試合のジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジリプレイ第2回・特別編」がDAZNで先行配信されている。本来この番組は1節につき1回制作されてきたが、今回は2回目。そこには「こんな時こそやらないと」という原博実Jリーグ副理事長のたっての希望があった。
■開幕戦で示された今季の判定基準
明治安田生命Jリーグは新型コロナウイルス感染症による試合延期に伴う中断を余儀なくされている。毎週末の試合を楽しみにする日々が突然なくなり、寂しい思いをしているファン・サポーターも多いのではないだろうか。Jの情報が少なくなっているいま、「Jリーグジャッジリプレイ」は中断期間を過ごすための情報源でもある。そこで、Goalでは特別編の収録現場に潜入した。
いつものように、桑原学さんがMCを務め、おなじみの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、1993年のJリーグ開幕戦・ヴェルディ川崎対横浜マリノスで笛を吹き、現在はJFA審判1級インストラクターを務める小幡真一郎さんがゲストとして招かれた。
冒頭、「延期の決断は仕方なかったと思います。でもこの番組は、こんなときこそやらなきゃいけないと思ったんです」と原副理事長。開幕戦では、J1・J2合わせて20試合が行われており、「ツイッターでは、J2からも（やってほしいと）いろんな意見が出ていましたし、前回取り上げなかったシーンからの希望もあった」とまだまだ伝えるべき内容があると述べる。
そんな特別編では、今季のJリーグのテーマである「激しくて、フェアで、エキサイティングな試合」に関わる３つのシーンが選ばれた。
取り上げられたのは、川崎フロンターレ対サガン鳥栖戦の66分、大島僚太が金森健志に後方からタックルされたシーン、柏レイソル対北海道コンサドーレ札幌戦での激しいフィジカルコンタクトの判定基準、「一番ツイッターでの希望が多かった」（平畠さん）FC町田ゼルビア対ヴァンフォーレ甲府の65分、マソビッチのヘディングが藤田優人の腕に当たったが、ハンドの判定とならなかったシーンを紹介。出演者が多方面からジャッジについて語り合った。
■平畠さん「DOGSOマスターへの道」
©Goal
収録後、レギュラーメンバーに特別編の配信について意見を聞いた。
「今までは３つしかやれなかったけど、（中断期間中も）続けていって、普段見てもらえないシーンをどんどん出していきたい。みんな時間があるからね」と原副理事長。試合がないからこそ、見せたい・伝えたいものがあると強調する。番組を通じて競技規則への理解を深め、レフェリーへのリスペクトも広げていくこと「それが目的の一つでもある。だからこそ、途切れないでやっていきたい」とする。
さらに、現在DAZNでは2019年に配信した全34節のジャッジリプレイ34回分も見られるようになっている。
「僕がDOGSO（ドグソ）（※1）マスターになる過程も見られるってことでしょう。最初、ドグソと言われても何のことか分からなかったですもん」と平畠さんが振り返る。今や、ドグソと言えば平畠さんの代名詞（？）ともなったが、Jリーグ内で「ドグソTシャツ作りましょうか？」とも言われたとのこと。2020シーズンは第1回で「SPA（スパ）」（※2）が登場しているため、平畠さんは今季「SPAマスター」の道をたどることになりそうだ。
そして再開後、「ドグソTシャツ」を着た平畠さんとどこかのスタジアムで会えるかもしれない。そんな時を心待ちにしてこの中断期間を過ごしたい。
※1 DOGSO（ドグソ）：Denying Obviously Goal-Scoring Opportunity＝決定的な得点の機会の阻止。ポイントは「プレーの方向」、「反則とゴールとの距離」、「守備側競技者の位置と数」、「ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性」の4点。
※2 SPA（スパ）：Stopping a Promising Attack＝相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止すること。警告の条件。
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