の選んだ道を愛しているし、たくさんのパーティーに参加できなかったとしても少しも残念だとは思っていないよ。

――幼い頃からすでにあなたは大きな才能を見込まれて、将来の代表候補と見なされていました。子供の頃からそんなプレッシャーを負わされて、どうやってそれと付き合ってきたんですか?

僕はピッチの上で経験する一瞬一瞬を楽しんでいるし、自分が人生において素晴らしい可能性を提供してもらったことをとてもありがたいと思っている。だけどそれは全部、非常に苦しい努力があったからこそ手に入ったものなんだ。僕は日々新たな気持ちで、監督に僕の力を認めてもらえるように努力している。一週間の間、頭にあるのはそのことばかりだ。本当に大切なのは、浮ついた気持ちを持たずに一生懸命努力すること、それだけだよ。プレッシャーはプロスポーツには付き物の要素だ。誰のキャリアにだって、挫折に打ちひしがれる時もあれば快哉を叫ぶ時もあるんだから。大切なのは、そんな時にも準備を怠らないようにして、チャンスがあればつかみ取ることだ。

――アメリカではあなたの活躍の引き起こした興奮が文字通り過熱状態になっています。そんな中で、どうすれば浮ついた気持ちにならずにいられるんですか?今ではもう、アメリカのフットボールファンの誰一人としてあなたを知らない者はないんですから。

地に足を着けて舞い上がらずにいることが、僕の個性の一部になっているんだと思うよ。僕は自分を巡る騒動を遠ざけて意識しないようにしている。たとえ僕がいいプレーをしたとしても、特にそれを自慢に思ったり、ハイライトシーンを5回も見直したりするタイプじゃないんだ。ゴールを挙げようとアシストを決めようとね。僕のコンディションが良くて、できるだけチームの力になろうとすれば、単にそうなるだけなんだ。そんな時には、ソーシャルメディアにも目を触れないようにしているよ。僕は試合の後にツイッターで褒められているのを読んだりしないし、自分をブランドにしたいとも思わない。僕はそういうタイプじゃないんだ。初めてピッチに立った時からずっと僕は同じように振る舞ってきたし、同じ価値観を信じている。プロになっても、子供の頃も、それは変わらないんだ。懸命に仕事に打ち込む人間としての僕にとって一番重要なのは、自分自身に対して誠実であることだ。これは、僕の試合があるたびに、これまでずっと祖父母が言い聞かせてくれていることなんだ。僕は決して奇抜な服装をしてうろうろしたり、派手なアクセサリーを身につけるようなことにはならないだろう。僕はただの、フットボールが好きなごく普通の若者なんだよ。

――ニューヨーク・レッドブルのアカデミーから巣立った最初の選手たちの一人として、あなたは代表チーム入りも実現し、今ではアメリカの多くの若者たちにとって手本となる存在になっています。それはどんな感じですか?

思いがけなく後進の選手たちの手本になるのは素晴らしい気分だね。僕は大きな幸運に恵まれて夢を実現し、もっと自分を成長させるために毎日一生懸命努力している。今たくさんの若い選手たちが同じような道を進もうとしているし、自分が手本になっていくらか社会にお返しができると思うと幸せな気分だよ。僕の弟のディランもレッドブルのアカデミーにいて、僕を尊敬の目で見てくれていた。だから僕はもっと若かった頃から、彼のためにできるだけ最高の手本になりたいと思っていたんだ。

――もっと若かった頃のあなたにとっては誰がお手本になっていたんですか?

ティエリ・アンリだね。僕は彼がアーセナルやバルセロナにいた頃から憧れていたんだけど、彼がニューヨークへ移籍してからは、いつか一緒にピッチに立ちたいとはっきり思うようになったんだ。一緒に試合に出ることはできなかったけれど、僕が初めてプロの練習に参加した時には彼がまだチームにいたんだ。あの時アンリと一緒にプレーできたのは素晴らしい経験だったよ。

――最初の出会いはどんなでしたか?

突然、長い間憧れの的だった人と一緒にロッカールームに座っているというのは、ほんとにとんでもない経験だったよ。彼はブラッドリー・ライト=フィリップスとずっと親友の間柄だから、今でも時々ニューヨークで過ごしている。この間のシーズンのある試合の後、彼は僕のところへやって来て、とてもいいプレーだったと言ってくれたんだ。信じられないくらいうれしくて、とにかくどう答えたらいいのか全然わからなかったよ。幸い、一緒に写真に写ってもらえないかって頼むことができたけどね。

■レッドブルグループへの批判について…

Tyler Adams New York Red Bulls Columbus Crew MLS 2018

――少年時代のあなたはどのくらいブンデスリーガの試合を見ていましたか?

僕がブンデスリーガに熱中するようになったのはプリシッチのデビューやライプツィヒの昇格があってからだ。同じレッドブル・ファミリーの仲間としてライプツィヒの昇格は当時大いに僕たちの関心を引いたし、それからはほとんどすべての試合を見るようになったよ。中でもナビ・ケイタやエミル・フォルスベリといったすごい選手たちをいつも憧れの目で見ていたね。ちゃんと自分を成長させることができたら、僕にもライプツィヒでプレーするチャンスが手に入るかもしれないってわかっていたから、特に彼らには注目していたよ。

――実際、あなたは1月にその一歩を踏み出すことに成功しました。フォルトゥナ・デュッセルドルフとのデビュー戦はどんなふうに記憶に残っていますか?

まず一番に思い出すのは、チームが勝ち点3を獲得できたということだ。僕はとにかくピッチに出ていって、みんなを納得させる働きを見せたいと思っていただけだ。僕は移籍後そんなに早くデビューを飾れるとは思ってなかったんだ。デュッセルドルフ戦の何日か前にコーチングスタッフから好きなポジションを聞かれて、試合に出られるかもしれないとほのめかされた。で、気がついたらスターティングイレブンに入っていたっていうわけさ。

――あなたがプレーするライプツィヒには何人か有名選手がいますが、誰が一番すごいと思いますか?

ライプツィヒはすごく年齢層の若い才能溢れるチームで、どの一人を取ってもブンデスリーガでプレーするのにふさわしい選手ばかりだ。だけどエミル・フォルスベリはチームの中でも飛び抜けた存在だね。エミルのようなチームメイトを持つのは素晴らしいことだ。フットボールのことにしろ人間的な面にしろ、毎日何か新しく学ぶことができるんだから。

――ライプツィヒへ来てから、あなたが一番いろいろなことを教わったのは誰からですか?

ユスフ・ポウルセンは、まさに僕がこっちへやって来た最初の週、僕がドイツで暮らしていけるようにすごく力になってくれたよ。本当にいちいち細かいことを英語で説明してくれて、仕事以外の時も僕のそばにいてくれたんだ。たとえばライプツィヒには英語で映画が上映されているところがぽつぽつあるのを教えてくれて、そういうところへ僕を連れていってくれたよ。

――ドイツではRBライプツィヒは相変わらず議論の的になっていて、一部の人々からは“金儲け主義のクラブ“だと見られていますね。アメリカのファンはレッドブルグループのクラブをどう考えていますか?

何年か前、ニューヨーク・レッドブルズはMLSで一番人気のないクラブの一つだった。ティム・ケーヒルやティエリ・アンリのような選手たちと契約した時には、レッドブルはただ大金を使うだけでタイトルを取るのは無理だと思っていた人たちが多かった。ライプツィヒと同じように、今はニューヨーク・レッドブルズでも若手の育成に重点的に力を注いでいる。そういうわけで今のニューヨーク・レッドブルズは、ほとんどの選手を自前で養成した、MLSで最も年齢層の若いチームの一つになっている。外野では、レッドブルズは一番金持ちのクラブだから有利な点がいろいろあるんだとよく言われている。けれど、結果的にその資金をとても上手に使って、若い選手たちがさらに成長するのを助けているんだ。ライプツィヒでもニューヨークでも毎週たくさんの、一番年上でも21歳くらいの選手が大勢ピッチに出てプレーしている。これは、ブンデスリーガでもMLSでも、ほかのクラブでは見られないことだ。

■目標、夢と語るのは?

Tyler Adams United States Italy

――新シーズンからはユリアン・ナーゲルスマンがライプツィヒを率いることになります。彼とはもうコンタクトを取ったんですか?

うん、一緒にこれからのことを話し合ったよ。それに、もうすぐ彼のような素晴らしい監督に指揮してもらうようになると思うとものすごくワクワクしている。彼はまだとても若いのに、ドイツで目覚ましい評価を得ている監督だ。彼は選手を成長させる並外れた手腕の持ち主だし、ホッフェンハイムですごいことをやってのけた。もう僕のこともしっかり観察していて、僕を指導するのを楽しみにしていると言ってくれたよ。

――多くの識者が彼のことを、監督としてドイツで最も優れた才能の持ち主だと考えています。あなたは彼の仕事ぶりをどう思いますか?

彼は試合についてまったく独自の考え方を持っていて、細かいことにとてもたくさん注意を払うんだ。彼が一人ひとりの選手を理解するやり方ときたら、あんなふうにできる監督は世界中を見渡してもほとんどいないよ。3バックと4バックの間で守備を絶え間なく切り替えるホッフェンハイムの柔軟な戦い方は並外れていた。チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦での彼らの戦いぶりはものすごく興味深かったよ。圧倒的な勢いでプレッシングをかけて、とにかくボールを奪おうとするような局面が何度もあったからね。彼は比類のない監督だし、彼と一緒に仕事をするのはきっと素晴らしいことだと思うよ。

――もちろん選手の側からすれば、そんなふうに絶え間なくシステムを変更するのは決して簡単なことじゃないでしょうね。

もちろんそういう面はあるけれど、まさにそんな高度な要求をするからこそ、彼はあんなに素晴らしい監督になっているんだ。彼は一人ひとりの選手に対して何を求めているのかうまく伝えることができる。そしてそういう時、非常にたくさんの細かいことまで説明してくれるんだ。確かにそれは簡単にできることじゃない。けれど、彼はそうやってすべての選手を育てるんだよ。

――ちょっと前にセルジュ・ニャブリが言っていました。「ナーゲルスマンを手に入れたライプツィヒは正真正銘の強豪クラブになる条件がそろったから、バイエルンを脅かす存在になるかもしれない」と。彼の言う通りだと思いますか?

よく言われてることだし、それはつまり、彼が僕たちを優勝へ導くことができるということだ。けれど、その前に僕たちにはまだ山ほどやることがある。いつか優勝という目標を達成するためには、一人ひとり、そしてチームとしても、僕たちはもっと力強く成長しなければならない。それでも僕は、ナーゲルスマンのような監督ならチームに大きな影響を及ぼすことができると思っているよ。

――ライプツィヒは次のシーズンに早くもバイエルンやドルトムントにとって本物のライバルになれると思いますか?

もちろんだ。特に昨シーズンの後半戦では、僕たちはドルトムントやバイエルンとも互角に戦えることを証明した。僕たちは素晴らしいパフォーマンスを見せているのに、僕の感じからすれば、あまりにも注目されることが少なすぎると思う。僕たちは若々しいチームで、トップレベルのプレーを見せていて、もっと多くを成し遂げようと野心に燃えている。チャンピオンズリーグはまさに、僕たちの力をもっとアピールするための大きなチャンスになるだろう。それは、クラブにとっても僕たち選手にとっても素晴らしい経験になるだろうね。

――次のシーズンのあなた自身の目標は何ですか?

チャンピオンズリーグのせいでこれから試合の予定が詰まっているし、僕の目標はレギュラーとして活躍することだ。ブンデスリーガとチャンピオンズリーグで大きな試合に何度も出て、最高のパフォーマンスを見せたいと思っているよ。

――この先のキャリアの目標は何ですか?

ライプツィヒでプレーしているからにはあらゆる扉が開かれている。僕の最大の願いは、いつかライプツィヒでドイツチャンピオンになることだ。チャンピオンズリーグでも存在感を示したいと思っている。昨シーズンのアヤックスが成し遂げたことを見れば、僕たちにだって同じようなことができるはずだ。それと同時に、代表チームも僕のこれからの計画の中で大きな役割を担っている。2022年にはワールドカップが開かれるから、それに出場することが目標だよ。

――フットボーラーとしてのあなたの夢はどんなことですか?

チャンピオンズリーグやブンデスリーガやワールドカップで優勝するのが僕の望みだ。いつかクリスチャン・プリシッチのような友人たちと一緒にプレーできれば素晴らしいだろうね。どうなるかは今にわかるよ。

インタビュー・文=ロビン・ハック/Robin Haack

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