Henrikh Mkhitaryan Paul Pogba Manchester United Europa League FinalANDERS WIKLUND

これぞマンチェスター・U!EL初制覇という“最高の贈り物”で人々に勇気を与えた夜

ここ数日、痛ましい日々を過ごしてきたマンチェスターの市民に、ユナイテッドが最も素晴らしい贈り物を届けた。マンチェスターのコンサート会場で22人が亡くなったテロ攻撃から48時間も経たない24日、マンチェスター・ユナイテッドはアヤックス・アムステルダムに2-0で勝利しヨーロッパリーグを制覇したのだ。凄惨な事件にくじけることなく道を切り開いた選手たちは称賛に値する。

この日、特に素晴らしいプレーが光ったのはポール・ポグバだ。彼はつい先ごろ父親の死という不幸に見舞われていたのだが、豊富な運動量で相手を圧倒し、18分には先制点をチームにもたらした。20メートル近いミドルシュートを決めたポグバが天を指さすと、ピッチにいた選手たちもスタンドのファンも感情を爆発させた。そして後半早々にはヘンリク・ムヒタリアンが2点目をあげると多くの人々が勝利を確信。決勝の地へ押し寄せたサポーターたちは今シーズンの苦しい想いをすべて忘れるかのようにチームとマンチェスター市を祝福した。水曜の夜は、まさにユナイテッドのためにあったといっていい。

Henrikh Mkhitaryan Paul Pogba Manchester United Europa League FinalGetty Images

モウリーニョ監督は数週間前、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を獲得するにはヨーロッパリーグに集中するしかないと腹をくくった。しかし、ユナイテッドに残された希望をたった1試合に集約することは大きな賭けであっただろう。決勝進出を決めたものの、セルタ・デ・ビーゴ戦で苦戦したときにはモウリーニョ監督の手腕に疑問を抱かざるをえなかった。だが、選手たちは最もプレッシャーのかかる大舞台で大一番にふさわしいパフォーマンスを繰り広げ、指揮官の信念が正しかったことを証明したのだ。

Jose Mourinho Manchester United Europa League Final

この日のマンUはまるで流れるようなサッカーを展開していた。ラインを高く保つ攻撃的なプレーでスペースを有効的に活用し、チームが先制点を挙げるのを待つまでもなく勝利は確定的だった。

ポグバのプレーはマンチェスターに帰還して以降、最も完璧なプレーだったし、アンデル・エレーラも中盤の底でチームを統率していた。マルアン・フェライニは絶妙なタイミングで長身を生かしたエアバトルを展開し、クリス・スモーリングとダレイ・ブリントのコンビはボールを実に見事に処理していた。今シーズン、ユナイテッドがこういう試合をいつも見せられていたのであれば、ヨーロッパリーグの決勝を待たずともチャンピオンズリーグへの出場権を獲得することができていたかもしれない。だが、ここ一番で勝つことができる勝負強さはやはり名門クラブの名にふさわしい。

クラブにとっても、モウリーニョにとっても長く困難なシーズンを有終の美で飾ることができた。そしてこの勝利はチームにとってだけでなく、マンチェスターに住む多くの人にとっても最高に特別なものであったに違いない。困難の中で勝ち取ったこの一勝は、選手やファンのみならずマンチェスターの市民の心の拠り所にもなり得るのだから。

文=クリス・ヴォークス/Kris Voakes

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